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※食欲が無くなる可能性のある作品です。観覧は自己責任でお願い致します。
昼食を食べ終えてから少し落ち着いた頃、ベッドでくつろいでいるリンクの隣に寝転がる。今日は天気も良くて暖かいから、本来なら村の子供達の相手をするのに絶好の日だが生憎今日はゆっくりしたい気分だった。せめて子供達が家に呼びに来るまでなら、こうしていてもいいだろうと力を抜いてリラックスする(子供達の相手は楽しいが体力が保たないからここで温存しておきたい)。
窓から差し込む光が眩しくて、隣にいるリンクのようだと思った。ふとその本人を見ると、相変わらずのやや癖のある茶金が、僅かな光の中でも神々しく輝いて見えた。寝転がったことによってまだ消化されきっていなかった食べ物が、自分のお腹の中をくるくると転がるような音を立てた。そういえば先程の食事には肉が含まれていた、と思い出す。
ああ何て消化の悪いものを食べてから寝転がってしまったのだろう、体に良くない。そんなことを考えていると、私のお腹の音を聞いたリンクが隣でくすくすと笑っていた。
「お腹鳴ってるー」
「むう。お肉食べたから消化するのに頑張ってるんだよ!」
「ああ…さっきの美味かった!」
「…ん、うん。リンク は…さ、」
「何?」
恐る恐る目を見ながら問う。
「お肉、美味しいと思う?」
「?…うん。***は嫌いだったっけ?」
不思議に思いながら答えてくれるリンクはとてもキレイだ、
「嫌いじゃないよ」
顔を横に振ってはっきりと伝える。こんな考えをする私を、彼は汚いと思うだろうか。
「リンクは、お肉ってどうして美味しいと思う?」
「ええ?理由なんてあるのか…?考えたこと無いな」
「うーん」と言いつつも表情に真剣さが無い辺り、考えることを半ば放棄しているようだ。
「あのね、これはあくまでも私の考え方だから、絶対違うと思うけど…」
どこから説明したら上手く伝わるだろうか。先に結論を言ってから理由を説明するべきか、その逆か。突然自分の考えについて話すなんて滅多に無いものだから、リンクはしっかりと私の方を見て話し出すのを待ってくれている。よし、いきなり言っても理解に苦しむだろうからその逆にしよう!
「えと、私達が食べるお肉って、動物のお肉でしょ?」
「うん」
「でも、動物って言っても人間のお肉は不味いって聞いたことがあるの、私」
「そうなのか?」
「そう。それで、どうして同じ動物のお肉なのに、人間は不味いんだろうって…人間と動物の違いを考えたの」
「違い?」
「うん。人間って、他の動物よりも頭が良くて感情が豊かでしょ?だから、他の動物が生きていく為に最低限な行動しかしないのに比べて、人間はもっと自分の為にって行動する人も少なくない……ちょっと、汚い…から」
「だから不味いと?」
「うん」
「ふーん…」という声が小さく漏れてからの、沈黙。………う、あれ?何でこんなの話したんだろう私…!オチも何もないとか!つまらないな!!
