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「ヒム様ー!」
「全く、照れる必要は無いというのに…何度言ったら君は素直に“ギラヒム様”と呼んでくれるのかな?」
我等が魔族長ことギラヒムは、自分に自信がおありのようでやたらと“様”を付けたがるのだが、私には到底それほどの方には思えない。
「“様”付けてるだけありがたく思えよな…
今日は人間にとってハロウィンという日らしいですよ!“trick or treat”…つまり“悪戯されたくなくば、お菓子を寄越しやがれー”みたいな感じで、相手に脅しをかけて食べ物を奪うんだそうです!」
そうこれはあの空から来た少年が教えてくれたこと!彼は私に温かくてオレンジ色のとろとろした甘い液体をくれたけれど、私が食べ物を持っていないと知るととんでもない悪戯をしてきた。いくら魔族とはいえ女の子をフロリア湖に突き落とすか!
それはつい数時間前の話。でもやっぱり悔しいから絶対に食べ物を持っていないであろうヒム様に悪戯するのだ。八つ当たり?いやいや。
「またくだらないことを学んで……言っておくけれど、いくらワタシでもお菓子なんて持ち合わせていないよ?たった今知ったんだからね」
「それを狙って来ました」
少しだけ呆れの表情を零していた彼は、この一言でぱっと此方を向いて顔を近付けてきた。近い近い。
「何だって…?……ハッ!?まさかワタシに構って貰いたくてそんなことをしたというのか?何て愛らしい***!」
「いえ、積年の恨みをですね」
「わざわざ回りくどいことなんてせずに、素直に悪戯でも何でも気さくにしてくれて構わないよ!さあ来たまえ!」
(タイツのまんま菱形に日焼けしちまえ変態)
何というか、この人はいちいち体を動かさないといられないのか。と、恥ずかしげもなく両腕を広げる彼を見て思う。
あんなことをしたら彼は怒るだろうけれど、悪戯でも何でもしていいと言ったのだから。こんな滅多にないチャンスを逃してたまるか…!!
「えっと…じゃあ折角ですし………その、目を閉じていただけませんか?」
「フフ、これで良いかい?」
あえて控えめな口調で話しかけ、彼がしっかりと目を閉じたのを確認し、そっと頬に左手を添える。ちょっと楽しそうな表情してるけどコレ、もし接吻とかだと思われてたら気持ち悪い。すごく気持ち悪いですよーヒム様ー!
垂らされた前髪を刃で挟めて静かに切り落とす。
「はい、もう良いで…す………ぶはぁっ!!コレは!」
「…折角だから聞いてあげるよ、ワタシの美しい髪に何をしてくれたのかな?」
目を開いた彼の視線はその前髪へ。流石にこれはやりすぎたかな。すごくダサい。いつも自分の美しさに気を使う彼の髪があんなことになっているのはすごく愉快だ。ざまぁみろー!
「すごく……大ざっぱに、ギザギザカットをしてみました…!」
「………今日のワタシは気分が良かったからね、全治百年で許してあげるよ」
「え?な、何なんでほっぺ持っ………ひぎぃぃぃぃぃ!!ひっぱわらいでーーー!!ひゃふねんもほれはひやーー!!」
あぁぁぁぁぁ私の頬が千切れるぅぅぅじわじわ痛むぅぅぅぅぅぅ!!ヒム様地味に怒ってる!この加減の無さは割と怒ってる!!
「ワタシのこの美しい前髪をどうしてくれるのかな?」
「わ、はった、わはったはら、ははひてーー!!」
すっと手は離してくれたけど、目がまだ怒ってる。くそぅ、面白い髪型だったのに。
「じゃあせめてこのギザギザは無くします……大丈夫、そんなに切ってませんから…」
今度は元の毛先と同じように真っ直ぐ切り揃える。あ、切りすぎた。いいや多少短くても。…いやちょっとヤバい、かも。この長さは。
「………ほら出来ました!わ、わぁほらイケメン!ね!ボコブリン!イケメンだよね!この頬の柄を見せてこそギラヒム様だよね!」
『ぎゃ!?…ぎゃ、ぎゃぁ!!』
ごめんマジごめん通りすがりのボコブリン!めっちゃ話合わせてくれてその優しさに私もう泣きそうだよ!後で新しいパンツ縫ってプレゼントするわ!!
「君にとってこれは“そんなに切ってない”のうちに入るのかい、面白いね」
「イケメンで似合ってるならそれで良いと思いますー!」
『ぎゃ!!』
「…仕方ないね、その言葉に免じて許してあげるよ」
毎度毎度、おだてればこんなあっさりと許すものだから彼の基準が私にはもうわかりませんボコブリンよ。いつもの苦労とさっきの引っ張られた頬の痛みがじわじわと染みてきたのも相まってか、ほんの少し涙が浮かんできた。
「ごめんねボコブリン、後でお礼するね…」
『ぎゃ…』
屈んで小声で話しかけると、ボコブリンはそのあまり心地いいとは思えない手でそっと涙を拭ってどこかへと去って行った。
何あのボコブリン、さり気なく仕草がイケメンだったんだけど。惚れるわ。
***
とても今更過ぎるハロウィンネタです。最初はちょーっとだけ考えていてリアタイのネタに載せる予定だったのですが、思いの外長かったので思い切って此方にあげました。
「ギラヒムさん何で頬に柄あるのに、わざわざ前髪長くしてるんだ切っちまえ」という勝手な私の考えですすみません。私が部下だったらいろいろとストレス溜まりそうです…(笑)
魔族長って言うよりもはやボコブリン夢ですね←
12.12.09
「全く、照れる必要は無いというのに…何度言ったら君は素直に“ギラヒム様”と呼んでくれるのかな?」
我等が魔族長ことギラヒムは、自分に自信がおありのようでやたらと“様”を付けたがるのだが、私には到底それほどの方には思えない。
「“様”付けてるだけありがたく思えよな…
今日は人間にとってハロウィンという日らしいですよ!“trick or treat”…つまり“悪戯されたくなくば、お菓子を寄越しやがれー”みたいな感じで、相手に脅しをかけて食べ物を奪うんだそうです!」
そうこれはあの空から来た少年が教えてくれたこと!彼は私に温かくてオレンジ色のとろとろした甘い液体をくれたけれど、私が食べ物を持っていないと知るととんでもない悪戯をしてきた。いくら魔族とはいえ女の子をフロリア湖に突き落とすか!
