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うららかな日和、葉擦れの音に囲まれながら少女は花と花を結んでいた。
「もう少しで、出来るからね」
目の前の鹿の頭に作りかけの冠を当てて大きさを確認しながら話しかけると、その鹿は少女とは違う音に対して反応したように耳を動かし、ある方向へ顔を向けた。
「?…どうしたの?」
少女もその方向へ顔を向けたが確認できるものは何も無く。自分には認識出来ないほど小さな音に反応した、ただそれだけのことだろうと彼女は思った。広い野原に見えるのは生い茂った草木、暖かな陽をくれる太陽と青い空、遠くの山々と古びた建造物のみ。危険のある大きな動物がいる様子は感じられなかった。そうして次の花を摘み取り、茎を結び。穏やかな時間の中で繰り返されたその行為は、目の前の鹿が突如走り去ったことで無に帰してしまった。
走り去った理由を今の少女が予想することは容易だった。今回は彼女の耳にもしっかりと届いているのだ。何かが近づいて来る足音が。
決して荒く重々しい足音ではない。足音と言っても目的があってこちらへ向かって来るようなものではなく、ただ無邪気に、走れるようになったばかりの何かの動物の子供が、はしゃいで駆け回っているような音。
作り上げた花冠を手にしながら下ろしていた腰を上げ、その何かを見つけるとそれは亜麻色の髪とアクアマリンの色の瞳を持つ1人の青年だった。
予想以上に近寄っていたことに気付き、お互いを見つけた2人は小さく驚いた。
青年は駆け回っていた足を止めて、乱れた息を整え、目をくるりと動かしながらかける言葉を探す。そして戸惑いながら言った。
「あ……えっと、…おはよう。」
“おはよう。” その言葉に少女は笑みを零しながら言葉を返した。
「ふふ、もう“こんにちは”の時間ですよ?」
“あなたお寝坊さんなのね。” と付け足すと、目の前の青年ははにかみながら頬をかいた。
***
ブレスオブザワイルドのトレイラーを見ていたら書きたくなりました。穏やかな自然音の中にいる空気を、表現出来てたら嬉しい。どんなストーリーなのでしょうね。
リンクの色は英名か和名で括ろうかと思ったのですが、伝わりにくくなってしまいそうなので上記の表現で。今度のリンクの瞳は、アクアマリンみたいな色だなと個人的に思っています。
16.07.16
「もう少しで、出来るからね」
目の前の鹿の頭に作りかけの冠を当てて大きさを確認しながら話しかけると、その鹿は少女とは違う音に対して反応したように耳を動かし、ある方向へ顔を向けた。
「?…どうしたの?」
少女もその方向へ顔を向けたが確認できるものは何も無く。自分には認識出来ないほど小さな音に反応した、ただそれだけのことだろうと彼女は思った。広い野原に見えるのは生い茂った草木、暖かな陽をくれる太陽と青い空、遠くの山々と古びた建造物のみ。危険のある大きな動物がいる様子は感じられなかった。そうして次の花を摘み取り、茎を結び。穏やかな時間の中で繰り返されたその行為は、目の前の鹿が突如走り去ったことで無に帰してしまった。
走り去った理由を今の少女が予想することは容易だった。今回は彼女の耳にもしっかりと届いているのだ。何かが近づいて来る足音が。
決して荒く重々しい足音ではない。足音と言っても目的があってこちらへ向かって来るようなものではなく、ただ無邪気に、走れるようになったばかりの何かの動物の子供が、はしゃいで駆け回っているような音。
作り上げた花冠を手にしながら下ろしていた腰を上げ、その何かを見つけるとそれは亜麻色の髪とアクアマリンの色の瞳を持つ1人の青年だった。
予想以上に近寄っていたことに気付き、お互いを見つけた2人は小さく驚いた。
青年は駆け回っていた足を止めて、乱れた息を整え、目をくるりと動かしながらかける言葉を探す。そして戸惑いながら言った。
「あ……えっと、…おはよう。」
“おはよう。” その言葉に少女は笑みを零しながら言葉を返した。
「ふふ、もう“こんにちは”の時間ですよ?」
“あなたお寝坊さんなのね。” と付け足すと、目の前の青年ははにかみながら頬をかいた。
それは鳥のさえずりのような
(お互いの喉から出る音が、息が、全て心地よかった)
(やり場の無かった花冠を彼の頭に乗せれば、青白い花びらがとてもよく似合った)
(やり場の無かった花冠を彼の頭に乗せれば、青白い花びらがとてもよく似合った)
***
ブレスオブザワイルドのトレイラーを見ていたら書きたくなりました。穏やかな自然音の中にいる空気を、表現出来てたら嬉しい。どんなストーリーなのでしょうね。
リンクの色は英名か和名で括ろうかと思ったのですが、伝わりにくくなってしまいそうなので上記の表現で。今度のリンクの瞳は、アクアマリンみたいな色だなと個人的に思っています。
16.07.16
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