第42話
主なエネルギー源であったサニワを巨石から救出したことで、巨石の進軍も停止され、コルニは飛び跳ねたり、セレナとマノンは興奮のあまりお互いを抱き締めあう。ジムリーダーたちは各々喜びの感情を爆発させた。
救出されたサニワの身体を、ダイゴに渡すアラン。未だに意識が覚醒しないサニワだが、無事を知ったダイゴの表情は安らかだ。
「良かった……。サニワちゃん、無事で本当に良かった……!」
「……後は、巨石の残骸を何とかしなければ。再起動する可能性も否めません」
そう言って、こんのすけは巨石へ視線を移した。エネルギー源が消失したといえど、再びエネルギーを確保できれば動作できる状況だ。例えるならば、コンセントから無理やり電子機器のプラグを引っこ抜いた状態だろう。
巨石諸共破壊するため、サトシ、アラン、チャンピオン、ジムリーダーたちの一斉攻撃が放たれる。それぞれが放った技は純白の光となり、巨石の体勢を崩した。
だが。倒れるかと思った瞬間、巨石が起き上がり小法師のように跳ね起きる。その頂に立っていたのは、あの時プリズムタワーの頂上から自ら飛び降りたフラダリだった。
「タイムリミットは近い。世界の破壊の秒針は止まらない! この命と引き換えにしても、私は世界を……破壊する‼︎」
腕に装着された機械が作動し、巨石から強大な威力を誇る破壊光線が放たれる。咄嗟に指示を出したマーシュのシュシュプによる光の壁とこんのすけの結界で、多少威力は軽減されたようだが、それでもサトシたちには甚大な被害が及んだ。
幸いヒャッコクの日時計は破壊されずに済んだようだ。その前には攻撃をもろに喰らい、地に伏せるサトシたち。まだメガシンカが解除されていないため、戦闘不能には陥っていない。
ユリーカとシトロンを守るように覆いかぶさっていたのはバシャーモ仮面だ。巨石の攻撃の威力が激しかったのか、頭に被っていたバシャーモの意匠のお面がコトリ、と音を立てて地面に落下し、その顔が顕になる。
それはシトロンとユリーカが良く見知った顔であった。彼らの父親であるリモーネだからだ。
正体がバレたリモーネは力なく笑うが、その直後に痛みで顔を顰める。二人に大したことはないと告げる彼の顔は、どこまでも優しい父親のそれであった。
再度起動した巨石。それを突き動かすのは、フラダリの執念だ。彼の腕に装着された装置が巨石を操っているとこんのすけが判断する。その観察眼は、ガラル地方チャンピオンとして、そして異世界で軍人として活躍するサニワの懐刀として培われたものだろう。
世界を滅亡に追いやる敵を、フラダリを。じっと見据えるサトシたち。ユリーカの腕に守られながら、二体のジガルデは圧倒的不利な戦況をじっと眺めていた。
(戦うというのか……あの巨大な悪意に!)
(人もポケモンも諦めない!)
(……あまりにも非力)
(非力などと、彼らは思っておらん。お主ももう気付いているはず。人は確かに非力であり、弱く儚いものである。だが、夢を持ち、お互いを信頼し、相手に寄り添い、共感できる。それが、彼らの強さなのだ。自分たちの力を信じ、踏み出すことのできる強さをもっている!)
Z2の視界に映ったのは、Z1の言葉通り、何度もフラダリへ立ち向かい、そして吹き飛ばされるサトシたちの姿。
それでも、絶対に諦めない屈強な意志を持ち続ける彼らの勇姿に感慨を受けたZ2は考えを改める。
二体のジガルデ・コアはユリーカの腕から抜け出すと、巨石の前へと躍り出た。ユリーカは引き留めようとするが、危険だとリモーネに制止される。
「余はジガルデ!」
「秩序を守るもの!」
「「見せてやろう、余のフルパワーを‼︎ 世界は終わらせぬ‼︎」」
二体のジガルデから、若草色の淡い光が放たれた。世界中のジガルデ・セルが二体のコアへ集まっていく。
そして。二体のジガルデ・コアは合体し、一体のポケモンに変身した。まるでロボットアニメを彷彿させるようなその姿は、全くポケモンらしさが感じられず、別の何かのように感じさせる。
「まだこんな姿を隠していたとは……。貴様も私と同じ世界を見ていたはずだ。人間の際限なき欲望が、平和を見出していくさまに! 何も感じなかったのか⁉︎ 私が声をあげなければ、この世界は歪んでいくばかりだ‼︎ 今になって出てきた貴様に、何も守ることができる資格などないッ‼︎」
「資格ならば、この者たちにある! 余は人間に望みをかけた。余はずっと守ってもらった! 自らの命を賭して、余を救い出してくれた! 離さないと約束してくれた! 次は余の番だ‼︎」
宣戦布告すると、ジガルデはフラダリを圧倒していく。巨石による破壊光線も竜の波動で相殺され、腕の装置もゲッコウガとピカチュウ、そしてリザードンによって破壊された。
「そんなはずはない……何かの間違いだ! 私の計画は……完璧だった‼︎」
目を見開いて絶望するフラダリ。計画が粉々に砕け散ったのが信じられないのか、首を振って現実を拒絶する。
ジガルデは巨石を貫き、とどめのコアパニッシャーで巨石を粉砕。巨石とともに、フラダリの野望は崩れ落ちる。かなりの衝撃とともにキノコ雲が立ち昇り、それが晴れる頃には地面にクレーターがぽっかりと開いている更地になっていた。
