第42話
ダイゴたちは先回りしてヘリから降り、現在の状況を集まったジムリーダーたちへ伝える。こんのすけも一緒だ。
サニワが巨石に取り込まれたこと、最終的にはサニワごと巨石を破壊すること、最悪のシナリオを回避するために、サニワの救出を最優先とすること。
「状況はわかったわ。サニワちゃんの救助が最優先ね」
「えぇ。ポケモンたちの技で、サニワちゃんを救出しましょう!」
「目印はあの水手裏剣。その奥に主さまが眠っているはずです!」
ダイゴが指差した先には、コアに突き刺さる水手裏剣があった。禍々しい赤色に輝くコアに対し、淡い色を放つ水手裏剣は、非常に対照的に思える。
「だけどまさか、あの巨石に取り込まれているとは……。サニワちゃん、もうちょっと自分の身体を大切にして欲しいんだけど」
「あの子、幼女っていうより軍人ですもんね、性格が。時々幼女ということを忘れそうになります」
「わかる。わかるわ。幼女の概念が覆る幼女だもの、ついつい幼女って何だって思っちゃう」
「ちょっとそこのチャンピオンさんたちー。幼女連呼しないでくださいよぅ」
飛び乗ったダイゴの頭を、むにむにと柔い肉球で呆れたように叩くこんのすけ。
以前にカルネと会ったことがあるこんのすけは、そのままぺこりと会釈すると、セレナたちの元に移動した。
再度巨石に向き合ったサトシたちはそれぞれボールを手に取ると、パートナーと呼べる存在のポケモンたちに力を託す。
「皆さま、ここが最終防衛ラインでございます。『マジノ戦線』の二の舞いにならぬよう、くれぐれも尽力してください!」
「な、何て……?」
聞いたことのない名前に、サトシたちの頭上に?が浮上する。だが暢気に解説を聞いている暇はない。サトシ、アランを筆頭に、巨石に突撃を開始した。
ピカチュウのアイアンテールを皮切りに、ポケモンたちの技で蔦を引き裂いていく。
サニワが捕らえられている巨石の中央部に辿り着かせるため、ジムリーダーたちが捨て身の攻撃で蔦を破壊していく。だが次々と、蠢く蔦に身体を搦め捕られたり、攻撃されてポケモンもろとも吹っ飛ばされた。
ザクロのチゴラスによる岩石封事で形成された坂を乗り越えれば、目標地点である水手裏剣が目視できた。だが易々と辿り着かせるわけもなく、矢継ぎ早に蔦がサトシたちを襲う。
まだ無事だったプラターヌ博士やバシャーモ仮面、パキラ、シトロンたちが道を拓き、サトシたちを先へ向かわせる。
中継ヘリからロケット団も参戦するも、直後に蔦の攻撃でヘリから振り落とされた。そのまま地面に真っ逆さまに落ちていくが、すぐさまカルネのメガサーナイトによるサイコキネシスで事無きを得る。
メガサーナイトのムーンフォースと、メガメタグロスによるラスターカノンが蔦に炸裂する。高威力のそれは、壁となって立ちはだかる蔦を一気に吹き飛ばし、一本の道を拓いた。
容赦なく蔦がダイゴたちにも襲いかかるが、サイコキネシスを維持しつつも、即座に攻撃に転じる。その器用さはチャンピオンだからこそできる芸当といっても過言ではないだろう。
ユリーカの腕の中で傍観していた、二体のジガルデ。必死に運命に抗う彼らの姿を見たZ2は、人間に対して。ポケモンに対して。抱いていた考えを改める。
(なぜそこまで……)
(それが人間。ポケモンというものだ。私も彼らを見て気がついた)
ピカチュウの10万ボルト、ゲッコウガの水手裏剣、リザードンの火炎放射が一斉に炸裂する。巨石の結晶の壁が見事に割られ、巨石内部へサトシとアラン、そしてポケモンたちが突入した。
内部は赤色の結晶体が光を反射しているのか、そこかしこが赤色に煌めいている。その赤色はどこか禍々しさ、忌まわしさを感じさせる。
奥にはサニワが眠っていた。手足は結晶によって拘束され、まるで磔刑に処された罪人のような体勢だ。意識を失い、生気が感じられないその姿はそれでも神秘的で、清らかで、一種の彫刻かと思ってしまうほど美しい。まるで宗教画に描かれた聖女のような錯覚を覚えさせる。
アランはあまりのその神秘的な光景に、一瞬息を飲むものの、その小さな聖女を助け出さんと駆け出した。
エネルギー源を強奪されてはかなわない。蔦のように自在に蠢くわけではないものの、赤い結晶を突き出してアランの進行を邪魔した。
「アラン、俺が何とかする。アランはサニワを頼む!」
サトシの提案にアランは頷くと、サニワ目がけ一直線に走り出した。その間にも巨石の進軍は続く。
ダイゴたちが懸命に巨石の注意を逸らし続けるも、進行スピードは一定を保ち続けていた。遂にはセレナたちの目前にまで蔦が辿り着き、セレナとサニワのポケモンが蔦を攻撃するも、セレナごと搦め捕ろうと周囲を覆う。
蔦の先端がマノンの目前にまで迫った。その時。ぴたりと巨石の動きが止まり、蔦もただの植物と成り果てる。
爛々と炎のように輝いていた巨石はその光を失っていた。その奥から現れたのは、リザードンがサトシとアランを抱えて、優雅に翼をはためかせている姿だ。アランの腕には、しっかりとサニワが抱きかかえられていた。
