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「今日が何の日か、知ってるか?」
唐突にガロからそう言われ、はてと頭を捻る。十一月十一日。特に誰かの誕生日や記念日は無かった筈。強いて言うならば、ゾロ目の日付だなぁ……という感想くらいしか思い浮かばない。
「何かあったっけ?」
「今日はポッキーの日って言ってなぁ、コイツを二人で両端から咥えて食うゲームをするんだよ」
ガロはそう言って、プレッツェルにチョコがコーティングされたお菓子のパッケージを見せてきた。
「……それって、何をしたら勝ちなの?」
「ん~?なんか折れた時に長い方が勝ちって聞いたぜ。なぁ、ちょっとやってみようぜ!」
ガロ自身も詳しくはない様子で、きっと人から聞いたちょっとしたイベントに食いついたのだろうと想像する。わざわざそんな遊びをせずとも普通に食べたらいいの……にと思うけど、せっかく買ってきて目をキラキラさせるガロを蔑ろにするのは良心が痛むので了承した。
「まあ……良いけど」
「おっしゃ!」
早速袋をパンと開き、一本のポッキーが取り出された。極細タイプのポッキーだ。通常タイプに比べて多く本数が入っているこちらの方が、いっぱい遊べるからコレを選んだんだろうな、お祭り騒ぎが好きなガロらしい。
「ん!」
差し出されたポッキーのチョコレート部分を咥えると、反対側を咥えたガロの顔が少しずつ近づいてきた。食べ進められて短くなった頃合いを見計らい、ぱきりとポッキーを折った。
「あァーッ!」
「ん、コレ長く折るの難しいわね」
「おまッ……折るなよ!」
「どうして怒るの?ガロの勝ちなのに」
自分の口に残った、短い残りのポッキーをサクサクと咀嚼して味わう。まぁ確かに、勝った方が長いポッキーを食べられるというのはちょっと面白いかもしれない。でもそれよりも、折る度に何故か怒ったり残念そうにするガロのリアクションが楽しかった。あっという間に残りが最後の一本だ。
「~ッ!オマエあんまり食えてないだろ?」
「ん〜?別にいいよ、ガロいっぱいが食べれば?」
「いーや、ダメだ!こういうのは平等に分け合うもんだ」
「そういうゲームなのに、何言ってるんだか……」
「オレ動かねぇから、今度は***の方から来い!」
妙なところで実直なガロは宣言通りに腕を組み、目を瞑ってどっしりと構え動かなくなった。仕方ないから私から食べ進めていくも、なかなかガロは折らない。そのまま食べ進めていくと、とうとう隙間が無くなった。ふに、と軽く唇が当たったタイミングで私がポッキーを噛み砕き、最後のゲームが終わった。
「!……ハッ!?い、今……」
「結局私が折っちゃったよ。ガロ、全然折らないんだもの。コレで良かったの?」
ガロは短くなったポッキーを咥えたまま、真っ赤な顔をして狼狽えていた。この場合は引き分けなのかな?結局何がしたかったのだろう。私がごくんと嚥下すると、ガロはまだ遊び足りないのか二つ目の袋を引っ掴んで迫ってきた。
「もう一度だ!」
「え〜、もう充分じゃない?」
「だっ……だってよぉ、今日一日しか無いんだぜ!?」
「……そんなにコレが気に入ったなら、今日じゃなくたって相手するわよ?」
「ほ、本当だな!?うっし、約束だ!」
食い気味で反応したガロは、それはそれは嬉しそうに笑った。
それからしばらく、家にストックが常備されるくらいガロがポッキーを沢山買ってくるようになり、「最近お菓子のレパートリーが少なくなったんだよね」と小さな不満をルチアに話した。
「あのさァ……それ、アンタとキスしたくて用意したに決まってんじゃん!」
「え?……そうなの?」
「うへぇ、ガロかわいそ~」
指摘されてもなお、ぴんと来ない様子で「そういうものなのかしら?」と言う***を目の前にして、ルチアはやれやれと呆れて肩をすくめたのだった。
