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キコア先輩は素敵な人だ。快活で勤勉、誰に対してもきっぱりとした態度で、悪いところなんて見た事が無い。私達の見本の優等生だ。
クラネ先輩がキコア先輩のことを好きなように、私にも好きな男の子がいる。
それは同級生のリンクだ。でも、リンクにはちょっとだけ問題がある。
「……いっ、たぁ…………。」
学校の階段を降りる途中に転んでしまい、足を押さえて思わず嘆きの声をあげる。盛大に油断した、嗚呼ちゃんと気を付けて降りなきゃダメだと後悔した。
痛みに耐えていたら、膝裏と背中に腕を回されて体が床から浮かぶ。通りかかった先生が抱き上げてくれたのかと思ったけれど、ちょっぴり目立つ緑色の制服が目に入った途端に、ついさっきまで頭の片隅に想っていた彼だと気が付いてとても驚いた。
「え!り、リンク?」
「うん。大丈夫?2階から見えたけどすごい勢いで***の姿が消えたから、落ちたんだなと思って急いで来たんだよ。」
そしたら案の定、足を捻ってるし。と、運ばれながら軽く呆れられる。
「う、うるさいなぁ!ゆっくりでも歩けるから、下ろして!恥ずかしい!!」
「……お姫様だっこが?」
「わざわざ言わないで!下ろしてってば~……」
「え~、ダメだよ。一度やってみたかったし!」
彼は恥ずかしげもなくケラケラと笑っている。
そう、彼はこういうことを好きな女の子でなくても平気でしてしまう、タチの悪い天然たらしだから困る。
食堂で足を手当てし終えた後に、彼は私と話をしながら食事を始めた。
「久しぶりにヘーナさんの料理食べたくなったんだよね~。***も一口食べる?」
あーん、と言って、これまた恥ずかしげもなく料理の乗ったスプーンを私の口へ運んでくる。半ば強引気味だったから、変に意識しないようにそれを早く口の中へ入れた。
「足、早く治ると良いね。また一緒に空の散歩したいな。」
「…………。」
意識しないように、と何度も自分に言い聞かせる。
彼が天然たらしだと思ってる理由は、ショップモールのジャクリーヌに「ダーリン」と呼ばれているのを聞いたのがきっかけ。実は密かに結構なショックを受けていた。彼は雲の下へ落ちたかもしれない幼馴染のゼルダを探しに行っている途中だというのに、そういうのはどうなのだろうか。その癖、こんな風に誰にでもその気にさせるようなことをする。そして私は残念なことに、まんまとこのリンクが好きなのだ。
それとも、私は恋愛対象だと思われていないのだろうか。本当はリンクはとっても奥手で、好きな子に対してはもっと慎重なのかもしれない。はぁ、と溜息を吐いたら、両手で顔を挟まれリンクの方へ向けられた。
「悩み事?」
「え。……何でもないよ。」
「悩んでることがあるなら言って。僕協力するから。」
……じゃあ。今言ってしまおうか。らしくない、らしくないけど、リンクが私とちゃんと向き合ってくれてる今、はっきり言うべきだと思った。顔が熱い。そう、頑張れ、私。
「リンク。」
「ん?」
「……私だって女の子なんだよ。」
「…………。」
「もっと自分の言動に責任を持って。そんな風に接してたら、みんな勘違いしちゃうよ。」
私の言っていることを理解しているのかしていないのか、リンクはピタリと表情が固まっていた。
すると、
「……う…………。」
「?」
「わぁぁぁぁぁ!!」
何故か、平手打ちをされた。
「…………え……。」
びっくりして私の思考も一瞬止まる。叩かれた部分がひりひりとし、さっきの顔に集まる熱とは別の熱を感じた。
いたい、え…………いたい、痛い痛い。
痛い。
「が……我慢してたのに!!意識させるなよーー!!」
「…………え…と……っ、」
がまん、我慢?どういうことなのかわからない。女の子で接しづらいのを、実は無理して我慢してくれてたとか?
叩かれた痛みとショックで気が動転すると同時に、涙が浮かんでくる。…………私、女の子じゃいけなかった?
