第2話
「———お疲れ様でした。只今、目的地であるカノコタウンに到着いたしました。お忘れ物のなきよう———」
「……到着しましたよ、主さま」
あの会議(と言うよりも一方的な報告会に近かったが)で話し合ってから、一週間後。
長時間の船旅を終え、カノコタウンに到着したこんのすけは、主人の小さく白い身体を駆け上ると、ガラルとは異なる雰囲気を放つ船着場を見渡した。
騒ぎが起きないように個室を取ったとはいえ、船から長時間出られないというのは実際かなり窮屈なものだ。こんのすけは、ガラル地方とは異なる空気を味わっていた。
まずはアララギ博士へご挨拶に行かなければ。手土産に飴細工の詰め合わせを持ってきたが、大丈夫だろうか。心配そうに飴細工のパッケージを眺めていたのに気づいた、主人であるサニワ。彼女が、小さな声で多分大丈夫、とフォローを入れた。
周囲の建物よりも一際大きなそれを見つけたサニワは、自動扉のある場所まで移動する。もしも研究所とは異なる場所だったら、その時は人に尋ねれば良い。
楽観視したこんのすけは一呼吸おいて、建物の中へ足を進めるようにサニワへ急かすと、リブ生地のニットを着た男性が彼女に気づいた。
「おや。君は?」
「……サニワ。……アララギ、博士、会う、したい。できる?」
「おや? 私の名前はアララギだが、そんな連絡は来ていないなぁ」
ロボットのように名乗るサニワ。基本的に無口・無表情・無反応という無の三拍子が標準装備であるサニワの表情は変わらなかった。
あの時、確かに女性だとソニアは言っていた。だから、彼はアララギ博士のご尊父様や伯父様か……親族の方なのだろう。サニワが考えたその時、白衣にミニスカートを着た、三十代くらいの美人な女性がこちらへ歩み寄ってきた。
「あらパパ、お客さん?」
「あぁ。ソニア博士から連絡が来ていると言っているし、多分お前宛てのお客さんだろう」
「サニワちゃんね。話は聞いてるわ! 私はアララギ。ポケモンの……中でも起源の研究をしています。ちなみにこのオッサンは私の父親。私と同じポケモン博士なのよ! ただ、言葉の途中で区切る悪癖があるのが玉に瑕ね」
「……これ、おみやげ」
「あらら、ありがとう! 気を遣わせちゃったわね」
淡々と手土産をアララギ博士へ手渡すサニワは、その感情の読めない顔も相まって、プログラミングされた機械のように見える。相手によっては礼儀がなっていないと捉えられ、不機嫌になるだろう。だがアララギ博士は嬉しそうに手土産を受け取った。
「……到着しましたよ、主さま」
あの会議(と言うよりも一方的な報告会に近かったが)で話し合ってから、一週間後。
長時間の船旅を終え、カノコタウンに到着したこんのすけは、主人の小さく白い身体を駆け上ると、ガラルとは異なる雰囲気を放つ船着場を見渡した。
騒ぎが起きないように個室を取ったとはいえ、船から長時間出られないというのは実際かなり窮屈なものだ。こんのすけは、ガラル地方とは異なる空気を味わっていた。
まずはアララギ博士へご挨拶に行かなければ。手土産に飴細工の詰め合わせを持ってきたが、大丈夫だろうか。心配そうに飴細工のパッケージを眺めていたのに気づいた、主人であるサニワ。彼女が、小さな声で多分大丈夫、とフォローを入れた。
周囲の建物よりも一際大きなそれを見つけたサニワは、自動扉のある場所まで移動する。もしも研究所とは異なる場所だったら、その時は人に尋ねれば良い。
楽観視したこんのすけは一呼吸おいて、建物の中へ足を進めるようにサニワへ急かすと、リブ生地のニットを着た男性が彼女に気づいた。
「おや。君は?」
「……サニワ。……アララギ、博士、会う、したい。できる?」
「おや? 私の名前はアララギだが、そんな連絡は来ていないなぁ」
ロボットのように名乗るサニワ。基本的に無口・無表情・無反応という無の三拍子が標準装備であるサニワの表情は変わらなかった。
あの時、確かに女性だとソニアは言っていた。だから、彼はアララギ博士のご尊父様や伯父様か……親族の方なのだろう。サニワが考えたその時、白衣にミニスカートを着た、三十代くらいの美人な女性がこちらへ歩み寄ってきた。
「あらパパ、お客さん?」
「あぁ。ソニア博士から連絡が来ていると言っているし、多分お前宛てのお客さんだろう」
「サニワちゃんね。話は聞いてるわ! 私はアララギ。ポケモンの……中でも起源の研究をしています。ちなみにこのオッサンは私の父親。私と同じポケモン博士なのよ! ただ、言葉の途中で区切る悪癖があるのが玉に瑕ね」
「……これ、おみやげ」
「あらら、ありがとう! 気を遣わせちゃったわね」
淡々と手土産をアララギ博士へ手渡すサニワは、その感情の読めない顔も相まって、プログラミングされた機械のように見える。相手によっては礼儀がなっていないと捉えられ、不機嫌になるだろう。だがアララギ博士は嬉しそうに手土産を受け取った。