第1話
そして翌日。シュートシティのリーグ本部会議室。
各地のジムリーダーと新旧チャンピオンだけでなく、元ジムリーダーのポプラやネズ、ソニア、ホップ、オリーヴまでもが集合していた。
サニワは死んだ魚のような、虚な目だった。その周りをジムリーダーが取り囲むように座っており、ダンデは彼女の向かい側に腰を下ろし、その傍らにオリーヴが佇んでいた。
「皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます」
「オリーヴ! お前、ガラル鉱山で社会貢献していたんじゃなかったのか⁉︎」
「それについては、オレの方から説明させてもらうぜ!」
一気にざわめき立つ会議室。ホップが作成した資料を手に、前チャンピオンのダンデが立ち上がる。それは、騒がしい室内を静めるには十分だった。
「……まず初めに、サニワくんがイッシュ地方へ行く事になった。本人との協議の結果、来週にはこのガラルを出る。ちょっとした気分転換になれば良いと思ってな!」
「随分急な話じゃねーですか……。それにしても、数ある地方の中でイッシュを選んだんです?」
「シンオウやカブさんの出身地であるホウエン、カントーはサニワの住んでいた世界の文化によく似ているらしい。特にジョウトはその傾向が顕著だからなあ……」
「アローラ地方は候補に上がらなかったの? モデルの仕事で行ったけど、あそこも綺麗な海に囲まれて、とっても素敵な場所よ!」
ダンデが話している途中でルリナが割って入る。ルリナは4つの島で成り立つ、常夏のアローラ地方を推薦していた。
だが、サニワはアルビノだ。紫外線から守るためのメラニン色素がない。
ガラル地方では長袖に日焼け止めを塗ったくり、サングラスをかける程度で済んでいるが、常夏のアローラ地方の紫外線は、このガラルよりも大量に降り注ぐ。日差しも強く、とてもではないが日中は目を開けていられないだろう。常夏のアローラはサニワにとって厳しい気候なのだ。
「サニワがいなくなるのか……。オレさまは寂しいぜ」
「安心しろキバナ、ほんのしばらくの間だ。すぐに戻ってくるさ」
「ところでダンデくん。サニワとオリーヴさんの社会貢献が終わるのと、何か関係があるのかな?」
カブが鋭い目つきでダンデを射抜く。だがその威圧感を物ともせずに、オリーヴ自身が回答した。さすがはローズの元秘書といったところだろうか。
「ポケモンリーグのオフシーズンといえど、チャンピオンの仕事が大量にございます。ですので、その間わたくしがダンデさんのサポートを行う次第です」
「元々オリーヴさんは、ローズさんの秘書じゃったからなあ。その経験を買ったんでしょう」
「……でもオリーヴさんは、チャンピオンのご経験がないのでは?」
「基本的には俺がこなすさ。だが、俺はバトルタワーの支配人の業務もあるし、あくまでサポートをしてもらうつもりだ。もちろん君たちにも協力してもらうぜ!」
珍しく不安を見せるサイトウに対し、眩しい笑顔で対応するダンデ。最後にちゃっかりと仕事を手伝ってもらうと宣言するが、ジムリーダーからは特に嫌がられる事もなく受け入れられた。
それが気に食わない妖狐は鼻であしらいった。その顔はチベットスナギツネそのものだ。そして主人は相変わらず表情が死んでいる。
しばらくして会議が終了すると、ジムリーダーたちがサニワに餞の言葉をかけ、会議室を後にしていく。彼女はそれを無表情のまま聞いていた。
その光景はまるで、魂のない人形へ、嬉々として話しかけるようで。異様だった。
各地のジムリーダーと新旧チャンピオンだけでなく、元ジムリーダーのポプラやネズ、ソニア、ホップ、オリーヴまでもが集合していた。
サニワは死んだ魚のような、虚な目だった。その周りをジムリーダーが取り囲むように座っており、ダンデは彼女の向かい側に腰を下ろし、その傍らにオリーヴが佇んでいた。
「皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます」
「オリーヴ! お前、ガラル鉱山で社会貢献していたんじゃなかったのか⁉︎」
「それについては、オレの方から説明させてもらうぜ!」
一気にざわめき立つ会議室。ホップが作成した資料を手に、前チャンピオンのダンデが立ち上がる。それは、騒がしい室内を静めるには十分だった。
「……まず初めに、サニワくんがイッシュ地方へ行く事になった。本人との協議の結果、来週にはこのガラルを出る。ちょっとした気分転換になれば良いと思ってな!」
「随分急な話じゃねーですか……。それにしても、数ある地方の中でイッシュを選んだんです?」
「シンオウやカブさんの出身地であるホウエン、カントーはサニワの住んでいた世界の文化によく似ているらしい。特にジョウトはその傾向が顕著だからなあ……」
「アローラ地方は候補に上がらなかったの? モデルの仕事で行ったけど、あそこも綺麗な海に囲まれて、とっても素敵な場所よ!」
ダンデが話している途中でルリナが割って入る。ルリナは4つの島で成り立つ、常夏のアローラ地方を推薦していた。
だが、サニワはアルビノだ。紫外線から守るためのメラニン色素がない。
ガラル地方では長袖に日焼け止めを塗ったくり、サングラスをかける程度で済んでいるが、常夏のアローラ地方の紫外線は、このガラルよりも大量に降り注ぐ。日差しも強く、とてもではないが日中は目を開けていられないだろう。常夏のアローラはサニワにとって厳しい気候なのだ。
「サニワがいなくなるのか……。オレさまは寂しいぜ」
「安心しろキバナ、ほんのしばらくの間だ。すぐに戻ってくるさ」
「ところでダンデくん。サニワとオリーヴさんの社会貢献が終わるのと、何か関係があるのかな?」
カブが鋭い目つきでダンデを射抜く。だがその威圧感を物ともせずに、オリーヴ自身が回答した。さすがはローズの元秘書といったところだろうか。
「ポケモンリーグのオフシーズンといえど、チャンピオンの仕事が大量にございます。ですので、その間わたくしがダンデさんのサポートを行う次第です」
「元々オリーヴさんは、ローズさんの秘書じゃったからなあ。その経験を買ったんでしょう」
「……でもオリーヴさんは、チャンピオンのご経験がないのでは?」
「基本的には俺がこなすさ。だが、俺はバトルタワーの支配人の業務もあるし、あくまでサポートをしてもらうつもりだ。もちろん君たちにも協力してもらうぜ!」
珍しく不安を見せるサイトウに対し、眩しい笑顔で対応するダンデ。最後にちゃっかりと仕事を手伝ってもらうと宣言するが、ジムリーダーからは特に嫌がられる事もなく受け入れられた。
それが気に食わない妖狐は鼻であしらいった。その顔はチベットスナギツネそのものだ。そして主人は相変わらず表情が死んでいる。
しばらくして会議が終了すると、ジムリーダーたちがサニワに餞の言葉をかけ、会議室を後にしていく。彼女はそれを無表情のまま聞いていた。
その光景はまるで、魂のない人形へ、嬉々として話しかけるようで。異様だった。