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今日はアイナのお仕事が非番の日。お互いシャワーも済ませ、お揃いのパジャマに身を包み、久しぶりのお泊り会をゆっくりと過ごす準備が整った。
「アイナ、これあげる! いつもお仕事お疲れさま」
用意していたタンブラーを紙袋から取り出して、アイナに手渡す。
「え~、いいの⁉ ありがとう! すっごく可愛い!」
ピンクとホワイトカラーでデザインされたそれは、彼女の好みに合うだろうと予想した通り、アイナはとびきりの笑顔で喜んでくれた。その笑顔を見ると、心が満たされて幸せな気持ちになる。
アイナが好きなアーティストの新曲を、イヤホンを片方ずつ着けて聴いた。一緒に続きを観ようと約束していたドラマを、お話の展開に声を上げながら泣いたり笑ったりして、一気に最後まで観た。私は、アイナと過ごす時間が大好きだ。いつもは冷静に判断を下すしっかり者の彼女が、こういう時は子供の頃みたいに一人の女の子としていろんな表情を見せてくれる。大好きな人と、好きなものを共有できる。それが本当に幸せで――。
二人でエンディングの余韻に浸りながら、スイーツのドーナツを味わう。底に沈んでぐじゅぐじゅになった実をストローで搔きまわしながらピーチティーを飲んでいると、アイナが唐突に言い出した。
「そういえばさ、最近***もますます可愛くなったよね!」
「え、えぇ……っ⁉ そんなこと無いよ。……でも、アイナに言われると嬉しいな」
他でもない彼女に褒められて落ち着かず、そわそわと指先を重ねる。
「ははーん、さては***もこのドラマみたいに、好きな人ができたとか?」
「えっ……」
図星を突かれて、取り繕うことも出来ず硬直した私に確信したアイナが、目を輝かせる。
「……え? もしかして本当に? ねぇ、どんな人⁉」
ソファの上で、私に覆い被さるくらいの勢いでアイナがグイグイと距離を縮めた。今更否定することも出来ず、顔が赤くなるのを手で隠しながら当たり障りのないように特徴を挙げる。
「……あ、あのね。その人、危険な仕事もバリバリこなしてて、かっこよくって……」
「へぇ~!」
「スタイルも良くて、その人と少しでも釣り合いたいな……って思うし」
「うん、うん!」
「その人が好きな色の小物とか見ると、これをあげたら喜んでくれるかな……って、つい考えちゃう」
「わぁ~!!」
見るからにアイナのテンションが上がっていく。まさかそれが自分のことだなんて、全く想像もしていない様子に安堵する。
「あとね、こんな私といっぱい一緒にいてくれて……それが、いつも嬉しいの」
「え~! 一度会ってみたいな。ずっと一緒だったのに、私全然知らなかった。……ちょっと、悔しいや」
ずっと一緒だった。そう、小さいころからずっと。視線を落として少し寂しそうな表情を浮かべる彼女に、僅かな満足感を覚えてしまう私は……きっと酷い幼馴染だ。
「でも、応援するよ! 私は***の味方だからね。もしもその人が***のこと泣かせたりしたら、絶対許さない! 出来ることは何でも協力するから、遠慮なく言って!」
「……ううん、いいの。その人は、全然気付かないし、今のままでも私は満足してるから」
そう。今のままで充分。これ以上を望んだら、一歩踏み込んだら……きっと、この関係を失ってしまう。そんなの耐えられない。
「え~? 何だか、本当にさっきのドラマそっくり。……あれと一緒で、実は相手は幼馴染の私でした! な~んて、ね……」
「…………」
「***? ……え、もしかして、そうなの?」
彼女の言葉に肩が跳ねる。私がこういう時に黙ってしまうことを、アイナは誰よりもわかっている。嘘はつきたくない。彼女の友達としても、好きな人としても。
しばらくの沈黙の中、ゆっくりと頷く。瞑っていた目を開くと、アイナは驚いて尻もちを付くようにして、ソファにもたれ掛かっていた。
「へっ……? あ、えっ……ご、ゴメン」
彼女から発せられた声で、全てが崩れ落ちる感覚に呑まれる。──ああ、間違えた。ソファから降りてバッグを抱え、急いで足を動かす。
「……ごめんね、こんなこと言うつもりじゃなかった……! わ、私……帰るね!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
