第41話
ミアレシティの街路樹。整備されていた面影がないほど荒れ果てた道に、プニちゃんの片割れ……Z2は倒れていた。だがプニちゃんが来たこと、そしてユリーカが声をかけたことで一気に覚醒する。
「こんばんは。プニちゃんの友だちだよね!」
始めはフレア団によってマインドコントロールされていたこともあり、強い警戒心を見せるZ2。それにプニちゃんが苦言を呈したようだが、意見を曲げることはない。周囲を見渡せと言わんばかりに顔を背ける。
(この惨状を見よ。全て人間たちがやったことだ! だから人間は……!)
(余は人間を信じる!)
(何故にそこまで……?)
(人間がまだ諦めていないからだ!)
ジガルデ・コアのディスカッションは、人間であるユリーカにはわからない。自分を警戒していると考えたユリーカは、なるべく怖がらせないようにしゃがみ込むと、両手を差し出した。
「ほら、おいで! 怖くないよ。一緒に行こう‼︎」
本当にZ2とも友だちになりたいから。にっこりと、キマワリのような満面の笑みを浮かべるユリーカ。その笑顔に打算的な思惑は微塵も感じられない。
それでも、未だに人間を信用できないZ2は彼女と距離を取る。警戒を解かない片割れに、プニちゃんは力強く諭した。
(余は、この娘たちと旅に出て、沢山のものをこの目で見てきた。助け合い、努力し、喜び、信じ、目指し、進み、そして決して諦めないこの者たちを!)
本当に、人間という存在は。そういうものなのだろうか。Z2は逡巡する。ユリーカが笑顔で片手を差し出したことで、その警戒は更に薄れた。
「プニちゃんの友だちなら、あたしも友だち! 何もしないよ。仲良くしよう!」
ユリーカがそっと近づくと、Z2は動かない。今度は距離を取らない。
それを警戒を解いてくれたと解釈したユリーカはそっと抱き上げ、Z2の顎の下辺りを擽る。こうすると、プニちゃんが喜んでくれるからだ。その証拠に、プニちゃんは自慢気にうんうんと頷いている。
ただ、ちょっと長い間擽り続けたせいで、Z2はぐったりとうな垂れてしまったが。人間に対する誤解を。人間への警戒心を。解いてくれたようだった。
ユリーカとバシャーモ仮面の上空を、一台のヘリが通過する。サトシたちが搭乗しているヘリだ。バシャーモ仮面は手を上げ、位置を伝えた。
二人がヘリに搭乗してしばらく経過した頃。巨石をスキャンした結果が出たため、プラターヌ博士が通信機を通じてサトシたちに報告する。
あの巨石自体は、全体が物凄いエネルギーの塊で、そのエネルギーはジガルデのものと酷似していた。似ていないのは色くらいだろうか。
こんのすけの首輪は、サニワの生体反応を受け取っていた。眠り続けているのだろうが、彼女はまだ生きている。
フラダリラボで得たデータに、サニワの健康状態に関するデータが残っていた。フラダリラボからプニちゃんを逃がす際にジガルデのエネルギーを取り込んでしまったサニワを、巨石がその莫大なエネルギーを求めて彼女ごと取り込んだと考えられる。
「ダイゴさま。先ほどの博士の解説に僕の推測も加えさせてください。主さまの神通力の源……神力は膨大です。莫大なエネルギーを巨石が求めているというのなら、主さまの泉のように溢れ出る神力を求めていても不思議ではありません」
「そうだね。巨石はサニワちゃんのエネルギーだけじゃ、まだまだ物足りないらしい。実際に次のエネルギーを求めて進撃を続けている」
進行方向を図解したデータが、ダイゴたちの搭乗しているヘリに表示される。カロス地方の五角形の地図。そして、巨石が進む方向。そこには、ヒャッコクシティの日時計があった。
ヒャッコクの日時計は、宇宙から飛来したとも言われる巨大な結晶体だ。それが放つエネルギーは、ポケモンがメガシンカした際に放つエネルギーと同じものだということが、以前の研究によって明らかになっている。
もしも、巨石がヒャッコクの日時計に接触・吸収したら。膨大なエネルギーが世界中を覆い、この世界が吹き飛ぶことだろう。まさに、世界の終わりだ。
そこまでして、この世界を破壊したいのか。悔しさのあまり、アランは己の拳を壁に叩きつけた。
あの時に、サニワの忠告に従っていたら。アランの胸いっぱいに、後悔の念が広がっていく。だがもう遅い。
アランが吐露したのは、サニワへの懺悔。そして謝罪の言葉だった。
「……サニワ、すまない。お前の忠告を、もっと早く聞いていたらっ……!」
「アラン、サニワに会ってたのか」
「あぁ。初めて会ったのが遺跡で……忠告されたのは、カナズミのデボンコーポレーション、そしてフラダリラボだった。代表と関わるな。狂気が幕を開ける前に逃げろと、話を聞いていたのに……。だが……もう、遅いな」
「アラン……」
サニワさん優しいから、きっと許してくれるよ。マノンの言葉は続かなかった。この戦いで、サニワが死ぬかもしれないと。薄々感じ取っていたからだ。
サニワのサーナイトは、マノンの感情を感じ取ってか、優しく背中をさすった。
「こんばんは。プニちゃんの友だちだよね!」
始めはフレア団によってマインドコントロールされていたこともあり、強い警戒心を見せるZ2。それにプニちゃんが苦言を呈したようだが、意見を曲げることはない。周囲を見渡せと言わんばかりに顔を背ける。
(この惨状を見よ。全て人間たちがやったことだ! だから人間は……!)