唐突にガロからそう言われ、はてと頭を捻る。十一月十一日。特に誰かの誕生日や記念日は無かった筈。強いて言うならば、ゾロ目の日付だなぁ……という感想くらいしか思い浮かばない。
「何かあったっけ?」
「今日はポッキーの日って言ってなぁ、コイツを二人で両端から咥えて食うゲームをするんだよ」
ガロはそう言って、プレッツェルにチョコがコーティングされたお菓子のパッケージを見せてきた。
「……それって、何をしたら勝ちなの?」
「ん~?なんか折れた時に長い方が勝ちって聞いたぜ。なぁ、ちょっとやってみようぜ!」
ガロ自身も詳しくはない様子で、きっと人から聞いたちょっとしたイベントに食いついたのだろうと想像する。わざわざそんな遊びをせずとも普通に食べたらいいの……にと思うけど、せっかく買ってきて目をキラキラさせるガロを蔑ろにするのは良心が痛むので了承した。
「まあ……良いけど」
「おっしゃ!」
早速袋をパンと開き、一本のポッキーが取り出された。極細タイプのポッキーだ。通常タイプに比べて多く本数が入っているこちらの方が、いっぱい遊べるからコレを選んだんだろうな、お祭り騒ぎが好きなガロらしい。
「ん!」
差し出されたポッキーのチョコレート部分を咥えると、反対側を咥えたガロの顔が少しずつ近づいてきた。食べ進められて短くなった頃合いを見計らい、ぱきりとポッキーを折った。
「あァーッ!」
「ん、コレ長く折るの難しいわね」
「おまッ……折るなよ!」
「どうして怒るの?ガロの勝ちなのに」
自分の口に残った、短い残りのポッキーをサクサクと咀嚼して味わう。まぁ確かに、勝った方が長いポッキーを食べられるというのはちょっと面白いかもしれない。でもそれよりも、折る度に何故か怒ったり残念そうにするガロのリアクションが楽しかった。あっという間に残りが最後の一本だ。
「~ッ!オマエあんまり食えてないだろ?」
「ん〜?別にいいよ、ガロいっぱいが食べれば?」
「いーや、ダメだ!こういうのは平等に分け合うもんだ」
「そういうゲームなのに、何言ってるんだか……」
「オレ動かねぇから、今度は***の方から来い!」
妙なところで実直なガロは宣言通りに腕を組み、目を瞑ってどっしりと構え動かなくなった。仕方ないから私から食べ進めていくも、なかなかガロは折らない。そのまま食べ進めていくと、とうとう隙間が無くなった。ふに、と軽く唇が当たったタイミングで私がポッキーを噛み砕き、最後のゲームが終わった。
「!……ハッ!?い、今……」
「結局私が折っちゃったよ。ガロ、全然折らないんだもの。コレで良かったの?」
ガロは短くなったポッキーを咥えたまま、真っ赤な顔をして狼狽えていた。この場合は引き分けなのかな?結局何がしたかったのだろう。私がごくんと嚥下すると、ガロはまだ遊び足りないのか二つ目の袋を引っ掴んで迫ってきた。
「もう一度だ!」
「え〜、もう充分じゃない?」
「だっ……だってよぉ、今日一日しか無いんだぜ!?」
「……そんなにコレが気に入ったなら、今日じゃなくたって相手するわよ?」
「ほ、本当だな!?うっし、約束だ!」
食い気味で反応したガロは、それはそれは嬉しそうに笑った。
それからしばらく、家にストックが常備されるくらいガロがポッキーを沢山買ってくるようになり、「最近お菓子のレパートリーが少なくなったんだよね」と小さな不満をルチアに話した。
「あのさァ……それ、アンタとキスしたくて用意したに決まってんじゃん!」
「え?……そうなの?」
「うへぇ、ガロかわいそ~」
指摘されてもなお、ぴんと来ない様子で「そういうものなのかしら?」と言う***を目の前にして、ルチアはやれやれと呆れて肩をすくめたのだった。
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