第32話
マメパトたちが青空を飛び回るホドモエシティ。その中のポケモンセンターの敷地内で、ホドモエジムへ挑戦するサトシは、ジム戦の調整に勤しんでいた。
ポケモンたちのやる気も十分で、技のキレも見事なものだ。この調子だと良い戦積を収められるだろう。
ポケモンたちのやる気が迸る中、聞き馴染みのある声がデントの耳へ届く。その声の主は、デントの兄弟のひとりで、サンヨウジムリーダーの一人でもある人物———ポッド———だった。
まさかの兄弟の登場に、デントは驚きを隠せない。ポッドはチョロネコのような、悪戯が成功したような子どものような笑みを浮かべている。
「デント、見つけたぞ!」
「ポッド⁉ 一体どうしたんだい?」
「俺もデントみたいに、修業の旅に出たのさ」
サンヨウジムは炎ポケモンのバオップを使うポッド、水タイプのヒヤップを使うコーン。そして草タイプのヤナップを使うデントの三兄弟がチャレンジャーから指名してバトルを行うジムのはず。
しかしポッドまでジムを出たとなれば、コーンが一人でジムを運営しなければいけない。
素直にアイリスが疑問を投げ掛けるも、返ってきたのはぶっきらぼうな返事。ジムについてはあまり触れられたくないのか、ポッドは話題を変えるように、今ここには居ない少女の所在を訊ねた。
「ポッドまで旅に出ちゃって大丈夫なの……?」
「……ジムのことならコーンがどうにかしてるさ! それにお前らもサニワと一緒じゃないのかよ」
「サニワは、今はダイゴさんと一緒にいるんだ」
「元の世界に帰る手だてが見つかるかもしれないって言われちゃったらね」
「それでも結構悩んでくれていたけれどね。しばらくダイゴさんは商談でホドモエシティに滞在するらしいから、サニワもホドモエにいるんじゃないかな」
「……そうかよ」
ポッドはデントのエメラルドの瞳を見詰め直すと、デントへポケモンバトルを仕掛けてきた。
挑発的な物言いだと理解していても、デントは勝負を受ける。審判はサトシが買って出た。
バトルフィールドに立つ二人が選んだのは、お互いよく知っている相手。ポッドがバオップを、デントがヤナップをフィールドへ送り出す。
久々の再会にヤナップとバオップが互いに手を取って喜ぶ。その様子は二匹の仲が良好だと一目瞭然だ。
「へえ、バオップとヤナップって仲が良いんだな。どっちも頑張れよー!」
「サトシはちゃんと審判やって」
アイリスの指摘にサトシがたじろぐ中、戦いの火蓋が落とされる。
まずはバオップが火炎放射を繰り出すも、ヤナップは華麗な身のこなしで躱す。立て続けに炎のパンチで攻撃を仕掛けたものの、これも避けられた。
「デント! 逃げてばかりじゃバトルにならないぜ!」
「いや、逃げるのも立派なバトルさ!」
なかなか攻撃が当たらずデントを挑発するものの、言い返されたポッドは再度火炎放射を指示する。ジャンプして避けられたがこれは想定半以内だったようで、今度はニトロチャージで攻めていく。
ヤナップは岩石封事でニトロチャージを防御した。効果抜群の技を受けたバオップは一度地面に倒れるも、まだ闘志の炎は消えていない。
一発逆転を狙い、バオップは大技の大文字を放つ。ところがヤナップが地面に穴を掘って回避し、そのまま攻勢へ転じる。
効果抜群の地面技が直撃して動けないバオップに、止めのソーラービームが突き刺さった。ソーラービームはバオップに対し効果は今一つといえど、放つまでに時間がかかる大技だ。それを急所に食らったバオップは戦闘不能となり、目に渦を巻いていた。
「あぁっ! バオップ、大丈夫か⁉」
「そうじゃないでしょ!」
「バオップ、戦闘不能! 勝者、デント!」
すぐに目を覚ましたバオップは、お互いに握手して健闘を讃え合う。ところが、ポッドがバオップをモンスターボールで休ませようとするも、赤色の光を避けてバオップがポッドへ詰め寄った。
「ばおぷ、おーぷっぷ!」
「何だよ、何怒ってるんだよ……」
「おぷーっぷぅ!」
「負けたことを怒ってるのか……?」
「おぷーぷ!」
「お前が肝心なところで大文字を外したからだろ!」
「おっぷお‼」
今度はバオップとポッドによる喧嘩が始まった。憤怒のあまり顔を真っ赤にしたバオップが物凄い剣幕で捲し立て、ポッドも負けじと応戦する。
サトシたちが仲裁に入り、勝手知ったるデントがポッドを諌めようとしても、怒りで我を忘れたポッドが素直に認めるわけもない。
「今のはポッドがいけないよ。負けた理由をバオップになすりつけたりして」
「うるせえ! 実際コイツが駄目だから———」
ポッドの言葉が引き金となり、容赦なく顔面に火炎放射を浴びせる。顔も見たくないのか、バオップはポッドの下から立ち去ってしまった。
「ポッド! 放っとくのか⁉」
「ああ。俺の下から出て行きたいなら出て行けばいいんだ」
「でもそれじゃ……」
「もう放っておいてくれ!」
怒鳴るように言い残し、ポッドもその場から飛び出してしまった。
冷静さを欠いたポッドから話を聞いても逆効果だ。それよりも、もう一人の兄弟であるコーンに連絡を取って、事情を訊いた方が早いだろう。
