狐の嫁入り!
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クラスマッチの後、打ち上げにクラスでお好み焼きを食べに行った。自然と男女でグループが別れてそれぞれの席で食べてる間、ふと***が女友達とお好み焼きを焼いてもらったり笑いながら食べているのが目に入った。
家に帰ってからもやけにその様子が頭から離れない。やっぱり、俺といるよりも沢山の友達といる方が***にとっては幸せな筈なんだ。そう考え始めたらどうにも***と接するのを躊躇して、なかなか話せなくて。ソファーで隣に座ってるのも気まずく感じたもんだから何か話そうと思った時、映画の宣伝がテレビに流れて割とあっさり声が出た。
「このコマーシャル見るたび映画観に行きてーなーって思う。」
「え?」
***がびっくりした様子で俺を見た。なんか変なこと言ったか俺。いや全然普通だよな?ん?でも待てよ映画って高校生は観に行かねーの?DVD出たら家で観る感じ?***以外とあんま話さないから高校生の普通がわかんねぇぞヤバイ。と内心焦っていたら、***は嬉しそうな声で俺を誘った。
「じゃあ、明後日一緒に観に行こうよ!」
もし俺に犬の尻尾が生えていたら、ぱたぱたと振りまくってたと思う。
当日俺を起こしに来た***に甘えたくなって、ベッドに寝転がったまま***の腕を引いて上半身を抱き寄せたら心配された。
「…もしかして、体調悪い……?行くのやめる…?」
「んーん。なんとなく、こうしたかった……。」
心配してくれる***が愛おしくて、ああこの瞬間生きてるって感じがして幸せに浸っていたら***の発言に俺は固まった。
「もう、早く準備しないと遅れちゃうよ。ムツミも待ってるんだから。」
「…………は?」
ムツミって、アイツだよな。***の幼馴染の。
「何でアイツも?」
「え?リンクに言ってなかったっけ……?ムツミもあの映画観に行きたい!って前から言ってて、元々今日一緒に行く約束だったんだよ。ふふ、以外と2人の好みって同じなこと多いよね。
あ、ムツミにはリンクも一緒ってことはもう伝えてあるから!それと、映画観た後はムツミのお家で期末試験の勉強するから、リンクも必要な物は持って来てね?」
唖然とした俺に気付くこともなく笑顔で話し終えると、部屋から出て行った***。ああ、この感じあれだ。母さんに似てるわ。ちょっとマイペースなところ。
「……マジかよ。」
2人きりだと思ってた俺の幸せは束の間だった。
「ヤッホー!いや~~3人で出かけるの久しぶりだね!!リンク元気~?」
「…………ウフフ、オッケェ~」
「え、どうしたのキモい」
「殺すぞ」
「はぁ?……まーいいや。***の今日の服、新しく買ったやつ?今まで着てるとこ見たこと無かったけど。」
「そう!……実はリンクが選んだんだよ、この服。」
すぐに変化に気付くコイツが、如何に普段***と一緒にいるのかを痛感したものの、***が着ているのが俺の選んだ新しい夏服だという事実に俺は1人で勝ったつもりになった。
「ほげ~、リンクって意外とセンスあるんだ!ファッション系とか目指すのはどう?あんた顔“だけ”は良いし案外上手くいくかもよ。」
「別に(***が着るの以外は)興味ある訳じゃねぇし……。だけって何だよ俺は結構モテるんだぞコラァ」
「も~、二人共いっつもそういう会話ばっかり!」
真ん中で***が楽しそうに笑ってるのを見て、心底安心する。コイツとこんな会話しか出来なくても、***は嬉しそうで。こういう顔が見られるんなら、人付き合いも悪くねぇなって思った。
「はぁ~~~終盤のシーン最高だったわ~何なのあの格好良さ、ヤバすぎでしょ!」
「お前の語彙の少なさはわかった。」
「私、こういうジャンルをちゃんと観るのは初めてだったけど面白いね。他にも似たようなのあるかな~。」
「あの監督さんの作品ってなると、あと2か3年くらいかかるかな。」
「ん~、じゃあ今度3人で出かける時は、カラオケにでも行こっか!」
ムツミの家に向かう途中の***の発言に、俺とムツミの足が同時に止まった。
「……え?どうしたの2人共。」
「えぇ~~~っとぉ……いや、ほら、今からは試験勉強だからさ!」
「あれ?私、今から行こうって言った?」
「いいい言ってなかったねごめんごめん!いや~最近聞き間違い多くてさ~早くもこの歳で難聴かなぁ!?」
「難聴は認知症の初期症状の一つって聞くから、お前は早めに脳検査行った方がいいぞ!」
誤魔化すの下手過ぎかよ!そういえばコイツ嘘つくのも下手だったな……。適当に話を流して歩き始めると***は不思議そうに首を傾げていた。
