誤認にもほどがある

青年と老紳士は商店街を歩いていた。


並んでショーケースを見ていると、青年の左手に何か触れた。


目をやると、そこには笑顔で手を掴む子供。


迷い子にしてはえらく懐いている。


その様子に「間違われてますね、親に」と老紳士は笑い、


「私に似た親がいてなるものか」と死んだ目の青年は虚ろに返した。
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