etc.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
病室でのんびりとベッドに寝ていると、パタパタという廊下からの足音を認識した直後に「リュウちゃん!!」という細い声が聞こえ、同時に勢いよく戸が開かれた。
冷静にその声の主を見ると、やっぱり彼女だった。やや息を乱しながらぼくの顔を見つけた途端に目を潤ませて「リュウちゃん、リュウちゃん、」と情けない声をあげながらベッドに駆け寄ってきた。
「車にはねられたって聞いて……っ!ねぇ、大丈夫!?私のことわかる?」
本当は怪我も大したことがないというのに、両手でぼくの右手をきゅっと握り締めながら必死に問いかけてくる彼女があまりにも心配しているのが少しばかり可笑しいものだから、笑いを堪えながらからかってみる。
「えっと……悪いんだけど、君は誰かな?」
いつかを思い出しながら記憶喪失を演じると目の前の彼女はショックで固まり、顔をベッドに伏せてしまった。嗚咽と共に「嘘、うそ……」という言葉が漏れる。
……冗談にしては流石にキツかったかな。
「嘘だよ。…………***ちゃん。」
「……!!」
名前を呼ぶと、ばっ!と勢いよく顔を上げ、状況を理解しようとしている***ちゃんと目が合った。ぱちぱち。女の子らしい垂れ目が今は大きくまん丸に開いて、瞬きを何度も繰り返しながらじっとぼくを見つめている。
「…………うそ?」
「うん、嘘。」
子供が初めて聞く言葉を復唱するような声に再度告げる。
「……自分のお名前は?」
「成歩堂龍一。」
「私は?」
「幼馴染の***ちゃん。」
「……け、怪我は!?10メートルは飛ばされて電柱と衝突したんじゃ…………!」
「それがさ、足を捻挫しただけで済んだんだよね。幸いなことに。」
「……もう!」
記憶喪失も大怪我も無いと知り、自分の心配が杞憂に終わったと理解するとぽかぽかと両手で殴りかかられた。
「ばか!!リュウちゃんの馬鹿!急いで戻ってきたのに!!」
「あっはっは、ごめんごめん。」
「本当に心配したんだよ!?」
「だろうね、ぼくもこんなに軽傷で済んだのにはびっくりしたから。」
「もう、本当に!」
ぼくが両手を拘束するまでもなく殴るのをやめて、***ちゃんは言葉を絞り出した。
「無事で良かったよ……!!」
抑え込んでいた涙をぼろぼろと流しながら抱き着かれた。ああ、やっぱりからかったのは少しやり過ぎたかな。なだめるために頭を撫でる。これじゃどっちが見舞いに来たんだかわからないなぁ。
「心配かけてごめんね。」
「グス……ッ、う、ひぐ、ごめんで済んだら…………!警察はいらないのー!」
「うーん、弁護士の***ちゃんが言うと妙に説得力があるな。」
「リュウちゃんの馬鹿!」
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ。」
「うぅ……反論出来ない…………。」
こんなタチの悪い嘘吐く人の心配して泣いちゃうなんて。その言葉を聞いて思わず笑ってしまう。
「***ちゃんは昔から変わらないなぁ。」
素直で。泣き虫で。可愛らしいところ。ぼくが君をそう思っていること、ずっと変わらずにいてくれる君の存在に、ぼくが安堵を覚えていることを君は知らない。
君がぼくに抱いているであろう気持ちを、君から伝えてくれるまでは秘密にしておこうと思っている。
「嬉しいよ。ありがとう。」
「……うん。」
どっちに対しての意味なのかを理解したのかしてないのか、相変わらず涙で潤ませた目を細めて***ちゃんは微笑んだ。
冷静にその声の主を見ると、やっぱり彼女だった。やや息を乱しながらぼくの顔を見つけた途端に目を潤ませて「リュウちゃん、リュウちゃん、」と情けない声をあげながらベッドに駆け寄ってきた。
「車にはねられたって聞いて……っ!ねぇ、大丈夫!?私のことわかる?」
本当は怪我も大したことがないというのに、両手でぼくの右手をきゅっと握り締めながら必死に問いかけてくる彼女があまりにも心配しているのが少しばかり可笑しいものだから、笑いを堪えながらからかってみる。
「えっと……悪いんだけど、君は誰かな?」
いつかを思い出しながら記憶喪失を演じると目の前の彼女はショックで固まり、顔をベッドに伏せてしまった。嗚咽と共に「嘘、うそ……」という言葉が漏れる。
……冗談にしては流石にキツかったかな。
「嘘だよ。…………***ちゃん。」
「……!!」
名前を呼ぶと、ばっ!と勢いよく顔を上げ、状況を理解しようとしている***ちゃんと目が合った。ぱちぱち。女の子らしい垂れ目が今は大きくまん丸に開いて、瞬きを何度も繰り返しながらじっとぼくを見つめている。
「…………うそ?」
「うん、嘘。」
子供が初めて聞く言葉を復唱するような声に再度告げる。
「……自分のお名前は?」
「成歩堂龍一。」
「私は?」
「幼馴染の***ちゃん。」
「……け、怪我は!?10メートルは飛ばされて電柱と衝突したんじゃ…………!」
「それがさ、足を捻挫しただけで済んだんだよね。幸いなことに。」
「……もう!」
記憶喪失も大怪我も無いと知り、自分の心配が杞憂に終わったと理解するとぽかぽかと両手で殴りかかられた。
「ばか!!リュウちゃんの馬鹿!急いで戻ってきたのに!!」
「あっはっは、ごめんごめん。」
「本当に心配したんだよ!?」
「だろうね、ぼくもこんなに軽傷で済んだのにはびっくりしたから。」
「もう、本当に!」
ぼくが両手を拘束するまでもなく殴るのをやめて、***ちゃんは言葉を絞り出した。
「無事で良かったよ……!!」
抑え込んでいた涙をぼろぼろと流しながら抱き着かれた。ああ、やっぱりからかったのは少しやり過ぎたかな。なだめるために頭を撫でる。これじゃどっちが見舞いに来たんだかわからないなぁ。
「心配かけてごめんね。」
「グス……ッ、う、ひぐ、ごめんで済んだら…………!警察はいらないのー!」
「うーん、弁護士の***ちゃんが言うと妙に説得力があるな。」
「リュウちゃんの馬鹿!」
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ。」
「うぅ……反論出来ない…………。」
こんなタチの悪い嘘吐く人の心配して泣いちゃうなんて。その言葉を聞いて思わず笑ってしまう。
「***ちゃんは昔から変わらないなぁ。」
素直で。泣き虫で。可愛らしいところ。ぼくが君をそう思っていること、ずっと変わらずにいてくれる君の存在に、ぼくが安堵を覚えていることを君は知らない。
君がぼくに抱いているであろう気持ちを、君から伝えてくれるまでは秘密にしておこうと思っている。
「嬉しいよ。ありがとう。」
「……うん。」
どっちに対しての意味なのかを理解したのかしてないのか、相変わらず涙で潤ませた目を細めて***ちゃんは微笑んだ。
2/2ページ