「じゃあ俺も食べたら不味いのかぁ」
「違う、リンクは美味しいと思う!!」
「ちょ、はっきり言われると何か怖ぇ!!それじゃ俺食べられる…」
リンクの発言には前否定。だって、だって、
「リンクは人の為に戦ってきたじゃない!」
そう言うとリンクは驚いて目を少しだけ見開いた。瞳の青には水にも空にも無い深い色が広がっていて、それはまるで宝石のようで惹きつけられる。リンクはキレイだ。それはもう、外見も良い方だし人の為に戦うことのできる勇気のある優しい人。だからこそ、隣にいて考えてしまう。
私は、自信がありますなんて言えるような外見じゃないし、例えば見ず知らずの人の為に命をかけろなんて言われれば、罪悪感は持ちつつもこっそり逃げ出してしまうことだろう(そもそも私が命をかけたところで人を助けられるとは到底思えない)。
羨むを通り越して嫉妬したことさえあった。けれどリンクの優しさ、心の美しさを知っていくうちに、羨みは尊敬に。嫉妬は、自分の汚さはどうしようもないのだと思い知らされて虚しさに変わるだけだった。リンクは何も悪くないのに一時でも嫉妬した私は、キレイか汚いかで分類したとすれば汚い方だと思う。そんな自分の味もおそらく良いものではないだろう。
「私はきっと不味いもん…」
「***は馬鹿だな」
「え?」
自分の思考に浸かりきっていた為にいつの間にか俯いていた顔を上げる。馬鹿とは言ったものの、それは呆れたり蔑むのではなく軽いもので。当の本人は可笑しそうに笑っていた。
「『あくまでも自分の考え方だから違うと思う』…って言った癖に、考え過ぎだろ」
「…あ」
そういえばそうだった。駄目だなぁ私、勝手に自分で落ちこんで。でも思っていたことに嘘は無いから。私が問うとリンクは何故か不機嫌そうに返した。
「ねぇ、どうやったら私も美味しくなれるかな?」
「…別に不味くたって良いだろ」
リンクがそう言った直後、ふにゃりと柔らかいものが唇に当てられた。目の前でぎこちなく笑って零したリンクの言葉が、やっぱり優しくて、好き……だなぁ。
***
一応人間の味ということで注意の表記を付けました。リンク馬鹿馬鹿うるさくてすみませ(ry)
一般的な唇へのキスは「愛情」の意味ですが、個人的には愛情はあまり恋の印象が強くないです。友情愛とか家族愛のような。
完璧でなくて悪い部分もあるけど、それでも愛してくれる人が周りにいるんだよ と。
12.02.01
昼食を食べ終えてから少し落ち着いた頃、ベッドでくつろいでいるリンクの隣に寝転がる。今日は天気も良くて暖かいから、本来なら村の子供達の相手をするのに絶好の日だが生憎今日はゆっくりしたい気分だった。せめて子供達が家に呼びに来るまでなら、こうしていてもいいだろうと力を抜いてリラックスする(子供達の相手は楽しいが体力が保たないからここで温存しておきたい)。
窓から差し込む光が眩しくて、隣にいるリンクのようだと思った。ふとその本人を見ると、相変わらずのやや癖のある茶金が、僅かな光の中でも神々しく輝いて見えた。寝転がったことによってまだ消化されきっていなかった食べ物が、自分のお腹の中をくるくると転がるような音を立てた。そういえば先程の食事には肉が含まれていた、と思い出す。
ああ何て消化の悪いものを食べてから寝転がってしまったのだろう、体に良くない。そんなことを考えていると、私のお腹の音を聞いたリンクが隣でくすくすと笑っていた。
「お腹鳴ってるー」
「むう。お肉食べたから消化するのに頑張ってるんだよ!」
「ああ…さっきの美味かった!」
「…ん、うん。リンク は…さ、」
「何?」
恐る恐る目を見ながら問う。
「お肉、美味しいと思う?」
「?…うん。***は嫌いだったっけ?」
不思議に思いながら答えてくれるリンクはとてもキレイだ、
「嫌いじゃないよ」
顔を横に振ってはっきりと伝える。こんな考えをする私を、彼は汚いと思うだろうか。
「リンクは、お肉ってどうして美味しいと思う?」
「ええ?理由なんてあるのか…?考えたこと無いな」
「うーん」と言いつつも表情に真剣さが無い辺り、考えることを半ば放棄しているようだ。
「あのね、これはあくまでも私の考え方だから、絶対違うと思うけど…」
どこから説明したら上手く伝わるだろうか。先に結論を言ってから理由を説明するべきか、その逆か。突然自分の考えについて話すなんて滅多に無いものだから、リンクはしっかりと私の方を見て話し出すのを待ってくれている。よし、いきなり言っても理解に苦しむだろうからその逆にしよう!