それはつい数時間前の話。でもやっぱり悔しいから絶対に食べ物を持っていないであろうヒム様に悪戯するのだ。八つ当たり?いやいや。
「またくだらないことを学んで……言っておくけれど、いくらワタシでもお菓子なんて持ち合わせていないよ?たった今知ったんだからね」
「それを狙って来ました」
少しだけ呆れの表情を零していた彼は、この一言でぱっと此方を向いて顔を近付けてきた。近い近い。
「何だって…?……ハッ!?まさかワタシに構って貰いたくてそんなことをしたというのか?何て愛らしい***!」
「いえ、積年の恨みをですね」
「わざわざ回りくどいことなんてせずに、素直に悪戯でも何でも気さくにしてくれて構わないよ!さあ来たまえ!」
(タイツのまんま菱形に日焼けしちまえ変態)
何というか、この人はいちいち体を動かさないといられないのか。と、恥ずかしげもなく両腕を広げる彼を見て思う。
あんなことをしたら彼は怒るだろうけれど、悪戯でも何でもしていいと言ったのだから。こんな滅多にないチャンスを逃してたまるか…!!
「えっと…じゃあ折角ですし………その、目を閉じていただけませんか?」
「フフ、これで良いかい?」
あえて控えめな口調で話しかけ、彼がしっかりと目を閉じたのを確認し、そっと頬に左手を添える。ちょっと楽しそうな表情してるけどコレ、もし接吻とかだと思われてたら気持ち悪い。すごく気持ち悪いですよーヒム様ー!
垂らされた前髪を刃で挟めて静かに切り落とす。
「はい、もう良いで…す………ぶはぁっ!!コレは!」
「…折角だから聞いてあげるよ、ワタシの美しい髪に何をしてくれたのかな?」
目を開いた彼の視線はその前髪へ。流石にこれはやりすぎたかな。すごくダサい。いつも自分の美しさに気を使う彼の髪があんなことになっているのはすごく愉快だ。ざまぁみろー!
「すごく……大ざっぱに、ギザギザカットをしてみました…!」
「………今日のワタシは気分が良かったからね、全治百年で許してあげるよ」
「え?な、何なんでほっぺ持っ………ひぎぃぃぃぃぃ!!ひっぱわらいでーーー!!ひゃふねんもほれはひやーー!!」
あぁぁぁぁぁ私の頬が千切れるぅぅぅじわじわ痛むぅぅぅぅぅぅ!!ヒム様地味に怒ってる!この加減の無さは割と怒ってる!!
「ワタシのこの美しい前髪をどうしてくれるのかな?」
「わ、はった、わはったはら、ははひてーー!!」
すっと手は離してくれたけど、目がまだ怒ってる。くそぅ、面白い髪型だったのに。
「じゃあせめてこのギザギザは無くします……大丈夫、そんなに切ってませんから…」
今度は元の毛先と同じように真っ直ぐ切り揃える。あ、切りすぎた。いいや多少短くても。…いやちょっとヤバい、かも。この長さは。
「………ほら出来ました!わ、わぁほらイケメン!ね!ボコブリン!イケメンだよね!この頬の柄を見せてこそギラヒム様だよね!」
『ぎゃ!?…ぎゃ、ぎゃぁ!!』
ごめんマジごめん通りすがりのボコブリン!めっちゃ話合わせてくれてその優しさに私もう泣きそうだよ!後で新しいパンツ縫ってプレゼントするわ!!
「君にとってこれは“そんなに切ってない”のうちに入るのかい、面白いね」
「イケメンで似合ってるならそれで良いと思いますー!」
『ぎゃ!!』
「…仕方ないね、その言葉に免じて許してあげるよ」
毎度毎度、おだてればこんなあっさりと許すものだから彼の基準が私にはもうわかりませんボコブリンよ。いつもの苦労とさっきの引っ張られた頬の痛みがじわじわと染みてきたのも相まってか、ほんの少し涙が浮かんできた。
「ごめんねボコブリン、後でお礼するね…」
『ぎゃ…』
屈んで小声で話しかけると、ボコブリンはそのあまり心地いいとは思えない手でそっと涙を拭ってどこかへと去って行った。
何あのボコブリン、さり気なく仕草がイケメンだったんだけど。惚れるわ。
イケメンとは
(「ところで***、そのハロウィンとはどこで学んだんだい?」)(「リンク君が教えてくれましたっ、彼ってとっても癒やされますねー!」)(「………」)(「ひぎぃぃぃぃぃ!?」)
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とても今更過ぎるハロウィンネタです。最初はちょーっとだけ考えていてリアタイのネタに載せる予定だったのですが、思いの外長かったので思い切って此方にあげました。
「ギラヒムさん何で頬に柄あるのに、わざわざ前髪長くしてるんだ切っちまえ」という勝手な私の考えですすみません。私が部下だったらいろいろとストレス溜まりそうです…(笑)
魔族長って言うよりもはやボコブリン夢ですね←
12.12.09
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