素早く反応したアイナが、ドアの前に立ち塞がった。強い力で肩を掴まれる。
「本当にごめん。お願いだから、通して……」
「嫌、このままじゃ帰せない! 私の話を聞いて」
「やだ、聞きたくない……っ」
「***!」
耳を塞ごうとした手も握られて、振り払えない。嫌だ、嫌だ。拒絶される言葉なんて。
「違うの! さっきのゴメンは、今まで気付かないまま、無神経なこと言って***を傷つけちゃってたかもって思って……。***の気持ちが嫌とか、そういう意味のゴメンじゃないから! それだけは勘違いしないでほしいの」
優しいアイナ。こういう風にいつも私の気持ちを汲み取ってくれるところが、好きで。涙が勝手に溢れてしまう。
「ね、***。お願い、こっちを見て」
掴む力を弱めて、するりと手を握られる。彼女の甘えるような声に導かれて視線を上げると、青空みたいに澄み渡る瞳と目が合った。弱々しく眉尻を下げて謝られる。
「ごめんね……。***のこと泣かしちゃった」
「アイナは何も悪くないよ。私が勝手に好きになって……嫌だったよね」
「そんなことない!」
私の言葉に被せて、アイナが否定した。
「嫌じゃないよ。そりゃ~、いきなりだしさ……。ビックリはしたよ! もう、ほんっとうにビックリした! ほら、こんなにドキドキしてるもん……」
引かれるままに、アイナの胸に手を当てられた。ドクンドクンと、強い鼓動が伝わる。
「本当……?」
「うん。嫌だなんて、全然思わなかったよ。***の”好き”と同じかは、正直まだわからないけど……」
もう一度、手を包み込まれて。アイナは言った。
「でも、私だって***のこと大好きだもん! だから、いきなり離れたくないよ!」
今までに見たことがないくらい必死な表情で。
「これからも、今までと同じように一緒にいたい。それは、ダメなことなのかな……?」
その言葉に、心が震える。
「……っ! ダメじゃない……っ! いいの? アイナのこと、好きでいても……」
「ダメなワケ、無いじゃない」
彼女の腕の中に、ぎゅうと抱き締められる。今までと何ら変わらない、安心する体温で。優しい声色で告げられる。
「教えてくれてありがとう、***」
拒絶されなかった。私の気持ちを、受け止めてくれた。
それだけで、今は充分だった。
▲桃の花言葉…「私はあなたのとりこ」
「アイナ、これあげる! いつもお仕事お疲れさま」
用意していたタンブラーを紙袋から取り出して、アイナに手渡す。
「え~、いいの⁉ ありがとう! すっごく可愛い!」
ピンクとホワイトカラーでデザインされたそれは、彼女の好みに合うだろうと予想した通り、アイナはとびきりの笑顔で喜んでくれた。その笑顔を見ると、心が満たされて幸せな気持ちになる。
アイナが好きなアーティストの新曲を、イヤホンを片方ずつ着けて聴いた。一緒に続きを観ようと約束していたドラマを、お話の展開に声を上げながら泣いたり笑ったりして、一気に最後まで観た。私は、アイナと過ごす時間が大好きだ。いつもは冷静に判断を下すしっかり者の彼女が、こういう時は子供の頃みたいに一人の女の子としていろんな表情を見せてくれる。大好きな人と、好きなものを共有できる。それが本当に幸せで――。
二人でエンディングの余韻に浸りながら、スイーツのドーナツを味わう。底に沈んでぐじゅぐじゅになった実をストローで搔きまわしながらピーチティーを飲んでいると、アイナが唐突に言い出した。
「そういえばさ、最近***もますます可愛くなったよね!」
「え、えぇ……っ⁉ そんなこと無いよ。……でも、アイナに言われると嬉しいな」
他でもない彼女に褒められて落ち着かず、そわそわと指先を重ねる。
「ははーん、さては***もこのドラマみたいに、好きな人ができたとか?」
「えっ……」
図星を突かれて、取り繕うことも出来ず硬直した私に確信したアイナが、目を輝かせる。
「……え? もしかして本当に? ねぇ、どんな人⁉」
ソファの上で、私に覆い被さるくらいの勢いでアイナがグイグイと距離を縮めた。今更否定することも出来ず、顔が赤くなるのを手で隠しながら当たり障りのないように特徴を挙げる。
「……あ、あのね。その人、危険な仕事もバリバリこなしてて、かっこよくって……」
「へぇ~!」
「スタイルも良くて、その人と少しでも釣り合いたいな……って思うし」
「うん、うん!」