救出されたサニワの身体を、ダイゴに渡すアラン。未だに意識が覚醒しないサニワだが、無事を知ったダイゴの表情は安らかだ。
「良かった……。サニワちゃん、無事で本当に良かった……!」
「……後は、巨石の残骸を何とかしなければ。再起動する可能性も否めません」
そう言って、こんのすけは巨石へ視線を移した。エネルギー源が消失したといえど、再びエネルギーを確保できれば動作できる状況だ。例えるならば、コンセントから無理やり電子機器のプラグを引っこ抜いた状態だろう。
巨石諸共破壊するため、サトシ、アラン、チャンピオン、ジムリーダーたちの一斉攻撃が放たれる。それぞれが放った技は純白の光となり、巨石の体勢を崩した。
だが。倒れるかと思った瞬間、巨石が起き上がり小法師のように跳ね起きる。その頂に立っていたのは、あの時プリズムタワーの頂上から自ら飛び降りたフラダリだった。
「タイムリミットは近い。世界の破壊の秒針は止まらない! この命と引き換えにしても、私は世界を……破壊する‼︎」
腕に装着された機械が作動し、巨石から強大な威力を誇る破壊光線が放たれる。咄嗟に指示を出したマーシュのシュシュプによる光の壁とこんのすけの結界で、多少威力は軽減されたようだが、それでもサトシたちには甚大な被害が及んだ。
幸いヒャッコクの日時計は破壊されずに済んだようだ。その前には攻撃をもろに喰らい、地に伏せるサトシたち。まだメガシンカが解除されていないため、戦闘不能には陥っていない。
ユリーカとシトロンを守るように覆いかぶさっていたのはバシャーモ仮面だ。巨石の攻撃の威力が激しかったのか、頭に被っていたバシャーモの意匠のお面がコトリ、と音を立てて地面に落下し、その顔が顕になる。
それはシトロンとユリーカが良く見知った顔であった。彼らの父親であるリモーネだからだ。
正体がバレたリモーネは力なく笑うが、その直後に痛みで顔を顰める。二人に大したことはないと告げる彼の顔は、どこまでも優しい父親のそれであった。
再度起動した巨石。それを突き動かすのは、フラダリの執念だ。彼の腕に装着された装置が巨石を操っているとこんのすけが判断する。その観察眼は、ガラル地方チャンピオンとして、そして異世界で軍人として活躍するサニワの懐刀として培われたものだろう。
世界を滅亡に追いやる敵を、フラダリを。じっと見据えるサトシたち。ユリーカの腕に守られながら、二体のジガルデは圧倒的不利な戦況をじっと眺めていた。
(戦うというのか……あの巨大な悪意に!)
(人もポケモンも諦めない!)
(……あまりにも非力)
(非力などと、彼らは思っておらん。お主ももう気付いているはず。人は確かに非力であり、弱く儚いものである。だが、夢を持ち、お互いを信頼し、相手に寄り添い、共感できる。それが、彼らの強さなのだ。自分たちの力を信じ、踏み出すことのできる強さをもっている!)
Z2の視界に映ったのは、Z1の言葉通り、何度もフラダリへ立ち向かい、そして吹き飛ばされるサトシたちの姿。
それでも、絶対に諦めない屈強な意志を持ち続ける彼らの勇姿に感慨を受けたZ2は考えを改める。
二体のジガルデ・コアはユリーカの腕から抜け出すと、巨石の前へと躍り出た。ユリーカは引き留めようとするが、危険だとリモーネに制止される。
「余はジガルデ!」
「秩序を守るもの!」
「「見せてやろう、余のフルパワーを‼︎ 世界は終わらせぬ‼︎」」
二体のジガルデから、若草色の淡い光が放たれた。世界中のジガルデ・セルが二体のコアへ集まっていく。
そして。二体のジガルデ・コアは合体し、一体のポケモンに変身した。まるでロボットアニメを彷彿させるようなその姿は、全くポケモンらしさが感じられず、別の何かのように感じさせる。
「まだこんな姿を隠していたとは……。貴様も私と同じ世界を見ていたはずだ。人間の際限なき欲望が、平和を見出していくさまに! 何も感じなかったのか⁉︎ 私が声をあげなければ、この世界は歪んでいくばかりだ‼︎ 今になって出てきた貴様に、何も守ることができる資格などないッ‼︎」
「資格ならば、この者たちにある! 余は人間に望みをかけた。余はずっと守ってもらった! 自らの命を賭して、余を救い出してくれた! 離さないと約束してくれた! 次は余の番だ‼︎」
宣戦布告すると、ジガルデはフラダリを圧倒していく。巨石による破壊光線も竜の波動で相殺され、腕の装置もゲッコウガとピカチュウ、そしてリザードンによって破壊された。
「そんなはずはない……何かの間違いだ! 私の計画は……完璧だった‼︎」
目を見開いて絶望するフラダリ。計画が粉々に砕け散ったのが信じられないのか、首を振って現実を拒絶する。
ジガルデは巨石を貫き、とどめのコアパニッシャーで巨石を粉砕。巨石とともに、フラダリの野望は崩れ落ちる。かなりの衝撃とともにキノコ雲が立ち昇り、それが晴れる頃には地面にクレーターがぽっかりと開いている更地になっていた。