やだ、泣いちゃ駄目だ。何とか切り抜けないと。
「ひ、酷いなぁリンク……!いくら私でも、ビンタは無いよ~っ…………!!傷になってお嫁にいけなくなったらどうしてっ、くれ、る…の……っ」
「あ、あ、ちが、違うんだよ***!」
「じゃあ…何なの……っ」
「お嫁にいけなくなったら…………いや、その前に……僕が***をもらう!!」
「は、はぁ?」
ただでさえ私も混乱しているのに、何故か彼も混乱している。そして更に混乱する発言が出てきた。
「……な、何でそんなこと言うの!!言ったでしょ、自分の言動に責任を持ってって……!そんな風に言われたって………………せっかく……リンクのこと、好きなのに…!いい加減なこと言われたって私嫌だよ、全然嬉しくない!」
もう訳がわからなくなって、涙と一緒に思うがままに言葉が口を出る。酷い、酷い、私のことなんて好きじゃない癖に誰にでも思わせぶりな態度とって、今だって勢いに任せていい加減なこと言って、リンクのこと好きな私がバカみたいだ。すごく惨めだ。
すると強い力で引っ張られて胸に抱きとめられた。思ってた以上に彼の力は強くて、抵抗しようにもビクともせず頭が彼の胸に固定される。
「ごめん!意識しちゃったら今まで通り話も出来ないと思って…ドキドキしてるのも、ずっと我慢してたんだよ。そしたら、いきなり意識させるようなこと言うから……びっくりしちゃって、なんか、自分でもわからないけど反射的に手が出ちゃって……ほんとにごめん!!でも、たった今はっきりとわかったよ。僕は***が好きなんだ。これだけは信じてほしい。」
必死な声音と、彼の胸からばくばくと跳ね上がる心音を聞いてからかっている訳でも私を嫌っている訳でもないことを悟る。
「***、僕のことが好きってほんと?」
自分の発言を思い返してまた顔に熱が集まる。どうしよう、勢いで言ってしまった。でも今更言ってしまったことは取り消せない。それに決して嘘ではなかった。
「…………嘘じゃないよ。……リンクだから、こんなに傷付いたの。リンクだから…………っ」
叩かれた瞬間に嫌われたのかと思ったの、それがすごく怖かった。彼の腕の中でそういうとまた「ごめんね」の言葉が降ってくる。でも今度は優しい声。
「僕、これからはちゃんと自分の言動に責任持つよ。誤解させて、傷付けてごめん。さっきは思わず手が出ちゃったけど……でもね、」
ぐっ、と顔をリンクの顔へ向けられると口と口がぶつかった。
「***じゃなかったら、絶対にこんなことしないんだよ。」
“引っ叩いちゃったことを除けば、***が好きだからずっとずっと思わせぶりなことしてたんだ。その時からこんな風にドキドキしてたんだよ、全然気がつかなかったでしょ?”とリンクは笑った。
……さっきのキスも痛かったよ。と言えば、彼はまた「ごめんね」と謝って私の頬を優しく撫でてくれた。
「食べ終わったかい?」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「何だい、気きかせてちゃんと食堂の外にいたよ?」
「外って言っても目の前の廊下じゃないですかー!!」
「私くらいになるとこういう状況に慣れてるんだよ、さぁさ片付けるから仲良くするなら外に行きな!」
廊下から戻って来たヘーナさんに言われるがまま食堂を出ると、“恥ずかしいね”と照れながらも彼はしっかりと私の手を握っていた。
***
ギャグ夢にするつもりが、いつの間にかこうなってました。
17.1.27
クラネ先輩がキコア先輩のことを好きなように、私にも好きな男の子がいる。
それは同級生のリンクだ。でも、リンクにはちょっとだけ問題がある。
「……いっ、たぁ…………。」
学校の階段を降りる途中に転んでしまい、足を押さえて思わず嘆きの声をあげる。盛大に油断した、嗚呼ちゃんと気を付けて降りなきゃダメだと後悔した。
痛みに耐えていたら、膝裏と背中に腕を回されて体が床から浮かぶ。通りかかった先生が抱き上げてくれたのかと思ったけれど、ちょっぴり目立つ緑色の制服が目に入った途端に、ついさっきまで頭の片隅に想っていた彼だと気が付いてとても驚いた。
「え!り、リンク?」
「うん。大丈夫?2階から見えたけどすごい勢いで***の姿が消えたから、落ちたんだなと思って急いで来たんだよ。」
そしたら案の定、足を捻ってるし。と、運ばれながら軽く呆れられる。
「う、うるさいなぁ!ゆっくりでも歩けるから、下ろして!恥ずかしい!!」
「……お姫様だっこが?」
「わざわざ言わないで!下ろしてってば~……」
「え~、ダメだよ。一度やってみたかったし!」
彼は恥ずかしげもなくケラケラと笑っている。
そう、彼はこういうことを好きな女の子でなくても平気でしてしまう、タチの悪い天然たらしだから困る。
食堂で足を手当てし終えた後に、彼は私と話をしながら食事を始めた。
「久しぶりにヘーナさんの料理食べたくなったんだよね~。***も一口食べる?」
あーん、と言って、これまた恥ずかしげもなく料理の乗ったスプーンを私の口へ運んでくる。半ば強引気味だったから、変に意識しないようにそれを早く口の中へ入れた。
「足、早く治ると良いね。また一緒に空の散歩したいな。」
「…………。」
意識しないように、と何度も自分に言い聞かせる。
彼が天然たらしだと思ってる理由は、ショップモールのジャクリーヌに「ダーリン」と呼ばれているのを聞いたのがきっかけ。実は密かに結構なショックを受けていた。彼は雲の下へ落ちたかもしれない幼馴染のゼルダを探しに行っている途中だというのに、そういうのはどうなのだろうか。その癖、こんな風に誰にでもその気にさせるようなことをする。そして私は残念なことに、まんまとこのリンクが好きなのだ。
それとも、私は恋愛対象だと思われていないのだろうか。本当はリンクはとっても奥手で、好きな子に対してはもっと慎重なのかもしれない。はぁ、と溜息を吐いたら、両手で顔を挟まれリンクの方へ向けられた。
「悩み事?」
「え。……何でもないよ。」
「悩んでることがあるなら言って。僕協力するから。」
……じゃあ。今言ってしまおうか。らしくない、らしくないけど、リンクが私とちゃんと向き合ってくれてる今、はっきり言うべきだと思った。顔が熱い。そう、頑張れ、私。
「リンク。」
「ん?」
「……私だって女の子なんだよ。」
「…………。」
「もっと自分の言動に責任を持って。そんな風に接してたら、みんな勘違いしちゃうよ。」
私の言っていることを理解しているのかしていないのか、リンクはピタリと表情が固まっていた。
すると、
「……う…………。」
「?」
「わぁぁぁぁぁ!!」
何故か、平手打ちをされた。
「…………え……。」
びっくりして私の思考も一瞬止まる。叩かれた部分がひりひりとし、さっきの顔に集まる熱とは別の熱を感じた。
いたい、え…………いたい、痛い痛い。
痛い。
「が……我慢してたのに!!意識させるなよーー!!」
「…………え…と……っ、」
がまん、我慢?どういうことなのかわからない。女の子で接しづらいのを、実は無理して我慢してくれてたとか?
