狐の嫁入り!
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「おはよー。」
「おぉ***、おはよー!!んん?今日はリンク一緒じゃないんだ、休み?」
「今日の部活は早かったから先に来ただけだよ、いつも通りの時間に出てたらそろそろ着くだろうけど…ねぇ、ムツミってリンクとの仲悪くなかったっけ?大丈夫?」
毎朝机に荷物を置きながら幼なじみと話すのはもう日常茶飯事だった。だけどリンクのことを私から話題に挙げるのは久し振りで。
「ん~、あたしは別に?まぁリンクがどう思ってるかは知らないけど、あんたらとは付き合い長いし。」
「ちょっと頼みたいことがあるんだけど良いかな………?」
「ほいほい、まっかせなさーい!!」
ふふん、と自信満々に両手を腰にあてがうムツミはどこかふざけているようだけど何だかんだでいつも頼りにしている。私が早速【リンクがいつもお弁当を食べない問題】を彼女に話すと、彼女は怒りを露わにした。
「はぁ!?***のお母様の弁当を!?いつも!食べてない!?はぁぁぁ!!??」
「そこまで怒る!?」
「だって***のお母様って料理上手いのに!これからリンクの分の弁当あたしが食べるから、配達頼むわー。」
「私が頼みたいのは残飯処理じゃなくて、一緒にリンクとお昼食べてほしいってこと!今日はリンクの分も持って来たから、本人に食べさせたいの。」
「何だ………あたしが食べる訳じゃないのか…くそぅ…。わかったわかった、つか食べなくてよく平気だねアイツ。」
「何か無理に食べると吐くんだってさ……いっぱい食べてる訳じゃないのに。精神的な問題…?」
「げーっ!あたし単純な性格で良かったわ~……あ、噂をすれば何とやら。リンク来たよ。」
ムツミの言った通り、リンクが教室に入って来た。あ、何か一カ所だけすごく寝癖跳ねてる、ちょっとだけ可愛いかもと思ったけど流石にあれは……………何で直さなかったんだろう…。不機嫌そうな表情から朝ご飯ちゃんと食べたのかなぁなんて考えながら、自分の鞄からヘアピンを探していると同じ疑問を抱いていたらしい、ムツミが片手をマイクに見立ててハイテンションでリンクに問いかけた。
「おっはよ~リンク!!!朝ご飯は何を食べたのかなぁぁぁ?」
「…はよ。つか何、うっざっ、コーヒーですけど。」
「あっ、駄目だこれ食べてすらいない!」
期待を見事にぶち壊した上に、罵詈を浴びせたリンクに臆さないムツミの性格に心底驚かされる。あの性格じゃなかったら、ここまで一緒にやってこられなかっただろう。
ヘアピンを持って近付くと、厳しいリンクの表情が緩んだ。
「***、」
「あんまり酷いこと言わないの。また朝ご飯コーヒーだけ?パンくらい食べなよ……それに何この寝癖ー、ちゃんと確認した?」
「鏡見たくない…。」
「もう。今日はヘアピン貸してあげるけど、これからは自分で気を付けてよね。」
リンクの頭に手を伸ばし、髪の毛を押さえる。リンクは男子にしてはやや小さめだけど、それでも女子の私よりも背が高いことは変わりない。慣れない高さに苦労しながら、何とかヘアピンを固定させた。
「よ…っし、おっけー!」
「ありがと…。っ!!」
離れようとした瞬間に、コンッという高い音を鳴らしてリンクの頭に何かがぶつけられた。ムツミが下敷きを垂直に立ててリンクにぶつけたのだ。
「いたい、」
「えぇ!何してるの!?うわ、すっごい痛そう……。あれ?」
「リンク!いい加減人前でくっ付こうとするのやめなってば!!」
後ろに下がろうとしたら、いつの間にかリンクの手が腰に回されていた。ムツミが怒ったのはこれのせいだったらしい。舌打ちしたリンクが渋々と戻す手は、さり気なく…そうさり気なく私の腰を撫でて離れていった。それに苦笑している私でさえも、見詰めてくるリンクの目は熱を含んでいるように見えた…気がする。
“─花びら舞う桜の木の下で首つり自殺かぁ……悪く、ないなぁ”
「っ、ほらほらふざけてないでちゃんと荷物片付ける!そろそろ先生来るよ~!」
「うん…。」
リンクから離れて自分の席に座ると、強風で舞ってきた桜の花びらが机上に落ちた。何故だか怖いと感じ、目頭を押さえた。
このままでいたいだけなんです。
(自分の気持ちばかり見ていたから気付かなかった。)(そんな私を見詰めている、リンクの視線にさえ。)
***
固定キャラとしてムツミちゃんが生まれました。3話目で一緒にお昼を食べていたのも実は彼女です。当初は名前付きのオリジナルキャラクターは出さないつもりでしたが、これからの展開に必要不可欠と判断し名前を固定することに。注意事項のページの設定欄にも追加しました。
14.3.31
