狐の嫁入り!
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「何でベランダな訳?めっちゃ花びら落ちてくんじゃん…。」
「折角こんなに天気良くて桜綺麗なのに、中で食べるなんて勿体無いでしょうが!ほらほら、早く座って座って~お待ちかねのランチターイム!」
「でも夕方にはちょっと雨降るらしいよ。」
「春雨かぁ、それも風情があって良いねぇ…。」
ムツミが催促させると、気の進まない様子のリンクは私達の間に座った。お弁当を渡すと素直に受け取ってくれて、まずは一安心。リンクの隣でパンを頬張って、もごもごと口を動かしていたムツミは、突然取り出したティッシュに口の中のそれを戻した。
「うわきったな、何してんだよやめろよ、」
「ちがっ、花びら入った!!」
「早速!?」
「だからって戻すなよ…引くわ………。」
「食えって言うのかアンタは。も~……***の卵焼き一個頂戴?口直し口直し…。」
「はいはい、良いよ。」
お昼ご飯がパンのムツミは当然お箸を持っていない為、私が卵焼きを口に運ぼうとした。が、私達の間にいるリンクに食べられてしまった。
「ちょっと!」
「あぁぁぁリンクの馬鹿!アホ!!何さ***のあ~んだからって、普段お弁当食べもしない癖に!食わざる者食うべからず!!!!!」
「それってすごく遠回しに死ねって言ってない!?こわっ…。」
何故か私を睨み付けてくるリンクに思わず本音が出てしまった。あのねリンク、元々目つき悪い方なんだからあんまり睨まない方が良いよ。という心の声が伝わったのか伝わってないのか、視線を外し黙々と食事に戻った。
「ムツミー!呼ばれてるよ!!」
「うん?わかったー」
お弁当を食べ終えてぼんやりと桜を眺めていたら、窓から顔を覗かせたクラスメイトに呼ばれてムツミが廊下へ向かった。
「あ。」
偶然視界に入ったリンクのお弁当の中身が、無くなっていた。“全部食べたんだ!!”と歓喜の声を上げようとした途端に、口元をごしごしと拭われた。
「汚れてる。」
「あ、ありがとう。全部食べられたんだねー、お母さん喜ぶよ~!」
「……半分近くはアイツが食べたけどな。」
「え?…どうやって?」
ムツミの今日の昼食はパンだから箸を持っている筈が無いし、リンクが箸を貸す様子は無かったのに。そう考えていると、私の髪の毛に落ちたらしい花びらが摘まれた。
「いつもマイ箸持って来てるじゃん。」
唇に花びらをあてがい、笛の様に音を鳴らすリンクの横で私は今までのムツミの様子を思い出していた。“一口貰っていい?”と友達のお弁当をもらう時。手を汚したくないと言いながらスナック菓子を食べる時。
「ほ、本当だ………確かにいつも持ってた…。」
「食い意地張り過ぎだよな。」
花びらから唇を離してそう言ったリンクの頬がつり上がったのを見て、私も嬉しくなった。
他の子とも、こういう風に仲良く出来たらいいのにな。
密かな夢が出来ました。
(こんなに優しく笑えるんだから。)(いつか沢山の子と一緒に、ね。)
14.5.17
「折角こんなに天気良くて桜綺麗なのに、中で食べるなんて勿体無いでしょうが!ほらほら、早く座って座って~お待ちかねのランチターイム!」
「でも夕方にはちょっと雨降るらしいよ。」
「春雨かぁ、それも風情があって良いねぇ…。」
ムツミが催促させると、気の進まない様子のリンクは私達の間に座った。お弁当を渡すと素直に受け取ってくれて、まずは一安心。リンクの隣でパンを頬張って、もごもごと口を動かしていたムツミは、突然取り出したティッシュに口の中のそれを戻した。
「うわきったな、何してんだよやめろよ、」
「ちがっ、花びら入った!!」
「早速!?」
「だからって戻すなよ…引くわ………。」
「食えって言うのかアンタは。も~……***の卵焼き一個頂戴?口直し口直し…。」
「はいはい、良いよ。」
お昼ご飯がパンのムツミは当然お箸を持っていない為、私が卵焼きを口に運ぼうとした。が、私達の間にいるリンクに食べられてしまった。
「ちょっと!」
「あぁぁぁリンクの馬鹿!アホ!!何さ***のあ~んだからって、普段お弁当食べもしない癖に!食わざる者食うべからず!!!!!」
「それってすごく遠回しに死ねって言ってない!?こわっ…。」
何故か私を睨み付けてくるリンクに思わず本音が出てしまった。あのねリンク、元々目つき悪い方なんだからあんまり睨まない方が良いよ。という心の声が伝わったのか伝わってないのか、視線を外し黙々と食事に戻った。
「ムツミー!呼ばれてるよ!!」
「うん?わかったー」
お弁当を食べ終えてぼんやりと桜を眺めていたら、窓から顔を覗かせたクラスメイトに呼ばれてムツミが廊下へ向かった。
「あ。」
偶然視界に入ったリンクのお弁当の中身が、無くなっていた。“全部食べたんだ!!”と歓喜の声を上げようとした途端に、口元をごしごしと拭われた。
「汚れてる。」
「あ、ありがとう。全部食べられたんだねー、お母さん喜ぶよ~!」
「……半分近くはアイツが食べたけどな。」
「え?…どうやって?」
ムツミの今日の昼食はパンだから箸を持っている筈が無いし、リンクが箸を貸す様子は無かったのに。そう考えていると、私の髪の毛に落ちたらしい花びらが摘まれた。
「いつもマイ箸持って来てるじゃん。」
唇に花びらをあてがい、笛の様に音を鳴らすリンクの横で私は今までのムツミの様子を思い出していた。“一口貰っていい?”と友達のお弁当をもらう時。手を汚したくないと言いながらスナック菓子を食べる時。
「ほ、本当だ………確かにいつも持ってた…。」
「食い意地張り過ぎだよな。」
花びらから唇を離してそう言ったリンクの頬がつり上がったのを見て、私も嬉しくなった。
他の子とも、こういう風に仲良く出来たらいいのにな。
密かな夢が出来ました。
(こんなに優しく笑えるんだから。)(いつか沢山の子と一緒に、ね。)
14.5.17