第33話
フラダリラボでは、ポケモンがメガシンカする時に放つエネルギーを平和利用できないかと、データ収集に勤しんでいる最中らしい。彼の部下であるという、アランの装着するメガリングを通して。
恐らくアランのメガリングは、フラダリが授けたものなのだろう。サニワはアランのメガリングをじっと見詰めた。
フラダリが所持している携帯端末を操作すると、木簡のディスプレイが表示される。それはダイゴが探し求めていたものだった。
「すごいねサニワちゃん! 確かにカロス地方はホウエン地方よりも北に位置しているし、寒冷な場所だよ!」
「ほう! ガラルチャンピオンは特殊能力……予知夢でも扱えるのですかな?」
「えぇ、予知しようとして見ることはないそうですが。他にも、他の人には視えざるものが視えたり、怪我を治したり……本当に凄い子なんですよね。シンオウ地方にあるズイの遺跡のアンノーン文字も解読したし……シロナも考古学者として絶賛していました」
「……あの、ダイゴさん……」
「そうそう、木簡だったね、木簡。教えてくれてありがとうサニワちゃん。ボクのはこれです」
ダイゴはサニワの頭を撫で繰り回しつつ、木簡を表示したタブレットを手渡す。
木簡はいくつかに分けられて作られており、それぞれ記載されている内容が異なっている。ダイゴとフラダリの持つ情報を重ね合わせれば、よりメガシンカについての真実に近づけるのやもしれない。
ダイゴが持つ木簡には、古代人が持つ巨石がこの遺跡に存在していたようだ。そしてそれを出現させる鍵は、フラダリの持つ木簡に記されていた。
どうやら遺跡の最奥部に位置する階段を登った先、そこに二つのキーストーンを置けば新たなる道が開かれる。
ダイゴはフラダリたちを誘導し、二つの柱の聳え立つ場所へ先立って案内する。
「アラン」
「わかった」
二人が柱に手を添えると、装飾で掘られた溝に七色の光が彩られていく。まるで水を流すかのように。それは床にも広がっていき、天へと続く七色の階段が現れた。
「参りましたね……。フラダリさん、貴方がいなければ、ボクはシンオウやイッシュで穴を掘っていたかもしれない。アランも、キミがここに来なければこの道は開かれていなかった。感謝するよ」
「チャンピオンに感謝されちゃって〜! このこの〜」
「では、行きましょう! ……サニワちゃん?」
相変わらず無表情に変わりないが、不安そうにこんのすけを抱きしめ、首をふるふると左右に振っている。
「……ダイゴさ、危ない」
「大丈夫さ。このホウエンで一番強くて凄いボクが付いてる。それにキミの実力も折り紙付きだろう?」
「……もう。わたし、ちゃんと、言った」
ダイゴの言葉に折れたのか、サニワは諦めたように首を振ると、天まで続く階段を登っていった。
雲海を突き抜けた先、その終着点は天空の城だ。所々瓦礫が残っており、雲海を一望できる風景はまるで竹田城を彷彿とさせる。
天空の城の最奥部まで進むと、祭壇のような場所に到達した。サニワは近くの瓦礫に彫られた文字を不思議そうに眺めるも、楔形文字とアラビア文字を足して二で割ったような形状の言語は全く読めない。
「……?」
「任せて、ボクが解読しよう。なになに……『二つの祭壇に、異なるキーを翳せ』。アラン! 向こうの祭壇に!」
「わかった!」
アランが反対方向の祭壇へ、そしてダイゴはサニワの近くの祭壇にキーストーンを翳す。すると、先ほどのように七色の光が徐々に遺跡を包んでいく。神秘的な光景に、マノンは感嘆の声を上げた。
床が同じように七色に輝き、床の一部が襖を開くように動いた。その下から磁力か何かが発生しているのか、巨石がふわりとひとりでに宙に浮かび上がる。巨石が完全に地上へ現れると、キーストーンを翳した祭壇は床に埋もれた。
「見つけた……! 伝説の巨石!」
「メガシンカのルーツ……」
「キーストーンも反応しています!」
アランの報告を受け、フラダリはラボの担当者であろう人物に連絡を取る。
あらかじめ準備を整えていたのか、すぐにフラダリラボの航空機数台が遺跡へと着陸。その風圧でサニワの小さな身体は吹き飛ばされ、地面へ転がった。
『痛ぁ……。』
「サニワちゃん、大丈夫かい⁉︎」
『ご心配なく、小官は負傷しておりません。ですが、メガシンカエネルギーの平和利用と言っていましたね……。正直、小官は本当に平和のためのものなのか信用できません。ダイゴ様、どうか警戒を怠らず』
「ちょっと待って今何て言ったの?」
思わず元の世界の言語で喋ってしまったサニワは慌てて口を閉ざす。幸いフラダリたちの耳には届いていないようで、航空機に搭乗していた研究員たちに淡々と指示を出していた。
機械から謎の光線を出し、巨石の成分の分析をするというフラダリ。その言葉には間違いないようで、研究員たちの操作するノートパソコンのディスプレイには、メガシンカと同じ波長が表示されている。だがその熱量は、メガストーンのそれを遥かに超越していた。
