第41話

 フレア団が引き起こした、カロス破壊。セレナとマノンは、フラダリラボでホウエン地方チャンピオン・ダイゴと合流し、眠り姫となったサニワを救出。
 まだ眠り続けているサニワが起こすヒントが見つかるかもしれないと、巨石が眠る部屋へ突撃した。

 ユリーカはバシャーモ仮面とともに、暴走するプニちゃんの前に立ちはだかり、その絆でプニちゃんのマインドコントロールを打ち破った。

 シトロンはシトロイドの記憶(メモリ)を引き換えに、クセロシキによるマインドシステムの破壊に成功。 

 プリズムタワー屋上では。フラダリの狂気が幕を開け、彼のたくらみを止めるため、サトシたちはメガギャラドスとの激戦を繰り広げる。
 ピカチュウがその返り血のような赤黒い体に電光石火で突っ込むと、ぐらりと大きな巨体が揺らぐ。その隙にメガリザードンのドラゴンクロー、ゲッコウガの居合切りが炸裂した。
 とどめにピカチュウの10万ボルトが急所に命中。遂に、ギャラドスのメガシンカが解除された。戦闘不能の合図だ。


「貴方の言う“凶暴さ”と“競争本能”は、ここに敗れた!」
「もうお終いだ、フラダリ!」


 ニヒルな笑みを浮かべながら、色違いのギャラドスをボールへ戻すフラダリ。おもむろに、後ろへ下がり始める。
 こんのすけはその意図に気がついた。プリズムタワーから飛び降り、自害するつもりだ。だが何も言わなかった。


「……こんなことで、私の望みは潰えない。私が世界を変えるのだ!」
「ゲッコウガ‼︎」


 ゲッコウガの長い舌が、フラダリの身体目がけてロープのように伸びる。ところが。フラダリの身体が擦り抜けるかのように、重力に従って下へと落ちていった。
 サトシたちが下を見ると。既にフラダリの身体は見えない距離にまで落下していた。

 パキラが力なく地面に膝を付く。この事件が無事に収束したら、フラダリとともに自首して。社会に復帰したら、また彼を支え続けようと思っていたのかもしれない。
 こんのすけは、ぴょんとパキラの肩に乗って慰めた。だがその慰め方がずれていた。異世界間には相当文化の相違があるらしい。


「僕の世界で悪人と呼ばれる方は、最後は大抵自害だった。自害はある意味名誉でもあるんです。このまま死なせてあげましょう」
「それは……。お前の世界の価値観だろ……」
「……自殺が名誉、って……。貴方の世界、相当狂ってるわね。修羅の国出身なの?」
「違いますよ。いやまあ、狂っているのは否定できないですけども……」
「そこは否定しろ」


 こんのすけが苦笑いを浮かべると、サトシの持っていた通信機が着信を告げる。シトロンが有事の際にと造っておいたものだ。通信の相手は、フラダリラボにいるセレナだった。


「セレナ! 今どこにいるんだ⁉︎」
「フラダリラボで、サニワさんを助け出したところ! マノンとプラターヌ博士、ダイゴさんも一緒よ!」
「マノン⁉︎ マノンもいるのか⁉︎」
「ここにいるよアラン! サニワさんも生きてる! サニワさん、まだ眠ったままだけど……」


 サニワの無事を聴き、こんのすけとアランはホッと安堵で胸を撫で下ろした。だがまだジガルデのエネルギーの影響で眠ったままだ。
 アランの肩に移動したこんのすけが現在地を伝えると、セレナはジムに向かって欲しいと告げる。そこにシトロンがいると。
 セレナ自身はサニワを眠りから覚ます方法はないのか、フラダリラボの巨石がある研究施設を調査する予定だ。

 フラダリラボの通路では、ロケット団がアケビ・モミジたちと交戦していた。マニューラの氷技とドラピオンの毒技がソーナンスを襲うが、カウンターで跳ね返す。


「コジロウ、糸を吐く!」
「俺は虫タイプじゃないっての」


 カメラを改造した発射装置から、マグナムのように投網が打ち出される。
 元々ピカチュウ用に開発したそれは、身体の大きな人間女性には窮屈なもの。ポケモンたちの鋭利な爪も瀕死状態では使えない。なかなか身動きが取れず、とても脱出は不可能に思えた。


「フレア団、召し捕ったり!」
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