第42話
フレア団による、カロス地方破壊計画。サトシたちの尽力で、ミアレシティを破壊する蔦の侵攻、そしてジガルデのマインドコントロールの解除は成功した。ところが、フラダリラボで眠っていた巨石は、突如自我を持ったかのようにエネルギーを欲し始めた。
プニちゃんをフレア団から逃がす際に、そのエネルギーを身体に溜め込んでしまったサニワを身体ごと飲み込む。それでも足りない貪欲な巨石は、更なるエネルギーを求め、ヒャッコクに聳える日時計を目指し進撃を開始した。
もしも巨石が日時計に接触したら。莫大なエネルギーが世界中を飲み込み、世界を破壊してしまうだろう。
こんのすけは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。……そして、あまりにも残酷な、願いを。決意を。口に出した。
「……ダイゴさま。僕と主さまの、玉砕許可を願います」
「ぎょく、さい?」
「自爆、許可を……出してください」
機内の空気が一瞬にして凍てついた。そんな残酷な許可を、はいどうぞと許可を下ろすわけがない。ダイゴはこんのすけの懇願をことごとく一蹴する。
「何を言ってるんだい、こんのすけ! 駄目に決まってるだろ⁉︎」
「ダメだよ! サニワさんが……自分の主人が、死んじゃうんだよ‼︎ あの時みたいな、酷い怪我じゃ済まされない‼︎」
「僕だって嫌ですよ‼︎ でも……フラダリ氏の狂気を察知した主さまは、自分の意識を手放してまで、この世界を守り抜くことに決めたんです! この世界が滅亡を迎えることを望んではおりません‼︎ ここで世界が滅亡しては……死んでも死に切れないことでしょう。お願いいたします、主さまの遺志を汲んであげてください‼︎」
こんのすけの歎願に、更に空気が凍っていく。もちろん、サニワはまだまだ幼い。そんな彼女を自爆させるなんて。狂気の沙汰でしかない。
だがもし、サニワが自爆して巨石の進軍を止めることができたなら。世界の滅亡は回避される。
一を取るか、十を取るか。ダイゴは呆然と、その場に立ち尽くすしかなかった。
「そんな事させるもんか! 博士、俺たちサニワを助け出して、巨石を止めます! 俺たちならできる!」
サトシの言葉に、我に返ったダイゴ。まるで強く頭を殴られたような衝撃だった。
サニワちゃんと世界のどちらかを選べないなら、両方とも助け出せばいい話だ。ダイゴはいつもの人当たりの良い笑みを湛えると、こんのすけを諭した。
「……だってさ。だから、自爆許可なんて馬鹿な話は、到底許可できないな!」
「……わかりました。お願いいたします。どうか主さまを助けてください!」
「もちろんだよ。まだまだ強くて凄いあの子と、やりたいことが沢山あるからね」
今度のこんのすけの言葉は、すんなりと満場一致で聞き入れられた。
ダイゴはヘリのスイッチを、叩きつけるように強く押す。ハッチが開き、直接巨石を目視した。
先に巨石を追跡していたダイゴとプラターヌ博士は、お互いポケモンをメガシンカさせる。マノンはサニワのトゲキッスをボールから出し、彼女にセレナのテールナーを乗せた。
巨石に向かって、メガメタグロスはラスターカノンを。メガガブリアスは竜の波動を。テールナーは火炎放射を発射。一直線に巨石へ向かうが、直撃する前に蔦で防がれてしまった。そのまま蔦が攻撃を仕掛けるが、何とか攻撃を回避して、目標を蔦に変更する。
ところが、メガガブリアスの足が蔦に捕捉されたのを皮切りに、次々とポケモンたちが蔦に捕まっていく。テールナーはトゲキッスから振り落とされ、地面に真っ逆さまに落ちていった。
この距離では、モンスターボールへ仕舞おうにも光が届かない。そのまま、堅い地面に撃墜してしまうと思いきや、その下を黒い竜が潜り込んだ。その横には、黄色の電気鼠が待機していた。サトシたちが追いついたのだ。
「来た来た!」
