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「ぁ……」
だから、ヤ バ いって
ダークさんの瞳があんまり真剣過ぎて言葉が出てこない。
またポロポロ出てきた涙と震える身体をダークさんはどう受け取ったのか。どうしようもなく悲しくて優しい微笑みを浮かべた後、私はそっ、と離された。
「恐がらせちまったか。
…ゴメンな」
「あ、ち、ちが」
「ほらもう泣くな。後が残るぞ」
「だ、ダークさん」
苦笑と共に涙を拭われながら必死に声を出そうとする。でも出ない。
どうしようこのままじゃ誤解されたままだ。
――こんなので終わって、いいの?
答えは決まってる。
良いワケ…ないっっ!!
「ダーク、さん…!」
震える腕をなんとか伸ばして――抱き付いた。
言葉が伝わらないならせめて身体で。
お願い届いてダークさん。私を受け取ってダークさん。
ぎゅうぅっと抱き付いて…というより必死にしがみ付いてダークさんの反応を待った。ひたすら待った。
するとダークさんはしばらくの無言の後、まるでちょっと困ったみたいな渇いた笑い声を上げた。
「(え…?ダメ、だった?)」
あんなに抱き締めてくれたのに?
まさかの展開に涙すら忘れて無意識に身体を離そうとした時、長くてしなやかな腕が伸びて私は捕らえられた。
それからダークさんの、やっぱりどこかちょっと困ったようなけれど優しい声。
「…せっかく離してやったのに」
「ダーク、さん」
「なぁ知ってるか?これでもお兄さんは遠慮してたんだぞ。
…今日の昼までは」
「え?」
今日の、昼?
今日の昼って言ったら…
「…え、えぇえ!?」
トマス達と最悪の会話をした、あの時じゃないか!
えぇっとどういうコトだ。なんで今日の昼までダークさんは何を遠慮してたんだ。
ダメだ頭が回らないー!
やたらあたふたし始めた私をダークさんは小さく笑って軽々と持ち上げられ、膝の上に乗せられた。
ダークさんと向き合う形で頭を撫でられたり髪をいじられたり頬っぺたを撫でられたりされてしまう。正直に言おう。
死にそうだ。
まさに借りてきた猫状態。そんな私をダークさんは優しい眼差しで見つめたまま何やらとても身に覚えのある話を始めた。
「この街へ来てすぐの事だ。オレを見るたくさんの視線の中で一際オレを見つめる視線に気付いた。
誰か知らねぇが初めのうちは完全に放っておこうと思っていた」
「…?」
「この街へ来て3日目。ブラブラ街を歩いてると広場のど真ん中でやたらと意気込んだガッツポーズをしてる女の子を発見した」
「―――。」
これって、もしかして。
「4日目。何かを一心不乱に追い掛ける女の子を発見。
しかもその子は目標物しか見てないのかとにかく人にぶつかるぶつかる。オレはこの街の人間の懐のデカさと女の子の凄まじい執念を垣間見た」
「……。」
「5日目。その日は雨だった。
オレは街へ出るのを止めてずっと窓から街の風景を見ていた。女の子は今日も何かを探していた。
何回オレのいる宿の前を通ったか。ビニールの透けた傘を差して雨の中を走る走る。
そン時からだな。ふとそんなに求められる誰かがオレは無性に…羨ましくなった」
そこまで言ってダークさんは一旦息を吐いた。そして、
「…6日目」
―――きた。
「ギナン達の仕事の手伝いをしてたらなんと噂の女の子がすぐ目の前に来たじゃねぇか。
とびきりの可愛い笑顔を浮かべて。オレじゃない、誰かの隣に」
違う。違うんだよダークさん。
私は貴方に近付きたくてそうしたの。
ガッツポーズもストーカーも雨の日の街中一人マラソンも全部貴方に近付くため。全部全部。
「ンでムカついたから抱き締めて羽交い締めにして身体中にキスの雨降らせて死ぬ程愛の言葉囁いてこれでもかってぐらいトマスに見せ付けてやろうとした激動を…―笑顔の裏にしまい込んだ」
「……ん?」
アレおかしいなぁ最後の言葉しか分かんなかった。まぁいいか。
ああなんてことだろう。ダークさんは私を見てくれていた。ずっと知ってくれていた。
私達、想いは一緒…?
