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クロックタウン東。木箱に座って夜空を見上げていた。正確にはもう、空と言うよりも吸い寄せられるかのように地面へ近付いた月を、視界いっぱいに見る羽目になってしまったのだけど。
明日は刻のカーニバルだっていうのに、町にいる人数が極端に少ない。住民でさえも、もう逃げ出してしまった。あの月のせいで。それでも門兵は逃げ出すことはしないで、胸に手を当てて不安そうに月を見上げていた。私より幾らか幼い子供達は、何も知らずにこんな時まで外で遊んでいる。多分、月が落ちるかもしれないだなんて考えすらも、頭に浮かんでいないんだと思う。大人達が誰も月について子供達に言わなかったことを私は不思議に思っていたけれど、言ってはいけないような気がして、私もみんなに何も伝えなかった。
ガチャリ。ミルクバーのドアが開いて、私もよく知る男の人が出てきた。スケジュールにとっても厳しくて、私がお仕事中に話しかけるとよく爽やかになだめられたものだった。
「、お兄さんっ」
喉につっかえそうになった言葉をとっさに吐き出して話しかけた。“午後は配達のお仕事無いんだよね”?“また、10秒ピッタリにタイマーを止める遊び、しよう”?“一緒に逃げようよ”?
何て声を掛ければいい?こんな時に遊ぼうだなんて身勝手過ぎる?やっぱりお兄さんは最期までスケジュール通りに動くの?
ずっと一人でいたくなくて、でも親しくない人といるのも辛くて。何て言えば少しでも一緒にいられるのか、まだ大人じゃない私にはどうすればいいのかわからないよ。
俯いたまま何とか絞り出した言葉は、
「…お兄さんは、どうするの?」
私の問いに、お兄さんははっきりとした口調で言った。
「ボク、非難することにしたのだ。局長どのの命令なのだ」
命令。その言葉に安心した私がいた。そうだよね、命令だもんね。局長って誰だか私にはまだよくわからないけど。やっぱりお兄さんは仕事熱心のままだ。私の周りに変化なんて、いらないの。
そう信じた直後の、
「ボクはもう自由なのだ!予定も自分で決めるのだ!」
見上げるとそこには、とても幸せそうに笑うお兄さんがいて、一瞬理解が追い付かなかった。でもわかってしまった。もうお兄さんはスケジュール通りに動くお兄さんじゃない。もうこの町に捕らわれる必要もないんだ。ああ、私が決まった時間に遊べる確実性が無くなってしまった。私にお兄さんを縛り付ける権利なんて無い。
「…そう、なの?良かったね、お兄さん!…良かったね!」
「ありがとうなのだ!」
「さよなら、お兄さんっ」
私が笑顔で見送ると、今までに見たことのない軽い足取りで、お兄さんは町から出て行った。
まるで祝福するかのように花火が上がる。別にその為に上がった訳じゃないことぐらいわかってる。今日が刻のカーニバルだから上がった訳であって、今年の花火にきっと希望なんて籠もってないし誰も無事にカーニバルを迎えることが出来るなんて思ってない。そんな虚しい花火を泣きそうな目で見上げながら一人で待つ。
さよならお兄さん。とても釣り合いそうにはない今まで捧げてきた日々の分を、もう町にもスケジュールにも、私にも縛られず自由に生きて。
***
まだちょっと幼い故に悩みを抱えちゃうお年頃。そんな夢主。
リンク達以外で初のお相手(になっているのかどうかすら曖昧)が私も予想していなかったまさかのポストマン…いったい誰特なの……。
12.05.27
明日は刻のカーニバルだっていうのに、町にいる人数が極端に少ない。住民でさえも、もう逃げ出してしまった。あの月のせいで。それでも門兵は逃げ出すことはしないで、胸に手を当てて不安そうに月を見上げていた。私より幾らか幼い子供達は、何も知らずにこんな時まで外で遊んでいる。多分、月が落ちるかもしれないだなんて考えすらも、頭に浮かんでいないんだと思う。大人達が誰も月について子供達に言わなかったことを私は不思議に思っていたけれど、言ってはいけないような気がして、私もみんなに何も伝えなかった。
ガチャリ。ミルクバーのドアが開いて、私もよく知る男の人が出てきた。スケジュールにとっても厳しくて、私がお仕事中に話しかけるとよく爽やかになだめられたものだった。
「、お兄さんっ」
喉につっかえそうになった言葉をとっさに吐き出して話しかけた。“午後は配達のお仕事無いんだよね”?“また、10秒ピッタリにタイマーを止める遊び、しよう”?“一緒に逃げようよ”?
何て声を掛ければいい?こんな時に遊ぼうだなんて身勝手過ぎる?やっぱりお兄さんは最期までスケジュール通りに動くの?
ずっと一人でいたくなくて、でも親しくない人といるのも辛くて。何て言えば少しでも一緒にいられるのか、まだ大人じゃない私にはどうすればいいのかわからないよ。
俯いたまま何とか絞り出した言葉は、
「…お兄さんは、どうするの?」
私の問いに、お兄さんははっきりとした口調で言った。
「ボク、非難することにしたのだ。局長どのの命令なのだ」
命令。その言葉に安心した私がいた。そうだよね、命令だもんね。局長って誰だか私にはまだよくわからないけど。やっぱりお兄さんは仕事熱心のままだ。私の周りに変化なんて、いらないの。
そう信じた直後の、
「ボクはもう自由なのだ!予定も自分で決めるのだ!」
見上げるとそこには、とても幸せそうに笑うお兄さんがいて、一瞬理解が追い付かなかった。でもわかってしまった。もうお兄さんはスケジュール通りに動くお兄さんじゃない。もうこの町に捕らわれる必要もないんだ。ああ、私が決まった時間に遊べる確実性が無くなってしまった。私にお兄さんを縛り付ける権利なんて無い。
「…そう、なの?良かったね、お兄さん!…良かったね!」
「ありがとうなのだ!」
「さよなら、お兄さんっ」
私が笑顔で見送ると、今までに見たことのない軽い足取りで、お兄さんは町から出て行った。
まるで祝福するかのように花火が上がる。別にその為に上がった訳じゃないことぐらいわかってる。今日が刻のカーニバルだから上がった訳であって、今年の花火にきっと希望なんて籠もってないし誰も無事にカーニバルを迎えることが出来るなんて思ってない。そんな虚しい花火を泣きそうな目で見上げながら一人で待つ。
さよならお兄さん。とても釣り合いそうにはない今まで捧げてきた日々の分を、もう町にもスケジュールにも、私にも縛られず自由に生きて。
最期が訪れるその時まで。
さようなら彼の人よ
(変化なんて求めてない ただ変わらないでいてほしかった)(返して 何もかも返して そう月を睨みながら)
(私は、一人、)
(私は、一人、)
***
まだちょっと幼い故に悩みを抱えちゃうお年頃。そんな夢主。
リンク達以外で初のお相手(になっているのかどうかすら曖昧)が私も予想していなかったまさかのポストマン…いったい誰特なの……。
12.05.27
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