「役者は揃ったニャ!」
リザードンは火炎放射でガブリアスの足を掴む蔦を破壊。ピカチュウはアイアンテールでトゲキッスとメタグロスの拘束を解くと、リザードンの背中へ騎乗する。
こんな形とはいえど、久しぶりの旧友との再会にトゲキッスもどこか嬉しそうだ。
「博士。サニワさんの具体的な位置はわかるんですか?」
「スキャンでは中央付近ということだけだ。とりわけあの子はまだ小さいから、レーダーの捕捉が難しい」
心の目で、じっと赤色に輝く巨石のコアを見詰めるゲッコウガ。手足を搦め捕られ、まるで磔にされたように捕まっているサニワの姿を視界に捕らえた。それはサトシも同じらしい。
サトシはゲッコウガをヘリから降下させ、ピカチュウにゲッコウガのフォローを入れさせる。メガリザードン、テールナー、ガブリアス、メタグロス、そしてトゲキッスも彼のフォローに入った。
巨石の中央に輝くコア。更にそのど真ん中に、ゲッコウガの水手裏剣が突き刺さる。
「あそこだ! あそこの奥にサニワがいる! 皆、水手裏剣を目指せ‼︎」
目標到達地点に、一気に突き進むポケモンたち。集団で動く彼らを蔦が襲うが、各位散開して、蔦に技を炸裂させつつも突き進んでいく。
ところが、自在に蠢く蔦が邪魔をしてなかなか本体まで辿り着けない。蔦を薙ぎ倒すのに精一杯だ。倒したとしても、次から次へと雑草の如く生えてくる。
あまりの数の多さに焦りが生じたのか、次々とポケモンたちが蔦に搦め捕られてしまった。
万事休す。そう思った時、真っ白に煌めく光線が巨石に直撃。蔦に捕らえられていたポケモンたちも解放された。
土煙が晴れ、光線の放った相手が顕になる。カロス地方チャンピオンのカルネ、そしてカロス地方のジムリーダーがこの危機に終結したのだ。
「皆……!」
「ジムリーダーたちです!」
「すごーい!」
ジムリーダーは屈指の実力者だ。更にチャンピオンは、その地方で最も強いとされている猛者。彼らの攻撃をもってしても、巨石は全く進軍を緩めない。
要塞の如き巨石の堅牢さを痛感したカルネは、一度退却して策を練ることに決めた。
プニちゃんをフレア団から逃がす際に、そのエネルギーを身体に溜め込んでしまったサニワを身体ごと飲み込む。それでも足りない貪欲な巨石は、更なるエネルギーを求め、ヒャッコクに聳える日時計を目指し進撃を開始した。
もしも巨石が日時計に接触したら。莫大なエネルギーが世界中を飲み込み、世界を破壊してしまうだろう。
こんのすけは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。……そして、あまりにも残酷な、願いを。決意を。口に出した。
「……ダイゴさま。僕と主さまの、玉砕許可を願います」
「ぎょく、さい?」
「自爆、許可を……出してください」
機内の空気が一瞬にして凍てついた。そんな残酷な許可を、はいどうぞと許可を下ろすわけがない。ダイゴはこんのすけの懇願をことごとく一蹴する。
「何を言ってるんだい、こんのすけ! 駄目に決まってるだろ⁉︎」
「ダメだよ! サニワさんが……自分の主人が、死んじゃうんだよ‼︎ あの時みたいな、酷い怪我じゃ済まされない‼︎」
「僕だって嫌ですよ‼︎ でも……フラダリ氏の狂気を察知した主さまは、自分の意識を手放してまで、この世界を守り抜くことに決めたんです! この世界が滅亡を迎えることを望んではおりません‼︎ ここで世界が滅亡しては……死んでも死に切れないことでしょう。お願いいたします、主さまの遺志を汲んであげてください‼︎」
こんのすけの歎願に、更に空気が凍っていく。もちろん、サニワはまだまだ幼い。そんな彼女を自爆させるなんて。狂気の沙汰でしかない。
だがもし、サニワが自爆して巨石の進軍を止めることができたなら。世界の滅亡は回避される。
一を取るか、十を取るか。ダイゴは呆然と、その場に立ち尽くすしかなかった。
