第27話
一方その頃、ライモンシティでは。
街全体の通信障害に加え、跳ね橋が制御不能状態に陥るトラブルが発生。警察やジョーイはその対応に追われ、街はてんやわんやとなっていた。
幽霊列車の件も含め、度重なる事件に不信感を抱いたデントは考え込む。
「ここまで連続で事件が起きるということは、誰かが意図的にやっているとしか……」
「皆さま! お助けください! 主さまが、主さまが……‼︎」
慌ててポケモンセンターのロビーに駆け込んできたのは、サニワがいつも連れている管狐であった。
彼の身体は何者かに襲われたのか傷だらけで、いつも美しく整えられている毛並みもボサボサに乱れている。息も絶え絶えで、足元もふらついていた。
「こんのすけ⁉︎ ボロボロじゃないか!」
「一体何があったんだ⁉︎」
「主さまが、何者かに襲われ誘拐されました‼︎ 去り際に襲った輩が話していたのですが……ポケモンセンターに預けられているポケモンたちも盗むつもりのようです!」
「何ですって⁉︎」
必死に訴える妖狐の言葉を聞いた彼らは、慌ててモンスターボールの保管庫へ直行する。ところが、既にそこはもぬけの殻であった。
犯人は勢いよく空気を吸い込む空気孔から出入りしたのだろう。サトシたちはダクトの中へ飛び込み、ジョーイはジュンサーへ通報しに駆け出した。
ダクトを通過すると、そこは地下鉄の線路の上。まともに受け身の取れなかったサトシたちは、うまく着地ができず線路の上に投げ出される。
サトシたちの目前には幽霊列車が立ちはだかっているが、その前に一つの小さな影がぽつりと佇んでいた。
「ニャース! お前、無事だったのか!」
「貴方もポケモン泥棒を追ってきたの⁉︎」
影の正体はニャースだった。サトシたちはニャースの無事に安堵していたが、こんのすけだけはグルルルと喉を鳴らして威嚇する。
「……主さまを返せ! この泥棒猫め‼︎」
「コンコンとうるさい狐だニャ。でも、おミャーらの協力には感謝するニャ。感謝感激雨霰だニャ!」
「どういうこと⁉︎」
「……さぞ、私たちは格好の隠れ蓑になったでしょうね」
サトシたちと同行することにより、ニャースは誰にも怪しまれることなく、ライモンシティのポケモンセンター内に忍び込むことができたのだ。
否、唯一サニワだけが彼の態度を訝しんでいたが、その彼女も何者かに襲われ、拉致されてしまった。
「やっぱり騙してたのね……!」
「その通り!」
「お前らの連れのジャリガールは気づいていたようだったがな。さすがはチャンピオン、と言ったところか」
ニャースの仲間であった、否、仲間のムサシとコジロウが幽霊列車から現れた瞬間、こんのすけは一気に毛を逆立て、牙を剝く。
主人であるサニワは彼らに誘拐されたのだから。彼が憤怒の表情を浮かべるのも、当然だった。
「主さまを誘拐して、一体どうするんですか……!」
「あのジャリガールは……いえ、ジャリガールの力の可能性は無限大なのよ!」
「ジャリガールから力を奪えば、世界征服も時間の問題だからな!」
「何だって⁉︎」
「今更何を言っても負け犬の遠吠えニャ!」
「退きなさい! コロモリ、エアスラッシュ‼︎」
サトシたちに無数の空気の刃が襲来する。当たる前に端に避けたものの、その隙にサニワや盗んだポケモンたちを乗せた列車は発車してしまう。
慌ててこんのすけが列車を追うも、傷が痛んで足を止めてしまった。
「こんのすけ、無茶しないで! 貴方、今怪我してるのよ‼︎」
「ですが……このままだと、主さまが!」
「ライモン中央駅の管理室へ行こう。そこへ行けば、幽霊列車がどこにいるかわかるはずだ!」
デントの提案により、サトシたちはその管理室へ向かう。この状況では最善だとはわかっていても、不安が心を包み込む。まるで、紙に墨汁が染み込むように、じわじわと。
こんのすけは、主人の無事を祈らずにはいられなかった。
