アンモビウム
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コンコン、とノックされるのを聞いてドアを開ける。と、廊下の壁を見つめる羽目になった。ピンポンダッシュならぬノックダッシュ…?誰だよそんな子供じみたことするの。と一瞬思っていたら
「おい!」
「あ」
視界の端の方、やや下を見ると、小柄なやや肥満体型の男性が、昼食の乗ったトレーを持って立っていた。身長は……私の肩くらいか。
見張りが交代の時間らしく、午後からがこの小柄な男性が見張りをするらしい。彼がトレーをテーブルに置くと(身長の為か置きにくそうだが見守るしか無い)、先程の若い兵は私が持って来た本を抱え、一声かけて廊下を歩いて行く。
「じゃあ先輩、あとお願いしますね。」
「おー、お疲れさん。」
「………。」
えっ、ちょっと、
「あー………あの…」
「ん、何だ?どうかしたか?」
「あぁぁ……」
その、何というか、………話しにくい。
先程の兵はおそらく同い年くらいだと思ったが、その先輩ということは目の前にいるのは間違いなく目上の立場に値する人。だのにこんな、(身長的に)見下ろしていて失礼にならないだろうか。一瞬、たった一瞬だけ視線を合わせようとかがむことを考えてもみたが、そっちの方がよっぽど失礼だということにすぐさま気がつく。……微妙な角度で下向くの疲れるなぁ。
「町に、行きたいのですが…付き添いをお願い出来ますか?」
「ああ、なら昼を食い終わって準備ができたら声かけてくれ。…おーい!」
彼が先程の兵を呼び戻して趣旨を伝える。“僕まだお昼食べてないのに!”と嘆いて駆けて行く若い兵士の腹からは確かに音が流れてた。
「いやぁ、何て言うか………密集してますね。」
「まあ城下町だからな。お前、離れるなよ!」
(離れるつもりは無くてもあなたを見失いそうだよ。)
“町の中のみ、同行者がいれば外出は許可する”。そして“罪人でもない者に鎖は付けるな”という言いつけらしく、私は特に不便も無い状態で、この小さな兵士と外出が決まった。こっちの時代の姫様も随分とお優しいようで。
城から出ると、そこは民衆に溢れかえった中央広場。噴水にはハイラル王家の紋章がでかでかと建っており、広場の端では演奏する楽団もいれば会話を楽しむ女性達、カフェで休憩する人など様々な様子が見てとれた。
「どこか見て周りたい所があるのか?」
「や、全然。正直右も左もわからないって感じなんで、適当に見て回りたいんですよ。」
「そうか。じゃあ俺が案内した方がいいな。」
「ん、お願いします。」
“西通りから行くか”と歩き出した彼に付いていく。こちらは少し人気が少ないようだ。
小屋らしき物から動物が顔を出し、メエメエと鳴き声を上げている(あれ山羊なの?)。紫色の怪しげなテントについて聞くと、スタアゲームとか言う遊技場らしい。ちらりと中を覗き込むと金網があり、その中の床はまるで剣山。ちょっとこれ何の遊技ですか遊技ってレベルじゃないよ、命懸けじゃないか。
「オゥ!どうだいそこのレディー、ちょっと見ていかな─」
「こっち来るな。」
知らない。あんな頭の先まで上半身緑で、赤いズボンという奇っ怪な格好をした、良い年した男性。
「最近あのゲーム、クリアした男がいるらしいぞ」
「マジですか」
(よく風船を割っては)(その様子に腹を抱えた君が、側にいたのに)
12.11.24
「おい!」
「あ」
視界の端の方、やや下を見ると、小柄なやや肥満体型の男性が、昼食の乗ったトレーを持って立っていた。身長は……私の肩くらいか。
見張りが交代の時間らしく、午後からがこの小柄な男性が見張りをするらしい。彼がトレーをテーブルに置くと(身長の為か置きにくそうだが見守るしか無い)、先程の若い兵は私が持って来た本を抱え、一声かけて廊下を歩いて行く。
「じゃあ先輩、あとお願いしますね。」
「おー、お疲れさん。」
「………。」
えっ、ちょっと、
「あー………あの…」
「ん、何だ?どうかしたか?」
「あぁぁ……」
その、何というか、………話しにくい。
先程の兵はおそらく同い年くらいだと思ったが、その先輩ということは目の前にいるのは間違いなく目上の立場に値する人。だのにこんな、(身長的に)見下ろしていて失礼にならないだろうか。一瞬、たった一瞬だけ視線を合わせようとかがむことを考えてもみたが、そっちの方がよっぽど失礼だということにすぐさま気がつく。……微妙な角度で下向くの疲れるなぁ。
「町に、行きたいのですが…付き添いをお願い出来ますか?」
「ああ、なら昼を食い終わって準備ができたら声かけてくれ。…おーい!」
彼が先程の兵を呼び戻して趣旨を伝える。“僕まだお昼食べてないのに!”と嘆いて駆けて行く若い兵士の腹からは確かに音が流れてた。
「いやぁ、何て言うか………密集してますね。」
「まあ城下町だからな。お前、離れるなよ!」
(離れるつもりは無くてもあなたを見失いそうだよ。)
“町の中のみ、同行者がいれば外出は許可する”。そして“罪人でもない者に鎖は付けるな”という言いつけらしく、私は特に不便も無い状態で、この小さな兵士と外出が決まった。こっちの時代の姫様も随分とお優しいようで。
城から出ると、そこは民衆に溢れかえった中央広場。噴水にはハイラル王家の紋章がでかでかと建っており、広場の端では演奏する楽団もいれば会話を楽しむ女性達、カフェで休憩する人など様々な様子が見てとれた。
「どこか見て周りたい所があるのか?」
「や、全然。正直右も左もわからないって感じなんで、適当に見て回りたいんですよ。」
「そうか。じゃあ俺が案内した方がいいな。」
「ん、お願いします。」
“西通りから行くか”と歩き出した彼に付いていく。こちらは少し人気が少ないようだ。
小屋らしき物から動物が顔を出し、メエメエと鳴き声を上げている(あれ山羊なの?)。紫色の怪しげなテントについて聞くと、スタアゲームとか言う遊技場らしい。ちらりと中を覗き込むと金網があり、その中の床はまるで剣山。ちょっとこれ何の遊技ですか遊技ってレベルじゃないよ、命懸けじゃないか。
「オゥ!どうだいそこのレディー、ちょっと見ていかな─」
「こっち来るな。」
知らない。あんな頭の先まで上半身緑で、赤いズボンという奇っ怪な格好をした、良い年した男性。
「最近あのゲーム、クリアした男がいるらしいぞ」
「マジですか」
(よく風船を割っては)(その様子に腹を抱えた君が、側にいたのに)
12.11.24