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まことのお面を使っても彼女の心を聞くことが出来なかった。心を覗いたところで彼女の感情は何も表すことが出来ず、言葉にもならず、ただ漠然と大きな虚無感がそこには横たわっていたのだ。
「こんにちは、***。」
「いらっしゃい。リンク。」
真っ白なベッドから起き上がることもせず、横たわったまま愛想笑いを浮かべて挨拶をする彼女と彼女の心の中は、驚くほどよく似ていた。人は多かれ少なかれ表に出す表情や言葉と内に秘めた感情では差があるのに、彼女の表情は心そのものだった。独特の雰囲気をまとったそれは何かの美術品のようにさえ見えた。
「貴方が言っていた期間は3日。もう、残された時間にあまり余裕は無いのでしょう。私が貴方に協力出来ることは何一つ、無い。どうしてここに来たのかしら。」
淡々と。つらつらと。声帯が彼女の喉を震わし言葉を紡ぐ。オレは、何しにここへ来たのだろう。
「何となく。」
彼女の問いには適当に返した。でも、大した用事があるわけでも無いのに彼女に尋ねたいことは確かにある。
「君はここから逃げないのかい。」
もうすぐあの大きな月が落ちてくるよ。わかっている筈の事実を念を押して付け加えた。何故***は逃げないのか。彼女は諦めたのか、生きることを。
「私はね、待っているの。ずっと待っているの。」
「……愛する人でも待っているの?」
部屋を見ても、心を覗いても彼女を通して違う誰かの存在は見出せなかった。
オレの問いに彼女は緩やかに首を横に振り、そして答えた。
「終わりを待っているの。」
愛おしそうに目を細めて、微笑みながら言葉を漏らした彼女の中には、初めからただひたすらに大きな深い闇しか無かったのだと、その目を見て一瞬で気が付いてしまった。自分の知らない深過ぎる闇にオレは初めて心の底から戦慄し、いてもたってもいられなくなった。逃げろという直感に戸惑う暇すら無いまま、体を扉にぶつけながら外へと飛び出した。
新しい朝がきても、彼女と会うことはもう無かった。
***
関わらないほうが良い系の夢主。あれだけいろんな旅してたら、おかしい人間に一人くらい会ってても不思議じゃないかなと。
内容とは関係なく、ある曲を聴いていて雰囲気に飲まれて打った文章です。何の曲かわかる人がいたらきっとすごい。
まことのお面で人の心を見透すの、怖そうですよね。
16.12.04
「こんにちは、***。」
「いらっしゃい。リンク。」
真っ白なベッドから起き上がることもせず、横たわったまま愛想笑いを浮かべて挨拶をする彼女と彼女の心の中は、驚くほどよく似ていた。人は多かれ少なかれ表に出す表情や言葉と内に秘めた感情では差があるのに、彼女の表情は心そのものだった。独特の雰囲気をまとったそれは何かの美術品のようにさえ見えた。
「貴方が言っていた期間は3日。もう、残された時間にあまり余裕は無いのでしょう。私が貴方に協力出来ることは何一つ、無い。どうしてここに来たのかしら。」
淡々と。つらつらと。声帯が彼女の喉を震わし言葉を紡ぐ。オレは、何しにここへ来たのだろう。
「何となく。」
彼女の問いには適当に返した。でも、大した用事があるわけでも無いのに彼女に尋ねたいことは確かにある。
「君はここから逃げないのかい。」
もうすぐあの大きな月が落ちてくるよ。わかっている筈の事実を念を押して付け加えた。何故***は逃げないのか。彼女は諦めたのか、生きることを。
「私はね、待っているの。ずっと待っているの。」
「……愛する人でも待っているの?」
部屋を見ても、心を覗いても彼女を通して違う誰かの存在は見出せなかった。
オレの問いに彼女は緩やかに首を横に振り、そして答えた。
「終わりを待っているの。」
愛おしそうに目を細めて、微笑みながら言葉を漏らした彼女の中には、初めからただひたすらに大きな深い闇しか無かったのだと、その目を見て一瞬で気が付いてしまった。自分の知らない深過ぎる闇にオレは初めて心の底から戦慄し、いてもたってもいられなくなった。逃げろという直感に戸惑う暇すら無いまま、体を扉にぶつけながら外へと飛び出した。
新しい朝がきても、彼女と会うことはもう無かった。
madness
(あの時、***から逃げたのが正しいことだったのかどうか)(今でもわからないままでいる)
***
関わらないほうが良い系の夢主。あれだけいろんな旅してたら、おかしい人間に一人くらい会ってても不思議じゃないかなと。
内容とは関係なく、ある曲を聴いていて雰囲気に飲まれて打った文章です。何の曲かわかる人がいたらきっとすごい。
まことのお面で人の心を見透すの、怖そうですよね。
16.12.04
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