幸せ
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不意に、平助が少しだけ、寂しそうな顔をする。
「……けど、もし彼奴が京に来ないで江戸に残ってたら、今頃は世帯持って、平穏な暮らしが出来てたのかな……」
遠くを見つめるその眼差しに、私は平助君の色んな思いを感じ取って。
「でも、如月さんはそれを選ばなかったんだよね?」
「え……」
平助君が驚いたように、此方を見た。
「如月さんに聞いた事があるの。新選組は如月さんにとって、とても大切なものだって。皆さんのお陰で、自分は此処にいられる、って。だからどんな事があっても、守り抜かないといけないんだって。……新選組も、皆さんの事も」
「ほたるが……?」
「うん。新選組のお仕事は危険な事も多いし、大変だと思うけど……そんな事よりも、 如月さんにはきっと、平助君達といる事こそが、幸せなんじゃないかな」
新選組の皆さんの事を話す如月さんは、本当に優しい表情をしていて。
また、如月さんの事を思う皆さんの気持ちも、私はいろんな場面で目にしてきた。
だからこそ、人の幸せというのは、決して他人では計り知れないものだとも思う。
【誰か】の存在が幸せに直結するなんて、すごく素敵な事で、その思いはとても温かい。
「……そっか。ほたるがそう思ってくれてるなら、オレも嬉しいよ」
そう言いながら微笑んだ平助君の顔は、やっぱり優しくて。
そんな如月さんと平助君の関係は、ちょっぴり羨ましい。
こんなにも信頼し合える人達と出会える事なんて、きっとそうないから。