狐の嫁入り!
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「ただいまー」
「お帰り、二人共!」
帰宅して靴を脱いでいると、玄関まで出迎えてくれたお母さんが私とリンクの頬にキスを贈る。
「母さんただいま。」
まただ……と思っている私の横で、リンクは平然とお母さんの頬にキスを贈り返した。ううう、こっちの気も知らないで!
「もう、***ったらまた照れて…」
「照れてないよ!全っ然、照れてない!!」
「***はしてくれないの…?」
「しな、い…し……リンクからも私にしなくていいから!だぁぁもう、近いってば!」
顔を近付けて来るリンクの肩を押して遠ざける。何で皆して平気なの!?ずかずかと自室に向かう私に“やっぱり照れてるわね~”と言うお母さんは楽しそうだった。
お帰りのキスなんて、お帰りのキスなんて……!そもそも、誰がいつからやり始めたんだっけ?荷物を降ろして着替えながら考える。そうだ、内にリンクが養子に来てからだ。リンクがやり始めたんだ。世界にはそういった習慣が存在することは知っていたし、お父さんもお母さんも“きっとそれがリンクの家庭の習慣なんだ、リンクが私達に合わせるだけじゃなくて、私達もリンクに合わせてあげよう。”って言うから………。だから私だって幼い頃はしていたし。寧ろそれに何も疑問を感じなかったせいで、小学生の頃にクラスメートにからかわれて散々恥ずかしい思いを…
「***、ご飯出来たから着替え終わったらすぐ来てって…」
「わぁぁぁちょっと!勝手に開けないでよ、まだ着替え終わってない!!」
「ごめん…。」
当の本人が勝手に部屋へ侵入しようとしたものだから、思わず大きな音を立ててドアを締めた。ほんの少しだけ見えた、申し訳なさそうな表情に良心が痛む。そうだ、リンクは伝言を伝えに来てくれただけなのに。それにリンクがお帰りのキスを始めたことで、お父さんもお母さんも一層仲が良くなったのだから、決して悪いことではない。まあ仲が良いのはもとからだけど。
「だからリンクもあんなに構って来るのかなぁ……。」
お気に入りのぬいぐるみを抱き締めて、ベッドに沈みながら小さく呟いた。親が子供に与える影響は強いって聞くし、それを見て育ったリンクがくっ付いて来るようになったというのにも納得出来る。今日だって、教室で私のこと抱っこしようとしたし!いくら何でも無理だってば皆いるのに!!
はぁ、と大きく溜め息を吐いたところでふと気が付く。さっきのようについつい声を張り上げてしまっても、お母さんもリンクも私に対して不機嫌な顔や怒ったりなどは決してしない。お父さんは“品が無いから控えなさい。”と言うけれど、やっぱり怒らないのだ。それどころか、皆いつもいつも私に優しく、愛情を真っ直ぐ与えてくれる。
「…うん。私も、もっと優しく接さないと駄目だよね……。」
ぬいぐるみを撫でて自分に言い聞かせる。リンクは言ってくれないけれど今日は何かあったみたいだし、慰めてあげなくちゃ。
ちょっとだけ大変そうだな…なんて苦笑しながら起き上がり、部屋を出た途端に何かに包み込まれた。ん?
「捕まえた。」
ちゅっ、という音と同時に柔らかい何かが頬へと押し付けられる。
「ひぎゃぁっ!!」
「お帰り***ー…。」
ああ、やられた。どうやらきちんと私にもしないと不満らしい。すりすりと頬を寄せるリンクの顔は、満足げにデレデレと緩んでいた。
帰宅後だって油断出来ません。
(「***まだなのー!?」)(「ぃ、い、今行くよー!!」)
13.12.29
「お帰り、二人共!」
帰宅して靴を脱いでいると、玄関まで出迎えてくれたお母さんが私とリンクの頬にキスを贈る。
「母さんただいま。」
まただ……と思っている私の横で、リンクは平然とお母さんの頬にキスを贈り返した。ううう、こっちの気も知らないで!
「もう、***ったらまた照れて…」
「照れてないよ!全っ然、照れてない!!」
「***はしてくれないの…?」
「しな、い…し……リンクからも私にしなくていいから!だぁぁもう、近いってば!」
顔を近付けて来るリンクの肩を押して遠ざける。何で皆して平気なの!?ずかずかと自室に向かう私に“やっぱり照れてるわね~”と言うお母さんは楽しそうだった。
お帰りのキスなんて、お帰りのキスなんて……!そもそも、誰がいつからやり始めたんだっけ?荷物を降ろして着替えながら考える。そうだ、内にリンクが養子に来てからだ。リンクがやり始めたんだ。世界にはそういった習慣が存在することは知っていたし、お父さんもお母さんも“きっとそれがリンクの家庭の習慣なんだ、リンクが私達に合わせるだけじゃなくて、私達もリンクに合わせてあげよう。”って言うから………。だから私だって幼い頃はしていたし。寧ろそれに何も疑問を感じなかったせいで、小学生の頃にクラスメートにからかわれて散々恥ずかしい思いを…
「***、ご飯出来たから着替え終わったらすぐ来てって…」
「わぁぁぁちょっと!勝手に開けないでよ、まだ着替え終わってない!!」
「ごめん…。」
当の本人が勝手に部屋へ侵入しようとしたものだから、思わず大きな音を立ててドアを締めた。ほんの少しだけ見えた、申し訳なさそうな表情に良心が痛む。そうだ、リンクは伝言を伝えに来てくれただけなのに。それにリンクがお帰りのキスを始めたことで、お父さんもお母さんも一層仲が良くなったのだから、決して悪いことではない。まあ仲が良いのはもとからだけど。
「だからリンクもあんなに構って来るのかなぁ……。」
お気に入りのぬいぐるみを抱き締めて、ベッドに沈みながら小さく呟いた。親が子供に与える影響は強いって聞くし、それを見て育ったリンクがくっ付いて来るようになったというのにも納得出来る。今日だって、教室で私のこと抱っこしようとしたし!いくら何でも無理だってば皆いるのに!!
はぁ、と大きく溜め息を吐いたところでふと気が付く。さっきのようについつい声を張り上げてしまっても、お母さんもリンクも私に対して不機嫌な顔や怒ったりなどは決してしない。お父さんは“品が無いから控えなさい。”と言うけれど、やっぱり怒らないのだ。それどころか、皆いつもいつも私に優しく、愛情を真っ直ぐ与えてくれる。
「…うん。私も、もっと優しく接さないと駄目だよね……。」
ぬいぐるみを撫でて自分に言い聞かせる。リンクは言ってくれないけれど今日は何かあったみたいだし、慰めてあげなくちゃ。
ちょっとだけ大変そうだな…なんて苦笑しながら起き上がり、部屋を出た途端に何かに包み込まれた。ん?
「捕まえた。」
ちゅっ、という音と同時に柔らかい何かが頬へと押し付けられる。
「ひぎゃぁっ!!」
「お帰り***ー…。」
ああ、やられた。どうやらきちんと私にもしないと不満らしい。すりすりと頬を寄せるリンクの顔は、満足げにデレデレと緩んでいた。
帰宅後だって油断出来ません。
(「***まだなのー!?」)(「ぃ、い、今行くよー!!」)
13.12.29