「えと、私達が食べるお肉って、動物のお肉でしょ?」
「うん」
「でも、動物って言っても人間のお肉は不味いって聞いたことがあるの、私」
「そうなのか?」
「そう。それで、どうして同じ動物のお肉なのに、人間は不味いんだろうって…人間と動物の違いを考えたの」
「違い?」
「うん。人間って、他の動物よりも頭が良くて感情が豊かでしょ?だから、他の動物が生きていく為に最低限な行動しかしないのに比べて、人間はもっと自分の為にって行動する人も少なくない……ちょっと、汚い…から」
「だから不味いと?」
「うん」
「ふーん…」という声が小さく漏れてからの、沈黙。………う、あれ?何でこんなの話したんだろう私…!オチも何もないとか!つまらないな!!
「じゃあ俺も食べたら不味いのかぁ」
「違う、リンクは美味しいと思う!!」
「ちょ、はっきり言われると何か怖ぇ!!それじゃ俺食べられる…」
リンクの発言には前否定。だって、だって、
「リンクは人の為に戦ってきたじゃない!」
そう言うとリンクは驚いて目を少しだけ見開いた。瞳の青には水にも空にも無い深い色が広がっていて、それはまるで宝石のようで惹きつけられる。リンクはキレイだ。それはもう、外見も良い方だし人の為に戦うことのできる勇気のある優しい人。だからこそ、隣にいて考えてしまう。
私は、自信がありますなんて言えるような外見じゃないし、例えば見ず知らずの人の為に命をかけろなんて言われれば、罪悪感は持ちつつもこっそり逃げ出してしまうことだろう(そもそも私が命をかけたところで人を助けられるとは到底思えない)。
羨むを通り越して嫉妬したことさえあった。けれどリンクの優しさ、心の美しさを知っていくうちに、羨みは尊敬に。嫉妬は、自分の汚さはどうしようもないのだと思い知らされて虚しさに変わるだけだった。リンクは何も悪くないのに一時でも嫉妬した私は、キレイか汚いかで分類したとすれば汚い方だと思う。そんな自分の味もおそらく良いものではないだろう。
「私はきっと不味いもん…」
「***は馬鹿だな」
「え?」
自分の思考に浸かりきっていた為にいつの間にか俯いていた顔を上げる。馬鹿とは言ったものの、それは呆れたり蔑むのではなく軽いもので。当の本人は可笑しそうに笑っていた。
「『あくまでも自分の考え方だから違うと思う』…って言った癖に、考え過ぎだろ」
「…あ」
そういえばそうだった。駄目だなぁ私、勝手に自分で落ちこんで。でも思っていたことに嘘は無いから。私が問うとリンクは何故か不機嫌そうに返した。
「ねぇ、どうやったら私も美味しくなれるかな?」
「…別に不味くたって良いだろ」
リンクがそう言った直後、ふにゃりと柔らかいものが唇に当てられた。目の前でぎこちなく笑って零したリンクの言葉が、やっぱり優しくて、好き……だなぁ。
Affection Of Flavor
(不味くったっていいんだ)
(ほら、子供達だって君と遊びたがってる)
(愛してくれる人がいるのに、気付かないなんてやっぱり馬鹿だろ!)
(ほら、子供達だって君と遊びたがってる)
(愛してくれる人がいるのに、気付かないなんてやっぱり馬鹿だろ!)
***
一応人間の味ということで注意の表記を付けました。リンク馬鹿馬鹿うるさくてすみませ(ry)
一般的な唇へのキスは「愛情」の意味ですが、個人的には愛情はあまり恋の印象が強くないです。友情愛とか家族愛のような。
完璧でなくて悪い部分もあるけど、それでも愛してくれる人が周りにいるんだよ と。
12.02.01
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