…だったら、さぁ後は私が言うだけだよ。大丈夫大丈夫今の話を聞いた感じ拒絶はされない…と思う。
おそるおそるダークさんの服を握って、ゆっくり口を開いた。
「あのね、ダークさん」
「ん?」
「それね…―――」
きっとハッピーエンドになれるから。
*
だから、ヤ バ いって
ダークさんの瞳があんまり真剣過ぎて言葉が出てこない。
またポロポロ出てきた涙と震える身体をダークさんはどう受け取ったのか。どうしようもなく悲しくて優しい微笑みを浮かべた後、私はそっ、と離された。
「恐がらせちまったか。
…ゴメンな」
「あ、ち、ちが」
「ほらもう泣くな。後が残るぞ」
「だ、ダークさん」
苦笑と共に涙を拭われながら必死に声を出そうとする。でも出ない。
どうしようこのままじゃ誤解されたままだ。
――こんなので終わって、いいの?
答えは決まってる。
良いワケ…ないっっ!!
「ダーク、さん…!」
震える腕をなんとか伸ばして――抱き付いた。
言葉が伝わらないならせめて身体で。
お願い届いてダークさん。私を受け取ってダークさん。
ぎゅうぅっと抱き付いて…というより必死にしがみ付いてダークさんの反応を待った。ひたすら待った。
するとダークさんはしばらくの無言の後、まるでちょっと困ったみたいな渇いた笑い声を上げた。
「(え…?ダメ、だった?)」
あんなに抱き締めてくれたのに?
まさかの展開に涙すら忘れて無意識に身体を離そうとした時、長くてしなやかな腕が伸びて私は捕らえられた。
それからダークさんの、やっぱりどこかちょっと困ったようなけれど優しい声。
「…せっかく離してやったのに」
「ダーク、さん」
「なぁ知ってるか?これでもお兄さんは遠慮してたんだぞ。
…今日の昼までは」
「え?」
今日の、昼?
今日の昼って言ったら…
「…え、えぇえ!?」
トマス達と最悪の会話をした、あの時じゃないか!
えぇっとどういうコトだ。なんで今日の昼までダークさんは何を遠慮してたんだ。
ダメだ頭が回らないー!
やたらあたふたし始めた私をダークさんは小さく笑って軽々と持ち上げられ、膝の上に乗せられた。
ダークさんと向き合う形で頭を撫でられたり髪をいじられたり頬っぺたを撫でられたりされてしまう。正直に言おう。
死にそうだ。
まさに借りてきた猫状態。そんな私をダークさんは優しい眼差しで見つめたまま何やらとても身に覚えのある話を始めた。
「この街へ来てすぐの事だ。オレを見るたくさんの視線の中で一際オレを見つめる視線に気付いた。
誰か知らねぇが初めのうちは完全に放っておこうと思っていた」
「…?」
「この街へ来て3日目。ブラブラ街を歩いてると広場のど真ん中でやたらと意気込んだガッツポーズをしてる女の子を発見した」
「―――。」
これって、もしかして。
「4日目。何かを一心不乱に追い掛ける女の子を発見。
しかもその子は目標物しか見てないのかとにかく人にぶつかるぶつかる。オレはこの街の人間の懐のデカさと女の子の凄まじい執念を垣間見た」
「……。」
「5日目。その日は雨だった。
オレは街へ出るのを止めてずっと窓から街の風景を見ていた。女の子は今日も何かを探していた。
何回オレのいる宿の前を通ったか。ビニールの透けた傘を差して雨の中を走る走る。
そン時からだな。ふとそんなに求められる誰かがオレは無性に…羨ましくなった」
そこまで言ってダークさんは一旦息を吐いた。そして、
「…6日目」
―――きた。
「ギナン達の仕事の手伝いをしてたらなんと噂の女の子がすぐ目の前に来たじゃねぇか。
とびきりの可愛い笑顔を浮かべて。オレじゃない、誰かの隣に」
違う。違うんだよダークさん。
私は貴方に近付きたくてそうしたの。
ガッツポーズもストーカーも雨の日の街中一人マラソンも全部貴方に近付くため。全部全部。
「ンでムカついたから抱き締めて羽交い締めにして身体中にキスの雨降らせて死ぬ程愛の言葉囁いてこれでもかってぐらいトマスに見せ付けてやろうとした激動を…―笑顔の裏にしまい込んだ」
「……ん?」
アレおかしいなぁ最後の言葉しか分かんなかった。まぁいいか。
ああなんてことだろう。ダークさんは私を見てくれていた。ずっと知ってくれていた。
私達、想いは一緒…?
…だったら、さぁ後は私が言うだけだよ。大丈夫大丈夫今の話を聞いた感じ拒絶はされない…と思う。
おそるおそるダークさんの服を握って、ゆっくり口を開いた。
「あのね、ダークさん」
「ん?」
「それね…―――」
きっとハッピーエンドになれるから。
*