「おぉ***、おはよー!!んん?今日はリンク一緒じゃないんだ、休み?」
「今日の部活は早かったから先に来ただけだよ、いつも通りの時間に出てたらそろそろ着くだろうけど…ねぇ、ムツミってリンクとの仲悪くなかったっけ?大丈夫?」
毎朝机に荷物を置きながら幼なじみと話すのはもう日常茶飯事だった。だけどリンクのことを私から話題に挙げるのは久し振りで。
「ん~、あたしは別に?まぁリンクがどう思ってるかは知らないけど、あんたらとは付き合い長いし。」
「ちょっと頼みたいことがあるんだけど良いかな………?」
「ほいほい、まっかせなさーい!!」
ふふん、と自信満々に両手を腰にあてがうムツミはどこかふざけているようだけど何だかんだでいつも頼りにしている。私が早速【リンクがいつもお弁当を食べない問題】を彼女に話すと、彼女は怒りを露わにした。
「はぁ!?***のお母様の弁当を!?いつも!食べてない!?はぁぁぁ!!??」
「そこまで怒る!?」
「だって***のお母様って料理上手いのに!これからリンクの分の弁当あたしが食べるから、配達頼むわー。」
「私が頼みたいのは残飯処理じゃなくて、一緒にリンクとお昼食べてほしいってこと!今日はリンクの分も持って来たから、本人に食べさせたいの。」
「何だ………あたしが食べる訳じゃないのか…くそぅ…。わかったわかった、つか食べなくてよく平気だねアイツ。」
「何か無理に食べると吐くんだってさ……いっぱい食べてる訳じゃないのに。精神的な問題…?」
「げーっ!あたし単純な性格で良かったわ~……あ、噂をすれば何とやら。リンク来たよ。」
ムツミの言った通り、リンクが教室に入って来た。あ、何か一カ所だけすごく寝癖跳ねてる、ちょっとだけ可愛いかもと思ったけど流石にあれは……………何で直さなかったんだろう…。不機嫌そうな表情から朝ご飯ちゃんと食べたのかなぁなんて考えながら、自分の鞄からヘアピンを探していると同じ疑問を抱いていたらしい、ムツミが片手をマイクに見立ててハイテンションでリンクに問いかけた。
「おっはよ~リンク!!!朝ご飯は何を食べたのかなぁぁぁ?」
「…はよ。つか何、うっざっ、コーヒーですけど。」
「あっ、駄目だこれ食べてすらいない!」
期待を見事にぶち壊した上に、罵詈を浴びせたリンクに臆さないムツミの性格に心底驚かされる。あの性格じゃなかったら、ここまで一緒にやってこられなかっただろう。
ヘアピンを持って近付くと、厳しいリンクの表情が緩んだ。
「***、」
「あんまり酷いこと言わないの。また朝ご飯コーヒーだけ?パンくらい食べなよ……それに何この寝癖ー、ちゃんと確認した?」
「鏡見たくない…。」
「もう。今日はヘアピン貸してあげるけど、これからは自分で気を付けてよね。」
リンクの頭に手を伸ばし、髪の毛を押さえる。リンクは男子にしてはやや小さめだけど、それでも女子の私よりも背が高いことは変わりない。慣れない高さに苦労しながら、何とかヘアピンを固定させた。
「よ…っし、おっけー!」
「ありがと…。っ!!」
離れようとした瞬間に、コンッという高い音を鳴らしてリンクの頭に何かがぶつけられた。ムツミが下敷きを垂直に立ててリンクにぶつけたのだ。
「いたい、」
「えぇ!何してるの!?うわ、すっごい痛そう……。あれ?」
「リンク!いい加減人前でくっ付こうとするのやめなってば!!」
後ろに下がろうとしたら、いつの間にかリンクの手が腰に回されていた。ムツミが怒ったのはこれのせいだったらしい。舌打ちしたリンクが渋々と戻す手は、さり気なく…そうさり気なく私の腰を撫でて離れていった。それに苦笑している私でさえも、見詰めてくるリンクの目は熱を含んでいるように見えた…気がする。
“─花びら舞う桜の木の下で首つり自殺かぁ……悪く、ないなぁ”
「っ、ほらほらふざけてないでちゃんと荷物片付ける!そろそろ先生来るよ~!」
「うん…。」
リンクから離れて自分の席に座ると、強風で舞ってきた桜の花びらが机上に落ちた。何故だか怖いと感じ、目頭を押さえた。
このままでいたいだけなんです。
(自分の気持ちばかり見ていたから気付かなかった。)(そんな私を見詰めている、リンクの視線にさえ。)
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固定キャラとしてムツミちゃんが生まれました。3話目で一緒にお昼を食べていたのも実は彼女です。当初は名前付きのオリジナルキャラクターは出さないつもりでしたが、これからの展開に必要不可欠と判断し名前を固定することに。注意事項のページの設定欄にも追加しました。
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