叩かれた痛みとショックで気が動転すると同時に、涙が浮かんでくる。…………私、女の子じゃいけなかった?
やだ、泣いちゃ駄目だ。何とか切り抜けないと。
「ひ、酷いなぁリンク……!いくら私でも、ビンタは無いよ~っ…………!!傷になってお嫁にいけなくなったらどうしてっ、くれ、る…の……っ」
「あ、あ、ちが、違うんだよ***!」
「じゃあ…何なの……っ」
「お嫁にいけなくなったら…………いや、その前に……僕が***をもらう!!」
「は、はぁ?」
ただでさえ私も混乱しているのに、何故か彼も混乱している。そして更に混乱する発言が出てきた。
「……な、何でそんなこと言うの!!言ったでしょ、自分の言動に責任を持ってって……!そんな風に言われたって………………せっかく……リンクのこと、好きなのに…!いい加減なこと言われたって私嫌だよ、全然嬉しくない!」
もう訳がわからなくなって、涙と一緒に思うがままに言葉が口を出る。酷い、酷い、私のことなんて好きじゃない癖に誰にでも思わせぶりな態度とって、今だって勢いに任せていい加減なこと言って、リンクのこと好きな私がバカみたいだ。すごく惨めだ。
すると強い力で引っ張られて胸に抱きとめられた。思ってた以上に彼の力は強くて、抵抗しようにもビクともせず頭が彼の胸に固定される。
「ごめん!意識しちゃったら今まで通り話も出来ないと思って…ドキドキしてるのも、ずっと我慢してたんだよ。そしたら、いきなり意識させるようなこと言うから……びっくりしちゃって、なんか、自分でもわからないけど反射的に手が出ちゃって……ほんとにごめん!!でも、たった今はっきりとわかったよ。僕は***が好きなんだ。これだけは信じてほしい。」
必死な声音と、彼の胸からばくばくと跳ね上がる心音を聞いてからかっている訳でも私を嫌っている訳でもないことを悟る。
「***、僕のことが好きってほんと?」
自分の発言を思い返してまた顔に熱が集まる。どうしよう、勢いで言ってしまった。でも今更言ってしまったことは取り消せない。それに決して嘘ではなかった。
「…………嘘じゃないよ。……リンクだから、こんなに傷付いたの。リンクだから…………っ」
叩かれた瞬間に嫌われたのかと思ったの、それがすごく怖かった。彼の腕の中でそういうとまた「ごめんね」の言葉が降ってくる。でも今度は優しい声。
「僕、これからはちゃんと自分の言動に責任持つよ。誤解させて、傷付けてごめん。さっきは思わず手が出ちゃったけど……でもね、」
ぐっ、と顔をリンクの顔へ向けられると口と口がぶつかった。
「***じゃなかったら、絶対にこんなことしないんだよ。」
“引っ叩いちゃったことを除けば、***が好きだからずっとずっと思わせぶりなことしてたんだ。その時からこんな風にドキドキしてたんだよ、全然気がつかなかったでしょ?”とリンクは笑った。
……さっきのキスも痛かったよ。と言えば、彼はまた「ごめんね」と謝って私の頬を優しく撫でてくれた。
意識と無意識
(気持ちに気付いていなかった彼よりも、)(私の方がずっと奥手だった。)
「食べ終わったかい?」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「何だい、気きかせてちゃんと食堂の外にいたよ?」
「外って言っても目の前の廊下じゃないですかー!!」
「私くらいになるとこういう状況に慣れてるんだよ、さぁさ片付けるから仲良くするなら外に行きな!」
廊下から戻って来たヘーナさんに言われるがまま食堂を出ると、“恥ずかしいね”と照れながらも彼はしっかりと私の手を握っていた。
***
ギャグ夢にするつもりが、いつの間にかこうなってました。
17.1.27
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