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…とは決めたものの、具体的に何をしようか。
「私ダークさんと接点泣けるくらいなーんもないじゃん…」
そう、愛しの旅人さんとただの街娘の私には何一つ接点がなかった。
街案内なんてダークさんがこの街へ来て4日経つんだから必要ナッスィン。さらにダークさんはきっと案内されるよりも自分で世界を見る人だ。
…難しいモノね、好きになってもらうって。
うだうだ考えても仕方ない。とりあえず行動してみよう。
さっきの決心を胸に、私はついに動き出しました。
*
道具屋!
広場!
市場!
広場!
広場!
…まず1日目。正確にはダークさんが来てから5日目の今日。
私は緑の広場へと来ていた。
ずいぶん積極的に見えるかもしれないけど実は意外と奥手な私。ホントはダークさんをもーっと前から見付けてたんだけど、話し掛ける勇気が湧かなくて様々な紆余曲折を経た末にココまでずるずる着いて来てしまったのです。
俗に人はこれをストーカーと呼ぶ。
「(子供達と遊んでるダークさん発見!)」
それ行け、今だ!私も混ぜてー!
いざ行かん輪の中へとびきりの可愛い笑顔を浮かべて足を踏み出し――
「………~~、っっ」
…って行ってくれないのが所詮私の現実。
「あ、そろそろ暗くなって来たな。よしお前らもう帰れ。またな」
「(!!あ……)」
帰っちゃった…。
モタモタしてるから…。
「(…明日がある!)」
負けないよ私。ダークさんが帰ってしまって仕方がないからもう一度あの最初の銅像の前に帰って来て、もう一度ガッツポーズをした。
明日こそはと決意を込めて。
…しかしその明日、つまり今日は雨だった。
街中を探したけどダークさんはどこにもしない。きっと雨だから宿に籠もってるんだ。
私ダークさんの泊まってる宿なんて知らないもの。
たくさん走って結局銅像の前に座って待ってたけどやっぱり見付からなくて、どうすることも出来なかった。
それからさらに次の日。6日目。
いつまでいるか分からないダークさんのコトを考えるともう時間がない。でも打つ手もない。だったらもう素直に仲良くなりたいと行くしか…この怪しい小娘が。
コイツなんだとか思われたらどうしよう。地味に引かれたら泣くな。
「はぁ……」
溜め息を一つ吐いたところで、今日もまたイカツイ野郎共と一緒に力仕事をするダークさんを見付けた。
あ…捲り上げた袖から見える引き締まった腕が格好良い…っ。
くらっ。目眩がした。そろそろ暑くなってきたのも原因かもしれない。
…と、ここまでなら今まで通りのコト。でも今日は違ってた。
「(そうだ!)」
大量の荷物を見て閃いたのだ。アレ手伝おう!
いきなり仲良く…はなれないかもしれないけど、少なくとも私の存在は知ってもらえる。んであわよくばお話をしてみちゃったりなんかしちゃったり。
うーん我ながらなんて不純でよこしまなボランティア精神だろうか!
とは言うものの、もう時間がないのだからやるなら今しかない。もう本当にやるしかない。
思い立ったら即実行だよ***。…と、いうワケで……いよいよ行ってみようと思います。
男達の列をざっと見た。
フンフン、ダークさんはわりと後列。さすがにダークさんの真ん前を行くと周りに不審がられるだろうから、狙うならダークさんより少し前。言うなればダークさんの三人前のトマスだ。
ちなみにトマスという名前はとある有名な歴史人物からきてるらしいがまぁそれはいい。
***…っ、いっきまーす!
「やっほートマスー!」
片手を振りながら笑顔で駆け寄る。そうその様はあたかも今偶然見付けたかのように。
するとトマスはこっちに振り向いてニカッと笑った。
「おお***じゃねぇか。どうした?」
「見掛けたから手伝ってみようかなって思って。ねぇダメ?」
ダークさんこっち見てるかしら。
トマスと話しつつも視線をちらっとダークさんへ…ちらっ。
「(!見てねーーー!!)」
隣の野郎と楽しげに談笑してるダークさん。そんなっ、私の計算が…くっ!