街全体の通信障害に加え、跳ね橋が制御不能状態に陥るトラブルが発生。警察やジョーイはその対応に追われ、街はてんやわんやとなっていた。
幽霊列車の件も含め、度重なる事件に不信感を抱いたデントは考え込む。
「ここまで連続で事件が起きるということは、誰かが意図的にやっているとしか……」
「皆さま! お助けください! 主さまが、主さまが……‼︎」
慌ててポケモンセンターのロビーに駆け込んできたのは、サニワがいつも連れている管狐であった。
彼の身体は何者かに襲われたのか傷だらけで、いつも美しく整えられている毛並みもボサボサに乱れている。息も絶え絶えで、足元もふらついていた。
「こんのすけ⁉︎ ボロボロじゃないか!」
「一体何があったんだ⁉︎」
「主さまが、何者かに襲われ誘拐されました‼︎ 去り際に襲った輩が話していたのですが……ポケモンセンターに預けられているポケモンたちも盗むつもりのようです!」
「何ですって⁉︎」
必死に訴える妖狐の言葉を聞いた彼らは、慌ててモンスターボールの保管庫へ直行する。ところが、既にそこはもぬけの殻であった。
犯人は勢いよく空気を吸い込む空気孔から出入りしたのだろう。サトシたちはダクトの中へ飛び込み、ジョーイはジュンサーへ通報しに駆け出した。
ダクトを通過すると、そこは地下鉄の線路の上。まともに受け身の取れなかったサトシたちは、うまく着地ができず線路の上に投げ出される。
サトシたちの目前には幽霊列車が立ちはだかっているが、その前に一つの小さな影がぽつりと佇んでいた。
「ニャース! お前、無事だったのか!」
「貴方もポケモン泥棒を追ってきたの⁉︎」
影の正体はニャースだった。サトシたちはニャースの無事に安堵していたが、こんのすけだけはグルルルと喉を鳴らして威嚇する。
「……主さまを返せ! この泥棒猫め‼︎」
「コンコンとうるさい狐だニャ。でも、おミャーらの協力には感謝するニャ。感謝感激雨霰だニャ!」
「どういうこと⁉︎」
「……さぞ、私たちは格好の隠れ蓑になったでしょうね」
サトシたちと同行することにより、ニャースは誰にも怪しまれることなく、ライモンシティのポケモンセンター内に忍び込むことができたのだ。
否、唯一サニワだけが彼の態度を訝しんでいたが、その彼女も何者かに襲われ、拉致されてしまった。
「やっぱり騙してたのね……!」
「その通り!」
「お前らの連れのジャリガールは気づいていたようだったがな。さすがはチャンピオン、と言ったところか」
ニャースの仲間であった、否、仲間のムサシとコジロウが幽霊列車から現れた瞬間、こんのすけは一気に毛を逆立て、牙を剝く。
主人であるサニワは彼らに誘拐されたのだから。彼が憤怒の表情を浮かべるのも、当然だった。
「主さまを誘拐して、一体どうするんですか……!」
「あのジャリガールは……いえ、ジャリガールの力の可能性は無限大なのよ!」
「ジャリガールから力を奪えば、世界征服も時間の問題だからな!」
「何だって⁉︎」
「今更何を言っても負け犬の遠吠えニャ!」
「退きなさい! コロモリ、エアスラッシュ‼︎」
サトシたちに無数の空気の刃が襲来する。当たる前に端に避けたものの、その隙にサニワや盗んだポケモンたちを乗せた列車は発車してしまう。
慌ててこんのすけが列車を追うも、傷が痛んで足を止めてしまった。
「こんのすけ、無茶しないで! 貴方、今怪我してるのよ‼︎」
「ですが……このままだと、主さまが!」
「ライモン中央駅の管理室へ行こう。そこへ行けば、幽霊列車がどこにいるかわかるはずだ!」
デントの提案により、サトシたちはその管理室へ向かう。この状況では最善だとはわかっていても、不安が心を包み込む。まるで、紙に墨汁が染み込むように、じわじわと。
こんのすけは、主人の無事を祈らずにはいられなかった。