「そんな事させるもんか! 博士、俺たちサニワを助け出して、巨石を止めます! 俺たちならできる!」
サトシの言葉に、我に返ったダイゴ。まるで強く頭を殴られたような衝撃だった。
サニワちゃんと世界のどちらかを選べないなら、両方とも助け出せばいい話だ。ダイゴはいつもの人当たりの良い笑みを湛えると、こんのすけを諭した。
「……だってさ。だから、自爆許可なんて馬鹿な話は、到底許可できないな!」
「……わかりました。お願いいたします。どうか主さまを助けてください!」
「もちろんだよ。まだまだ強くて凄いあの子と、やりたいことが沢山あるからね」
今度のこんのすけの言葉は、すんなりと満場一致で聞き入れられた。
ダイゴはヘリのスイッチを、叩きつけるように強く押す。ハッチが開き、直接巨石を目視した。
先に巨石を追跡していたダイゴとプラターヌ博士は、お互いポケモンをメガシンカさせる。マノンはサニワのトゲキッスをボールから出し、彼女にセレナのテールナーを乗せた。
巨石に向かって、メガメタグロスはラスターカノンを。メガガブリアスは竜の波動を。テールナーは火炎放射を発射。一直線に巨石へ向かうが、直撃する前に蔦で防がれてしまった。そのまま蔦が攻撃を仕掛けるが、何とか攻撃を回避して、目標を蔦に変更する。
ところが、メガガブリアスの足が蔦に捕捉されたのを皮切りに、次々とポケモンたちが蔦に捕まっていく。テールナーはトゲキッスから振り落とされ、地面に真っ逆さまに落ちていった。
この距離では、モンスターボールへ仕舞おうにも光が届かない。そのまま、堅い地面に撃墜してしまうと思いきや、その下を黒い竜が潜り込んだ。その横には、黄色の電気鼠が待機していた。サトシたちが追いついたのだ。
「来た来た!」
「役者は揃ったニャ!」
リザードンは火炎放射でガブリアスの足を掴む蔦を破壊。ピカチュウはアイアンテールでトゲキッスとメタグロスの拘束を解くと、リザードンの背中へ騎乗する。
こんな形とはいえど、久しぶりの旧友との再会にトゲキッスもどこか嬉しそうだ。
「博士。サニワさんの具体的な位置はわかるんですか?」
「スキャンでは中央付近ということだけだ。とりわけあの子はまだ小さいから、レーダーの捕捉が難しい」
心の目で、じっと赤色に輝く巨石のコアを見詰めるゲッコウガ。手足を搦め捕られ、まるで磔にされたように捕まっているサニワの姿を視界に捕らえた。それはサトシも同じらしい。
サトシはゲッコウガをヘリから降下させ、ピカチュウにゲッコウガのフォローを入れさせる。メガリザードン、テールナー、ガブリアス、メタグロス、そしてトゲキッスも彼のフォローに入った。
巨石の中央に輝くコア。更にそのど真ん中に、ゲッコウガの水手裏剣が突き刺さる。
「あそこだ! あそこの奥にサニワがいる! 皆、水手裏剣を目指せ‼︎」
目標到達地点に、一気に突き進むポケモンたち。集団で動く彼らを蔦が襲うが、各位散開して、蔦に技を炸裂させつつも突き進んでいく。
ところが、自在に蠢く蔦が邪魔をしてなかなか本体まで辿り着けない。蔦を薙ぎ倒すのに精一杯だ。倒したとしても、次から次へと雑草の如く生えてくる。
あまりの数の多さに焦りが生じたのか、次々とポケモンたちが蔦に搦め捕られてしまった。
万事休す。そう思った時、真っ白に煌めく光線が巨石に直撃。蔦に捕らえられていたポケモンたちも解放された。
土煙が晴れ、光線の放った相手が顕になる。カロス地方チャンピオンのカルネ、そしてカロス地方のジムリーダーがこの危機に終結したのだ。
「皆……!」
「ジムリーダーたちです!」
「すごーい!」
ジムリーダーは屈指の実力者だ。更にチャンピオンは、その地方で最も強いとされている猛者。彼らの攻撃をもってしても、巨石は全く進軍を緩めない。
要塞の如き巨石の堅牢さを痛感したカルネは、一度退却して策を練ることに決めた。