(余は人間を信じる!)
(何故にそこまで……?)
(人間がまだ諦めていないからだ!)
ジガルデ・コアのディスカッションは、人間であるユリーカにはわからない。自分を警戒していると考えたユリーカは、なるべく怖がらせないようにしゃがみ込むと、両手を差し出した。
「ほら、おいで! 怖くないよ。一緒に行こう‼︎」
本当にZ2とも友だちになりたいから。にっこりと、キマワリのような満面の笑みを浮かべるユリーカ。その笑顔に打算的な思惑は微塵も感じられない。
それでも、未だに人間を信用できないZ2は彼女と距離を取る。警戒を解かない片割れに、プニちゃんは力強く諭した。
(余は、この娘たちと旅に出て、沢山のものをこの目で見てきた。助け合い、努力し、喜び、信じ、目指し、進み、そして決して諦めないこの者たちを!)
本当に、人間という存在は。そういうものなのだろうか。Z2は逡巡する。ユリーカが笑顔で片手を差し出したことで、その警戒は更に薄れた。
「プニちゃんの友だちなら、あたしも友だち! 何もしないよ。仲良くしよう!」
ユリーカがそっと近づくと、Z2は動かない。今度は距離を取らない。
それを警戒を解いてくれたと解釈したユリーカはそっと抱き上げ、Z2の顎の下辺りを擽る。こうすると、プニちゃんが喜んでくれるからだ。その証拠に、プニちゃんは自慢気にうんうんと頷いている。
ただ、ちょっと長い間擽り続けたせいで、Z2はぐったりとうな垂れてしまったが。人間に対する誤解を。人間への警戒心を。解いてくれたようだった。
ユリーカとバシャーモ仮面の上空を、一台のヘリが通過する。サトシたちが搭乗しているヘリだ。バシャーモ仮面は手を上げ、位置を伝えた。
二人がヘリに搭乗してしばらく経過した頃。巨石をスキャンした結果が出たため、プラターヌ博士が通信機を通じてサトシたちに報告する。
あの巨石自体は、全体が物凄いエネルギーの塊で、そのエネルギーはジガルデのものと酷似していた。似ていないのは色くらいだろうか。
こんのすけの首輪は、サニワの生体反応を受け取っていた。眠り続けているのだろうが、彼女はまだ生きている。
フラダリラボで得たデータに、サニワの健康状態に関するデータが残っていた。フラダリラボからプニちゃんを逃がす際にジガルデのエネルギーを取り込んでしまったサニワを、巨石がその莫大なエネルギーを求めて彼女ごと取り込んだと考えられる。
「ダイゴさま。先ほどの博士の解説に僕の推測も加えさせてください。主さまの神通力の源……神力は膨大です。莫大なエネルギーを巨石が求めているというのなら、主さまの泉のように溢れ出る神力を求めていても不思議ではありません」
「そうだね。巨石はサニワちゃんのエネルギーだけじゃ、まだまだ物足りないらしい。実際に次のエネルギーを求めて進撃を続けている」
進行方向を図解したデータが、ダイゴたちの搭乗しているヘリに表示される。カロス地方の五角形の地図。そして、巨石が進む方向。そこには、ヒャッコクシティの日時計があった。
ヒャッコクの日時計は、宇宙から飛来したとも言われる巨大な結晶体だ。それが放つエネルギーは、ポケモンがメガシンカした際に放つエネルギーと同じものだということが、以前の研究によって明らかになっている。
もしも、巨石がヒャッコクの日時計に接触・吸収したら。膨大なエネルギーが世界中を覆い、この世界が吹き飛ぶことだろう。まさに、世界の終わりだ。
そこまでして、この世界を破壊したいのか。悔しさのあまり、アランは己の拳を壁に叩きつけた。
あの時に、サニワの忠告に従っていたら。アランの胸いっぱいに、後悔の念が広がっていく。だがもう遅い。
アランが吐露したのは、サニワへの懺悔。そして謝罪の言葉だった。
「……サニワ、すまない。お前の忠告を、もっと早く聞いていたらっ……!」
「アラン、サニワに会ってたのか」
「あぁ。初めて会ったのが遺跡で……忠告されたのは、カナズミのデボンコーポレーション、そしてフラダリラボだった。代表と関わるな。狂気が幕を開ける前に逃げろと、話を聞いていたのに……。だが……もう、遅いな」
「アラン……」
サニワさん優しいから、きっと許してくれるよ。マノンの言葉は続かなかった。この戦いで、サニワが死ぬかもしれないと。薄々感じ取っていたからだ。
サニワのサーナイトは、マノンの感情を感じ取ってか、優しく背中をさすった。