「その人が好きな色の小物とか見ると、これをあげたら喜んでくれるかな……って、つい考えちゃう」
「わぁ~!!」
見るからにアイナのテンションが上がっていく。まさかそれが自分のことだなんて、全く想像もしていない様子に安堵する。
「あとね、こんな私といっぱい一緒にいてくれて……それが、いつも嬉しいの」
「え~! 一度会ってみたいな。ずっと一緒だったのに、私全然知らなかった。……ちょっと、悔しいや」
ずっと一緒だった。そう、小さいころからずっと。視線を落として少し寂しそうな表情を浮かべる彼女に、僅かな満足感を覚えてしまう私は……きっと酷い幼馴染だ。
「でも、応援するよ! 私は***の味方だからね。もしもその人が***のこと泣かせたりしたら、絶対許さない! 出来ることは何でも協力するから、遠慮なく言って!」
「……ううん、いいの。その人は、全然気付かないし、今のままでも私は満足してるから」
そう。今のままで充分。これ以上を望んだら、一歩踏み込んだら……きっと、この関係を失ってしまう。そんなの耐えられない。
「え~? 何だか、本当にさっきのドラマそっくり。……あれと一緒で、実は相手は幼馴染の私でした! な~んて、ね……」
「…………」
「***? ……え、もしかして、そうなの?」
彼女の言葉に肩が跳ねる。私がこういう時に黙ってしまうことを、アイナは誰よりもわかっている。嘘はつきたくない。彼女の友達としても、好きな人としても。
しばらくの沈黙の中、ゆっくりと頷く。瞑っていた目を開くと、アイナは驚いて尻もちを付くようにして、ソファにもたれ掛かっていた。
「へっ……? あ、えっ……ご、ゴメン」
彼女から発せられた声で、全てが崩れ落ちる感覚に呑まれる。──ああ、間違えた。ソファから降りてバッグを抱え、急いで足を動かす。
「……ごめんね、こんなこと言うつもりじゃなかった……! わ、私……帰るね!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
素早く反応したアイナが、ドアの前に立ち塞がった。強い力で肩を掴まれる。
「本当にごめん。お願いだから、通して……」
「嫌、このままじゃ帰せない! 私の話を聞いて」
「やだ、聞きたくない……っ」
「***!」
耳を塞ごうとした手も握られて、振り払えない。嫌だ、嫌だ。拒絶される言葉なんて。
「違うの! さっきのゴメンは、今まで気付かないまま、無神経なこと言って***を傷つけちゃってたかもって思って……。***の気持ちが嫌とか、そういう意味のゴメンじゃないから! それだけは勘違いしないでほしいの」
優しいアイナ。こういう風にいつも私の気持ちを汲み取ってくれるところが、好きで。涙が勝手に溢れてしまう。
「ね、***。お願い、こっちを見て」
掴む力を弱めて、するりと手を握られる。彼女の甘えるような声に導かれて視線を上げると、青空みたいに澄み渡る瞳と目が合った。弱々しく眉尻を下げて謝られる。
「ごめんね……。***のこと泣かしちゃった」
「アイナは何も悪くないよ。私が勝手に好きになって……嫌だったよね」
「そんなことない!」
私の言葉に被せて、アイナが否定した。
「嫌じゃないよ。そりゃ~、いきなりだしさ……。ビックリはしたよ! もう、ほんっとうにビックリした! ほら、こんなにドキドキしてるもん……」
引かれるままに、アイナの胸に手を当てられた。ドクンドクンと、強い鼓動が伝わる。
「本当……?」
「うん。嫌だなんて、全然思わなかったよ。***の”好き”と同じかは、正直まだわからないけど……」
もう一度、手を包み込まれて。アイナは言った。
「でも、私だって***のこと大好きだもん! だから、いきなり離れたくないよ!」
今までに見たことがないくらい必死な表情で。
「これからも、今までと同じように一緒にいたい。それは、ダメなことなのかな……?」
その言葉に、心が震える。
「……っ! ダメじゃない……っ! いいの? アイナのこと、好きでいても……」
「ダメなワケ、無いじゃない」
彼女の腕の中に、ぎゅうと抱き締められる。今までと何ら変わらない、安心する体温で。優しい声色で告げられる。
「教えてくれてありがとう、***」
拒絶されなかった。私の気持ちを、受け止めてくれた。
それだけで、今は充分だった。
▲桃の花言葉…「私はあなたのとりこ」
