狐の嫁入り!
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「リンク、今日は学校どうだった?」
「……普通かな。」
夕食を家族で囲み、食事していると父さんが他愛ない話題を振ってきた。***ではなく、俺に。
「普通じゃわからないな。」
「だって、さあ話してみろって言われても何を話したらいいのかわからないよ。」
「まあ、それもそうだな。悪い悪い!」
笑って済ませてくれるけど、普通ならばこういう時にぱっと思い浮かぶものなのか。俺がおかしいのだろうか。不安感から隣に座っている***の足に自分の足をくっつけた。
「本当に普通だから何も言えないだけだよ。…あ、でも体育の授業でリンク褒められてたよ!」
「あら、何をしたの?」
「今日はテニスだったの。」
「………俺って記憶障害だったっけ。そんな覚え無いんだけど。」
「あー、違う違う。見てた人達がすごいって言ってたの。リンク強いんだもん。」
俺の代わりに話題を提供して話す間も、嫌がることも無く足を離さずにいてくれる***は、優しい。
「すごくねぇ。みんなが下手っていうか、やる気が無さ過ぎるんだよ。」
「褒められてるんだからいいじゃないか。人には向き不向きってものがあるんだし、出来ない人がいるのは仕方ないだろう?」
「それもあるとは思うけど、明らかにやる気が無い人多いんだよ。俺は普通にやってるだけ。」
「うーん、でもリンクは本当に上手いと思うよ、経験ある人並みだったもん。でも確かにやる気の無い人多いかもね…集合とか遅くて先生イライラしてたし。」
「……アイツら仲良い人同士だと動くけど、大人数になると途端にだらけるからさ…面倒くさいんだよな。校外学習で乗るバスの座席も決めらんねぇし。」
称賛されると何だか慣れなくて、坦々と進んでいた箸が思わず一瞬だけ空で迷った。嬉しかった筈なのに話題を嫌な方向に変えてしまう。
「そういうのは学級委員長がまとめるものじゃないのか?」
「押し付けられた。内申書上げる為にやってるような奴だし。」
「あー……あたしもあの人苦手だわ、むかつく…。」
「お前なぁ、そういう風に人の悪口をあまり言うもんじゃないぞ。」
「う……はぁい…。」
父さんに叱られた***は溜め息を吐いた。別に、誰だって苦手な人がいるんだから愚痴くらいなら良いと思うけど。そう思っていると次に叱られたのは父さんだった。
「貴方こそ人のことを箸で指すんじゃありませんっ!!」
「………はぁい…。」
母さんの剣幕に圧されて、ついさっきまでの***への威厳なんて失われたようにしょげる父さんを見て、思わず笑みが零れた。
やっぱり親子は似るものなんだな、と。
一家団欒
(ほんの少し感じた、どうしようも無い距離には目を瞑る。)(父さんのことも母さんのことも、ちゃんと好きだ。)
14.1.14
「……普通かな。」
夕食を家族で囲み、食事していると父さんが他愛ない話題を振ってきた。***ではなく、俺に。
「普通じゃわからないな。」
「だって、さあ話してみろって言われても何を話したらいいのかわからないよ。」
「まあ、それもそうだな。悪い悪い!」
笑って済ませてくれるけど、普通ならばこういう時にぱっと思い浮かぶものなのか。俺がおかしいのだろうか。不安感から隣に座っている***の足に自分の足をくっつけた。
「本当に普通だから何も言えないだけだよ。…あ、でも体育の授業でリンク褒められてたよ!」
「あら、何をしたの?」
「今日はテニスだったの。」
「………俺って記憶障害だったっけ。そんな覚え無いんだけど。」
「あー、違う違う。見てた人達がすごいって言ってたの。リンク強いんだもん。」
俺の代わりに話題を提供して話す間も、嫌がることも無く足を離さずにいてくれる***は、優しい。
「すごくねぇ。みんなが下手っていうか、やる気が無さ過ぎるんだよ。」
「褒められてるんだからいいじゃないか。人には向き不向きってものがあるんだし、出来ない人がいるのは仕方ないだろう?」
「それもあるとは思うけど、明らかにやる気が無い人多いんだよ。俺は普通にやってるだけ。」
「うーん、でもリンクは本当に上手いと思うよ、経験ある人並みだったもん。でも確かにやる気の無い人多いかもね…集合とか遅くて先生イライラしてたし。」
「……アイツら仲良い人同士だと動くけど、大人数になると途端にだらけるからさ…面倒くさいんだよな。校外学習で乗るバスの座席も決めらんねぇし。」
称賛されると何だか慣れなくて、坦々と進んでいた箸が思わず一瞬だけ空で迷った。嬉しかった筈なのに話題を嫌な方向に変えてしまう。
「そういうのは学級委員長がまとめるものじゃないのか?」
「押し付けられた。内申書上げる為にやってるような奴だし。」
「あー……あたしもあの人苦手だわ、むかつく…。」
「お前なぁ、そういう風に人の悪口をあまり言うもんじゃないぞ。」
「う……はぁい…。」
父さんに叱られた***は溜め息を吐いた。別に、誰だって苦手な人がいるんだから愚痴くらいなら良いと思うけど。そう思っていると次に叱られたのは父さんだった。
「貴方こそ人のことを箸で指すんじゃありませんっ!!」
「………はぁい…。」
母さんの剣幕に圧されて、ついさっきまでの***への威厳なんて失われたようにしょげる父さんを見て、思わず笑みが零れた。
やっぱり親子は似るものなんだな、と。
一家団欒
(ほんの少し感じた、どうしようも無い距離には目を瞑る。)(父さんのことも母さんのことも、ちゃんと好きだ。)
14.1.14