しかもトマスはトマスで人の良い顔で何か言い出した。
「駄目に決まってんだろ。
こーいうのは男がするんだよ」
にゃろうジェントルマンめ。格好良いじゃないか。
でも今はそれいいから。女も頑張るから。
ダークさんが今はこっちに気付いてないとはいえ手伝っていればチャンスはいくらでもある。
そういうワケで私はなんとしても手伝いたいんだよ。
トマスの横を続きながら負けじと引き下がらなかった私。
「時代は女も力仕事だよ!」
「何だそりゃ…いいから任せてろよ。暇なら後で遊んでやるから」
「暇じゃないよ!キィィーッ」
「暇なんだろ…」
いささかげんなりした声でトマスが言った。…フム、なかなか譲らないわねトマス…。
このままでは(野郎共の)目標地点まで着いてしまう。さてどうしようか。
たとえ持たせてくれなくともしっかりトマスの隣を歩きつつ次の手を考える。ダメと分かったらもう次の手を考えるしか…。
そんな考えが頭をよぎった時、ふいに後ろから茶化すみたいな思わぬ声が聞こえてきた。
「よ、***!相変わらずお熱いねぇ!」
「!?」
それはよく知った声。もっと詳しく言うなればトマスと同じ仕事をしている男の声。
そこまで思い至って私はとある重大なコトに気が付いた。
後 ろ か ら 聞 こ え て き た だ?
「(…!!)」
記憶を頼りに私は決死の思いで振り返った。まさかという思いのもとに。
するとこういう時に限って嫌な予感は当たるもの。
案の定…予感は大的中をしてみせた。
振り返った先にいたのは私達より三人後ろ、愛しの彼の隣をいたギナ歩いてンと…愛しの彼、ダークさんだった…。
ヤ、バ、い ?
「(ひあぁああ!!)」
「茶化すなよギナン。そんなんじゃねーよ」
「ったってお前等いつ見ても痴話喧嘩にしか見えねぇぜ。ホントは好きなんだろー?」
やめてーっっ、小学生かお前は!
ただでさえ最悪な状況、なのにもうさらに最悪なコトにその会話の矛先が愛しのダークさんに向かってしまった。
それまで不思議そうにこっちを見ていたイマイチ状況の分かっていないダークさんだったのに、ギナンの余計な言葉によってあらぬ誤解を生んだ。
「なぁダーク、コイツ等仲イイんだぜ」
そう言われたダークさんは…
「…そうなのか?」
すごく無関心そうな、すごく優しい綺麗な微笑みを浮かべた。
*
「私ダークさんと接点泣けるくらいなーんもないじゃん…」
そう、愛しの旅人さんとただの街娘の私には何一つ接点がなかった。
街案内なんてダークさんがこの街へ来て4日経つんだから必要ナッスィン。さらにダークさんはきっと案内されるよりも自分で世界を見る人だ。
…難しいモノね、好きになってもらうって。
うだうだ考えても仕方ない。とりあえず行動してみよう。
さっきの決心を胸に、私はついに動き出しました。
*
道具屋!
広場!
市場!
広場!
広場!
…まず1日目。正確にはダークさんが来てから5日目の今日。
私は緑の広場へと来ていた。
ずいぶん積極的に見えるかもしれないけど実は意外と奥手な私。ホントはダークさんをもーっと前から見付けてたんだけど、話し掛ける勇気が湧かなくて様々な紆余曲折を経た末にココまでずるずる着いて来てしまったのです。
俗に人はこれをストーカーと呼ぶ。
「(子供達と遊んでるダークさん発見!)」
それ行け、今だ!私も混ぜてー!
いざ行かん輪の中へとびきりの可愛い笑顔を浮かべて足を踏み出し――
「………~~、っっ」
…って行ってくれないのが所詮私の現実。
「あ、そろそろ暗くなって来たな。よしお前らもう帰れ。またな」
「(!!あ……)」
帰っちゃった…。
モタモタしてるから…。
「(…明日がある!)」
負けないよ私。ダークさんが帰ってしまって仕方がないからもう一度あの最初の銅像の前に帰って来て、もう一度ガッツポーズをした。
明日こそはと決意を込めて。
…しかしその明日、つまり今日は雨だった。
街中を探したけどダークさんはどこにもしない。きっと雨だから宿に籠もってるんだ。
私ダークさんの泊まってる宿なんて知らないもの。
たくさん走って結局銅像の前に座って待ってたけどやっぱり見付からなくて、どうすることも出来なかった。
それからさらに次の日。6日目。
いつまでいるか分からないダークさんのコトを考えるともう時間がない。でも打つ手もない。だったらもう素直に仲良くなりたいと行くしか…この怪しい小娘が。
コイツなんだとか思われたらどうしよう。地味に引かれたら泣くな。
「はぁ……」
溜め息を一つ吐いたところで、今日もまたイカツイ野郎共と一緒に力仕事をするダークさんを見付けた。
あ…捲り上げた袖から見える引き締まった腕が格好良い…っ。
くらっ。目眩がした。そろそろ暑くなってきたのも原因かもしれない。
…と、ここまでなら今まで通りのコト。でも今日は違ってた。
「(そうだ!)」
大量の荷物を見て閃いたのだ。アレ手伝おう!