サニワが巨石に取り込まれたこと、最終的にはサニワごと巨石を破壊すること、最悪のシナリオを回避するために、サニワの救出を最優先とすること。
「状況はわかったわ。サニワちゃんの救助が最優先ね」
「えぇ。ポケモンたちの技で、サニワちゃんを救出しましょう!」
「目印はあの水手裏剣。その奥に主さまが眠っているはずです!」
ダイゴが指差した先には、コアに突き刺さる水手裏剣があった。禍々しい赤色に輝くコアに対し、淡い色を放つ水手裏剣は、非常に対照的に思える。
「だけどまさか、あの巨石に取り込まれているとは……。サニワちゃん、もうちょっと自分の身体を大切にして欲しいんだけど」
「あの子、幼女っていうより軍人ですもんね、性格が。時々幼女ということを忘れそうになります」
「わかる。わかるわ。幼女の概念が覆る幼女だもの、ついつい幼女って何だって思っちゃう」
「ちょっとそこのチャンピオンさんたちー。幼女連呼しないでくださいよぅ」
飛び乗ったダイゴの頭を、むにむにと柔い肉球で呆れたように叩くこんのすけ。
以前にカルネと会ったことがあるこんのすけは、そのままぺこりと会釈すると、セレナたちの元に移動した。
再度巨石に向き合ったサトシたちはそれぞれボールを手に取ると、パートナーと呼べる存在のポケモンたちに力を託す。
「皆さま、ここが最終防衛ラインでございます。『マジノ戦線』の二の舞いにならぬよう、くれぐれも尽力してください!」
「な、何て……?」
聞いたことのない名前に、サトシたちの頭上に?が浮上する。だが暢気に解説を聞いている暇はない。サトシ、アランを筆頭に、巨石に突撃を開始した。
ピカチュウのアイアンテールを皮切りに、ポケモンたちの技で蔦を引き裂いていく。
サニワが捕らえられている巨石の中央部に辿り着かせるため、ジムリーダーたちが捨て身の攻撃で蔦を破壊していく。だが次々と、蠢く蔦に身体を搦め捕られたり、攻撃されてポケモンもろとも吹っ飛ばされた。
ザクロのチゴラスによる岩石封事で形成された坂を乗り越えれば、目標地点である水手裏剣が目視できた。だが易々と辿り着かせるわけもなく、矢継ぎ早に蔦がサトシたちを襲う。
まだ無事だったプラターヌ博士やバシャーモ仮面、パキラ、シトロンたちが道を拓き、サトシたちを先へ向かわせる。
中継ヘリからロケット団も参戦するも、直後に蔦の攻撃でヘリから振り落とされた。そのまま地面に真っ逆さまに落ちていくが、すぐさまカルネのメガサーナイトによるサイコキネシスで事無きを得る。
メガサーナイトのムーンフォースと、メガメタグロスによるラスターカノンが蔦に炸裂する。高威力のそれは、壁となって立ちはだかる蔦を一気に吹き飛ばし、一本の道を拓いた。
容赦なく蔦がダイゴたちにも襲いかかるが、サイコキネシスを維持しつつも、即座に攻撃に転じる。その器用さはチャンピオンだからこそできる芸当といっても過言ではないだろう。
ユリーカの腕の中で傍観していた、二体のジガルデ。必死に運命に抗う彼らの姿を見たZ2は、人間に対して。ポケモンに対して。抱いていた考えを改める。
(なぜそこまで……)
(それが人間。ポケモンというものだ。私も彼らを見て気がついた)
ピカチュウの10万ボルト、ゲッコウガの水手裏剣、リザードンの火炎放射が一斉に炸裂する。巨石の結晶の壁が見事に割られ、巨石内部へサトシとアラン、そしてポケモンたちが突入した。
内部は赤色の結晶体が光を反射しているのか、そこかしこが赤色に煌めいている。その赤色はどこか禍々しさ、忌まわしさを感じさせる。
奥にはサニワが眠っていた。手足は結晶によって拘束され、まるで磔刑に処された罪人のような体勢だ。意識を失い、生気が感じられないその姿はそれでも神秘的で、清らかで、一種の彫刻かと思ってしまうほど美しい。まるで宗教画に描かれた聖女のような錯覚を覚えさせる。
アランはあまりのその神秘的な光景に、一瞬息を飲むものの、その小さな聖女を助け出さんと駆け出した。
エネルギー源を強奪されてはかなわない。蔦のように自在に蠢くわけではないものの、赤い結晶を突き出してアランの進行を邪魔した。
「アラン、俺が何とかする。アランはサニワを頼む!」
サトシの提案にアランは頷くと、サニワ目がけ一直線に走り出した。その間にも巨石の進軍は続く。
ダイゴたちが懸命に巨石の注意を逸らし続けるも、進行スピードは一定を保ち続けていた。遂にはセレナたちの目前にまで蔦が辿り着き、セレナとサニワのポケモンが蔦を攻撃するも、セレナごと搦め捕ろうと周囲を覆う。
蔦の先端がマノンの目前にまで迫った。その時。ぴたりと巨石の動きが止まり、蔦もただの植物と成り果てる。
爛々と炎のように輝いていた巨石はその光を失っていた。その奥から現れたのは、リザードンがサトシとアランを抱えて、優雅に翼をはためかせている姿だ。アランの腕には、しっかりとサニワが抱きかかえられていた。