ひとりサンヨウジムに残っているコーンに連絡を取れば、驚愕の事実が判明した。
ポケモンたちのやる気も十分で、技のキレも見事なものだ。この調子だと良い戦積を収められるだろう。
ポケモンたちのやる気が迸る中、聞き馴染みのある声がデントの耳へ届く。その声の主は、デントの兄弟のひとりで、サンヨウジムリーダーの一人でもある人物———ポッド———だった。
まさかの兄弟の登場に、デントは驚きを隠せない。ポッドはチョロネコのような、悪戯が成功したような子どものような笑みを浮かべている。
「デント、見つけたぞ!」
「ポッド⁉ 一体どうしたんだい?」
「俺もデントみたいに、修業の旅に出たのさ」
サンヨウジムは炎ポケモンのバオップを使うポッド、水タイプのヒヤップを使うコーン。そして草タイプのヤナップを使うデントの三兄弟がチャレンジャーから指名してバトルを行うジムのはず。
しかしポッドまでジムを出たとなれば、コーンが一人でジムを運営しなければいけない。
素直にアイリスが疑問を投げ掛けるも、返ってきたのはぶっきらぼうな返事。ジムについてはあまり触れられたくないのか、ポッドは話題を変えるように、今ここには居ない少女の所在を訊ねた。
「ポッドまで旅に出ちゃって大丈夫なの……?」
「……ジムのことならコーンがどうにかしてるさ! それにお前らもサニワと一緒じゃないのかよ」
「サニワは、今はダイゴさんと一緒にいるんだ」
「元の世界に帰る手だてが見つかるかもしれないって言われちゃったらね」
「それでも結構悩んでくれていたけれどね。しばらくダイゴさんは商談でホドモエシティに滞在するらしいから、サニワもホドモエにいるんじゃないかな」
「……そうかよ」
ポッドはデントのエメラルドの瞳を見詰め直すと、デントへポケモンバトルを仕掛けてきた。
挑発的な物言いだと理解していても、デントは勝負を受ける。審判はサトシが買って出た。
バトルフィールドに立つ二人が選んだのは、お互いよく知っている相手。ポッドがバオップを、デントがヤナップをフィールドへ送り出す。
久々の再会にヤナップとバオップが互いに手を取って喜ぶ。その様子は二匹の仲が良好だと一目瞭然だ。
「へえ、バオップとヤナップって仲が良いんだな。どっちも頑張れよー!」
「サトシはちゃんと審判やって」
アイリスの指摘にサトシがたじろぐ中、戦いの火蓋が落とされる。
まずはバオップが火炎放射を繰り出すも、ヤナップは華麗な身のこなしで躱す。立て続けに炎のパンチで攻撃を仕掛けたものの、これも避けられた。
「デント! 逃げてばかりじゃバトルにならないぜ!」
「いや、逃げるのも立派なバトルさ!」
なかなか攻撃が当たらずデントを挑発するものの、言い返されたポッドは再度火炎放射を指示する。ジャンプして避けられたがこれは想定半以内だったようで、今度はニトロチャージで攻めていく。
ヤナップは岩石封事でニトロチャージを防御した。効果抜群の技を受けたバオップは一度地面に倒れるも、まだ闘志の炎は消えていない。
一発逆転を狙い、バオップは大技の大文字を放つ。ところがヤナップが地面に穴を掘って回避し、そのまま攻勢へ転じる。
効果抜群の地面技が直撃して動けないバオップに、止めのソーラービームが突き刺さった。ソーラービームはバオップに対し効果は今一つといえど、放つまでに時間がかかる大技だ。それを急所に食らったバオップは戦闘不能となり、目に渦を巻いていた。
「あぁっ! バオップ、大丈夫か⁉」
「そうじゃないでしょ!」
「バオップ、戦闘不能! 勝者、デント!」
すぐに目を覚ましたバオップは、お互いに握手して健闘を讃え合う。ところが、ポッドがバオップをモンスターボールで休ませようとするも、赤色の光を避けてバオップがポッドへ詰め寄った。
「ばおぷ、おーぷっぷ!」
「何だよ、何怒ってるんだよ……」
「おぷーっぷぅ!」
「負けたことを怒ってるのか……?」
「おぷーぷ!」
「お前が肝心なところで大文字を外したからだろ!」
「おっぷお‼」
今度はバオップとポッドによる喧嘩が始まった。憤怒のあまり顔を真っ赤にしたバオップが物凄い剣幕で捲し立て、ポッドも負けじと応戦する。
サトシたちが仲裁に入り、勝手知ったるデントがポッドを諌めようとしても、怒りで我を忘れたポッドが素直に認めるわけもない。
「今のはポッドがいけないよ。負けた理由をバオップになすりつけたりして」
「うるせえ! 実際コイツが駄目だから———」
ポッドの言葉が引き金となり、容赦なく顔面に火炎放射を浴びせる。顔も見たくないのか、バオップはポッドの下から立ち去ってしまった。
「ポッド! 放っとくのか⁉」
「ああ。俺の下から出て行きたいなら出て行けばいいんだ」
「でもそれじゃ……」
「もう放っておいてくれ!」
怒鳴るように言い残し、ポッドもその場から飛び出してしまった。
冷静さを欠いたポッドから話を聞いても逆効果だ。それよりも、もう一人の兄弟であるコーンに連絡を取って、事情を訊いた方が早いだろう。
ひとりサンヨウジムに残っているコーンに連絡を取れば、驚愕の事実が判明した。