いきなり仲良く…はなれないかもしれないけど、少なくとも私の存在は知ってもらえる。んであわよくばお話をしてみちゃったりなんかしちゃったり。
うーん我ながらなんて不純でよこしまなボランティア精神だろうか!
とは言うものの、もう時間がないのだからやるなら今しかない。もう本当にやるしかない。
思い立ったら即実行だよ***。…と、いうワケで……いよいよ行ってみようと思います。
男達の列をざっと見た。
フンフン、ダークさんはわりと後列。さすがにダークさんの真ん前を行くと周りに不審がられるだろうから、狙うならダークさんより少し前。言うなればダークさんの三人前のトマスだ。
ちなみにトマスという名前はとある有名な歴史人物からきてるらしいがまぁそれはいい。
***…っ、いっきまーす!
「やっほートマスー!」
片手を振りながら笑顔で駆け寄る。そうその様はあたかも今偶然見付けたかのように。
するとトマスはこっちに振り向いてニカッと笑った。
「おお***じゃねぇか。どうした?」
「見掛けたから手伝ってみようかなって思って。ねぇダメ?」
ダークさんこっち見てるかしら。
トマスと話しつつも視線をちらっとダークさんへ…ちらっ。
「(!見てねーーー!!)」
隣の野郎と楽しげに談笑してるダークさん。そんなっ、私の計算が…くっ!
しかもトマスはトマスで人の良い顔で何か言い出した。
「駄目に決まってんだろ。
こーいうのは男がするんだよ」
にゃろうジェントルマンめ。格好良いじゃないか。
でも今はそれいいから。女も頑張るから。
ダークさんが今はこっちに気付いてないとはいえ手伝っていればチャンスはいくらでもある。
そういうワケで私はなんとしても手伝いたいんだよ。
トマスの横を続きながら負けじと引き下がらなかった私。
「時代は女も力仕事だよ!」
「何だそりゃ…いいから任せてろよ。暇なら後で遊んでやるから」
「暇じゃないよ!キィィーッ」
「暇なんだろ…」
いささかげんなりした声でトマスが言った。…フム、なかなか譲らないわねトマス…。
このままでは(野郎共の)目標地点まで着いてしまう。さてどうしようか。
たとえ持たせてくれなくともしっかりトマスの隣を歩きつつ次の手を考える。ダメと分かったらもう次の手を考えるしか…。
そんな考えが頭をよぎった時、ふいに後ろから茶化すみたいな思わぬ声が聞こえてきた。
「よ、***!相変わらずお熱いねぇ!」
「!?」
それはよく知った声。もっと詳しく言うなればトマスと同じ仕事をしている男の声。
そこまで思い至って私はとある重大なコトに気が付いた。
後 ろ か ら 聞 こ え て き た だ?
「(…!!)」
記憶を頼りに私は決死の思いで振り返った。まさかという思いのもとに。
するとこういう時に限って嫌な予感は当たるもの。
案の定…予感は大的中をしてみせた。
振り返った先にいたのは私達より三人後ろ、愛しの彼の隣をいたギナ歩いてンと…愛しの彼、ダークさんだった…。
ヤ、バ、い ?
「(ひあぁああ!!)」
「茶化すなよギナン。そんなんじゃねーよ」
「ったってお前等いつ見ても痴話喧嘩にしか見えねぇぜ。ホントは好きなんだろー?」
やめてーっっ、小学生かお前は!
ただでさえ最悪な状況、なのにもうさらに最悪なコトにその会話の矛先が愛しのダークさんに向かってしまった。
それまで不思議そうにこっちを見ていたイマイチ状況の分かっていないダークさんだったのに、ギナンの余計な言葉によってあらぬ誤解を生んだ。
「なぁダーク、コイツ等仲イイんだぜ」
そう言われたダークさんは…
「…そうなのか?」
すごく無関心そうな、すごく優しい綺麗な微笑みを浮かべた。
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