第47話

 フラダリラボの調査が粗方完了し、ショータと別れを告げたサニワ。ショータは顔から滝のような涙を流し、彼女との別れを惜しんでいた。

 そして今、ダイゴとサニワ、そしてこんのすけは港があるミナモシティに赴いている。ホウエンリーグ四天王ゲンジの知り合いであり、凄腕と称されるほどの船乗り、ハギ老人と待ち合わせをするためだ。
 待ち合わせの船着き場には既にハギ老人の姿があった。肩にはキャモメのピーコちゃんが乗っかっている。


「ハギさんすみません、お待たせしてしまって」
「いいや、別に構わんよ。一応引退した身だからな、時間は腐るほどあるんだ。で、海図はどれだ?」
「こちらです」


 ダイゴが持っていた海図を手渡す。さすが凄腕の船乗りだと称されるだけあって、すぐに海図に記されている位置がわかったらしい。


「サニワちゃん、早速だけど出発しよう。ハギさん、よろしくお願いします」
「任せておけ! 随分と古いものだな……その上距離がかなりある。船乗りの血が騒ぐわい! 行くぞピーコちゃん!」


 ダイゴ、サニワ、こんのすけがクルーザー程度の大きさの高速船に乗り込んだ。
 ハギ老人の肩に乗ったキャモメが一鳴きすると、徐々に船が港を離れていく。完全に港が見えなくなった頃には、周囲が無限に続く水平線しかなくなった。
 その頃には、サニワはただでさえ白い顔を真っ青にして、水面を眺めている状態になっていた。


「ゔぇえ……」
「主さま、大丈夫……ではありませんよね。ハギさま、あとどれくらいで到着しそうですか?」
「迷わなけりゃ半日程度だが、あの辺りは普段、濃霧が発生していてな……レーダーを使って確認するしかなさそうだ。お嬢ちゃんの体力が持つか?」
「小官は、本丸に帰還できるこの日を待望しておりました……。この程度、今まで舐めてきた辛酸に比べれば、まだまだ生温い方です……ゔぇっ」
「無茶して話そうとしないでください! とりあえず寝ましょう! ね!」


 ダイゴが今にも吐瀉しそうなサニワを軽々と抱き上げ、備え付けの仮眠室に寝かせる。何かあった時のため、傍にはこんのすけだけでなくメタグロスも鎮座していた。

 ハギ老人がかなりスピードを出して運航してくれたのか、幸いサニワが眠っている間に最果ての孤島へ到達。ハギ老人は最果ての孤島へ上陸することはなく、船の中にピーコちゃんとともに留まるらしい。

 達者でな、とサニワの頭を撫でる。その手つきは波のように荒々しいものだったが、なぜか彼女には心地よいものに感じられた。
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