恐らくアランのメガリングは、フラダリが授けたものなのだろう。サニワはアランのメガリングをじっと見詰めた。
フラダリが所持している携帯端末を操作すると、木簡のディスプレイが表示される。それはダイゴが探し求めていたものだった。
「すごいねサニワちゃん! 確かにカロス地方はホウエン地方よりも北に位置しているし、寒冷な場所だよ!」
「ほう! ガラルチャンピオンは特殊能力……予知夢でも扱えるのですかな?」
「えぇ、予知しようとして見ることはないそうですが。他にも、他の人には視えざるものが視えたり、怪我を治したり……本当に凄い子なんですよね。シンオウ地方にあるズイの遺跡のアンノーン文字も解読したし……シロナも考古学者として絶賛していました」
「……あの、ダイゴさん……」
「そうそう、木簡だったね、木簡。教えてくれてありがとうサニワちゃん。ボクのはこれです」
ダイゴはサニワの頭を撫で繰り回しつつ、木簡を表示したタブレットを手渡す。
木簡はいくつかに分けられて作られており、それぞれ記載されている内容が異なっている。ダイゴとフラダリの持つ情報を重ね合わせれば、よりメガシンカについての真実に近づけるのやもしれない。
ダイゴが持つ木簡には、古代人が持つ巨石がこの遺跡に存在していたようだ。そしてそれを出現させる鍵は、フラダリの持つ木簡に記されていた。
どうやら遺跡の最奥部に位置する階段を登った先、そこに二つのキーストーンを置けば新たなる道が開かれる。
ダイゴはフラダリたちを誘導し、二つの柱の聳え立つ場所へ先立って案内する。
「アラン」
「わかった」
二人が柱に手を添えると、装飾で掘られた溝に七色の光が彩られていく。まるで水を流すかのように。それは床にも広がっていき、天へと続く七色の階段が現れた。
「参りましたね……。フラダリさん、貴方がいなければ、ボクはシンオウやイッシュで穴を掘っていたかもしれない。アランも、キミがここに来なければこの道は開かれていなかった。感謝するよ」
「チャンピオンに感謝されちゃって〜! このこの〜」
「では、行きましょう! ……サニワちゃん?」
相変わらず無表情に変わりないが、不安そうにこんのすけを抱きしめ、首をふるふると左右に振っている。
「……ダイゴさ、危ない」
「大丈夫さ。このホウエンで一番強くて凄いボクが付いてる。それにキミの実力も折り紙付きだろう?」
「……もう。わたし、ちゃんと、言った」
ダイゴの言葉に折れたのか、サニワは諦めたように首を振ると、天まで続く階段を登っていった。
雲海を突き抜けた先、その終着点は天空の城だ。所々瓦礫が残っており、雲海を一望できる風景はまるで竹田城を彷彿とさせる。
天空の城の最奥部まで進むと、祭壇のような場所に到達した。サニワは近くの瓦礫に彫られた文字を不思議そうに眺めるも、楔形文字とアラビア文字を足して二で割ったような形状の言語は全く読めない。
「……?」
「任せて、ボクが解読しよう。なになに……『二つの祭壇に、異なるキーを翳せ』。アラン! 向こうの祭壇に!」
「わかった!」
アランが反対方向の祭壇へ、そしてダイゴはサニワの近くの祭壇にキーストーンを翳す。すると、先ほどのように七色の光が徐々に遺跡を包んでいく。神秘的な光景に、マノンは感嘆の声を上げた。
床が同じように七色に輝き、床の一部が襖を開くように動いた。その下から磁力か何かが発生しているのか、巨石がふわりとひとりでに宙に浮かび上がる。巨石が完全に地上へ現れると、キーストーンを翳した祭壇は床に埋もれた。
「見つけた……! 伝説の巨石!」
「メガシンカのルーツ……」
「キーストーンも反応しています!」
アランの報告を受け、フラダリはラボの担当者であろう人物に連絡を取る。
あらかじめ準備を整えていたのか、すぐにフラダリラボの航空機数台が遺跡へと着陸。その風圧でサニワの小さな身体は吹き飛ばされ、地面へ転がった。
『痛ぁ……。』
「サニワちゃん、大丈夫かい⁉︎」
『ご心配なく、小官は負傷しておりません。ですが、メガシンカエネルギーの平和利用と言っていましたね……。正直、小官は本当に平和のためのものなのか信用できません。ダイゴ様、どうか警戒を怠らず』
「ちょっと待って今何て言ったの?」
思わず元の世界の言語で喋ってしまったサニワは慌てて口を閉ざす。幸いフラダリたちの耳には届いていないようで、航空機に搭乗していた研究員たちに淡々と指示を出していた。
機械から謎の光線を出し、巨石の成分の分析をするというフラダリ。その言葉には間違いないようで、研究員たちの操作するノートパソコンのディスプレイには、メガシンカと同じ波長が表示されている。だがその熱量は、メガストーンのそれを遥かに超越していた。