家に着いた時にある人の存在を思い出した。と言うか玄関に入って早々目の前に立ってる、ムツミの兄貴だ。
「あ!お兄さん、お久しぶりです。」
「久しぶりだなー***ちゃん。しばらく見ないうちに雰囲気変わった?」
「そうですか?自分では特に変わった気はしないですけど……。」
「うん、ますます可愛くなったね~!お姫さまみたいだ!」
「え、えぇ?」
「ごめん***……留学から帰って来たばっかりで、兄ちゃん向こうの空気から抜けきれてないんだよ…。」
動揺する***にムツミが頭を抱えながら謝る。まさかこのノリ……。
「あ……イタリアでしたっけ?留学先。」
「そうそう!いや~~向こうは日本みたいにせかせかしてなくて良いんだけどさ~女性の性格が強くて。喧嘩すると頭の回転が早ぇーの!やっぱり俺は日本人の子の方が合うかもーって思ったよね。」
「そ、そうなんですね……。」
全く躊躇せずに***の手にキスを贈るムツミの兄貴、どうにも腹が立つ。***も***だ、何あっさり受け入れてんだよ苦笑してねぇで手を引けばいいだろ。
「あ、そうだ。***ちゃんにお土産。」
そう言ってムツミの兄貴は懐から取り出した髪飾りを***の頭に留めて微笑んだ。
「うん、やっぱり似合うねぇ、***ちゃん可愛いから何でも着こなせちゃうね。可愛く産んでくれたお母さんに感謝だ。」
「え!いいんですか、いただいちゃって……。」
「いいのいいの!それ色違いのセットで売ってたんだけど、ムツミは日によって使う色分けたりとかしないからさ。だからムツミとお揃い。」
「髪の毛落ちてこなくて助かるから部活の時もよく使うんだーコレ。***も良かったら使いなよ!」
「わぁ、ありがとうございます!!」
ムツミの兄貴から貰った髪留めを着けたまま、顔を綻ばせてお礼を言う***。正直俺が選んだコーディネートに他人の物を混ぜられるのは癪に障ったが、実際似合ってるし***が喜んでるなら……と思って我慢することにした。
玄関からムツミの部屋に行こうとすれ違った時の、ムツミの兄貴の顔がニヤニヤしてるのがやけに不愉快だった。
思うようにはいかない
(それが現実だって頭ではわかってるつもりなんだけどなぁ)(なんか胸苦しい)
***
おデート(仮)です。やっぱり2人でいたいリンクさん。イタリアの空気的なものは完全にちょっと調べただけの独断と偏見です、違ってたらすみません。
少々長くなってしまいました。
16.05.14
家に帰ってからもやけにその様子が頭から離れない。やっぱり、俺といるよりも沢山の友達といる方が***にとっては幸せな筈なんだ。そう考え始めたらどうにも***と接するのを躊躇して、なかなか話せなくて。ソファーで隣に座ってるのも気まずく感じたもんだから何か話そうと思った時、映画の宣伝がテレビに流れて割とあっさり声が出た。
「このコマーシャル見るたび映画観に行きてーなーって思う。」
「え?」
***がびっくりした様子で俺を見た。なんか変なこと言ったか俺。いや全然普通だよな?ん?でも待てよ映画って高校生は観に行かねーの?DVD出たら家で観る感じ?***以外とあんま話さないから高校生の普通がわかんねぇぞヤバイ。と内心焦っていたら、***は嬉しそうな声で俺を誘った。
「じゃあ、明後日一緒に観に行こうよ!」
もし俺に犬の尻尾が生えていたら、ぱたぱたと振りまくってたと思う。
当日俺を起こしに来た***に甘えたくなって、ベッドに寝転がったまま***の腕を引いて上半身を抱き寄せたら心配された。
「…もしかして、体調悪い……?行くのやめる…?」
「んーん。なんとなく、こうしたかった……。」
心配してくれる***が愛おしくて、ああこの瞬間生きてるって感じがして幸せに浸っていたら***の発言に俺は固まった。
「もう、早く準備しないと遅れちゃうよ。ムツミも待ってるんだから。」
「…………は?」
ムツミって、アイツだよな。***の幼馴染の。
「何でアイツも?」
「え?リンクに言ってなかったっけ……?ムツミもあの映画観に行きたい!って前から言ってて、元々今日一緒に行く約束だったんだよ。ふふ、以外と2人の好みって同じなこと多いよね。
あ、ムツミにはリンクも一緒ってことはもう伝えてあるから!それと、映画観た後はムツミのお家で期末試験の勉強するから、リンクも必要な物は持って来てね?」
唖然とした俺に気付くこともなく笑顔で話し終えると、部屋から出て行った***。ああ、この感じあれだ。母さんに似てるわ。ちょっとマイペースなところ。
「……マジかよ。」
2人きりだと思ってた俺の幸せは束の間だった。
「ヤッホー!いや~~3人で出かけるの久しぶりだね!!リンク元気~?」
「…………ウフフ、オッケェ~」
「え、どうしたのキモい」
「殺すぞ」
「はぁ?……まーいいや。***の今日の服、新しく買ったやつ?今まで着てるとこ見たこと無かったけど。」
「そう!……実はリンクが選んだんだよ、この服。」
すぐに変化に気付くコイツが、如何に普段***と一緒にいるのかを痛感したものの、***が着ているのが俺の選んだ新しい夏服だという事実に俺は1人で勝ったつもりになった。
「ほげ~、リンクって意外とセンスあるんだ!ファッション系とか目指すのはどう?あんた顔“だけ”は良いし案外上手くいくかもよ。」
「別に(***が着るの以外は)興味ある訳じゃねぇし……。だけって何だよ俺は結構モテるんだぞコラァ」
「も~、二人共いっつもそういう会話ばっかり!」
真ん中で***が楽しそうに笑ってるのを見て、心底安心する。コイツとこんな会話しか出来なくても、***は嬉しそうで。こういう顔が見られるんなら、人付き合いも悪くねぇなって思った。
「はぁ~~~終盤のシーン最高だったわ~何なのあの格好良さ、ヤバすぎでしょ!」
「お前の語彙の少なさはわかった。」
「私、こういうジャンルをちゃんと観るのは初めてだったけど面白いね。他にも似たようなのあるかな~。」
「あの監督さんの作品ってなると、あと2か3年くらいかかるかな。」
「ん~、じゃあ今度3人で出かける時は、カラオケにでも行こっか!」
ムツミの家に向かう途中の***の発言に、俺とムツミの足が同時に止まった。
「……え?どうしたの2人共。」
「えぇ~~~っとぉ……いや、ほら、今からは試験勉強だからさ!」
「あれ?私、今から行こうって言った?」
「いいい言ってなかったねごめんごめん!いや~最近聞き間違い多くてさ~早くもこの歳で難聴かなぁ!?」
「難聴は認知症の初期症状の一つって聞くから、お前は早めに脳検査行った方がいいぞ!」
誤魔化すの下手過ぎかよ!そういえばコイツ嘘つくのも下手だったな……。適当に話を流して歩き始めると***は不思議そうに首を傾げていた。
家に着いた時にある人の存在を思い出した。と言うか玄関に入って早々目の前に立ってる、ムツミの兄貴だ。
「あ!お兄さん、お久しぶりです。」
「久しぶりだなー***ちゃん。しばらく見ないうちに雰囲気変わった?」
「そうですか?自分では特に変わった気はしないですけど……。」
「うん、ますます可愛くなったね~!お姫さまみたいだ!」
「え、えぇ?」
「ごめん***……留学から帰って来たばっかりで、兄ちゃん向こうの空気から抜けきれてないんだよ…。」
動揺する***にムツミが頭を抱えながら謝る。まさかこのノリ……。
「あ……イタリアでしたっけ?留学先。」
「そうそう!いや~~向こうは日本みたいにせかせかしてなくて良いんだけどさ~女性の性格が強くて。喧嘩すると頭の回転が早ぇーの!やっぱり俺は日本人の子の方が合うかもーって思ったよね。」
「そ、そうなんですね……。」
全く躊躇せずに***の手にキスを贈るムツミの兄貴、どうにも腹が立つ。***も***だ、何あっさり受け入れてんだよ苦笑してねぇで手を引けばいいだろ。
「あ、そうだ。***ちゃんにお土産。」
そう言ってムツミの兄貴は懐から取り出した髪飾りを***の頭に留めて微笑んだ。
「うん、やっぱり似合うねぇ、***ちゃん可愛いから何でも着こなせちゃうね。可愛く産んでくれたお母さんに感謝だ。」
「え!いいんですか、いただいちゃって……。」
「いいのいいの!それ色違いのセットで売ってたんだけど、ムツミは日によって使う色分けたりとかしないからさ。だからムツミとお揃い。」
「髪の毛落ちてこなくて助かるから部活の時もよく使うんだーコレ。***も良かったら使いなよ!」
「わぁ、ありがとうございます!!」
ムツミの兄貴から貰った髪留めを着けたまま、顔を綻ばせてお礼を言う***。正直俺が選んだコーディネートに他人の物を混ぜられるのは癪に障ったが、実際似合ってるし***が喜んでるなら……と思って我慢することにした。
玄関からムツミの部屋に行こうとすれ違った時の、ムツミの兄貴の顔がニヤニヤしてるのがやけに不愉快だった。
思うようにはいかない
(それが現実だって頭ではわかってるつもりなんだけどなぁ)(なんか胸苦しい)
***
おデート(仮)です。やっぱり2人でいたいリンクさん。イタリアの空気的なものは完全にちょっと調べただけの独断と偏見です、違ってたらすみません。
少々長くなってしまいました。
16.05.14