過去の記憶
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にこにこと笑って、楽しそうに話をしながら昇降口へ向かって行くその後ろ姿を見つめる。
────遠い記憶。
両親を幼くして亡くした俺には、双子の妹がいた。
だが俺達は、それぞれ別の家に引き取られる事になり、殆ど会えずに過ごしてきた。
引き取られた家の近くには試衛館という剣術道場があったが、特にそんなものに興味がなかった俺には無縁の場所。
そんなある日────。
買い物を申し付けられて出掛けた帰り道。
沢山の荷物を抱えていた俺は、足元にあった石に気付かず派手に転んでしまった。
急いで立ち上がり散らばる野菜を慌てて集めていると、視界の端に細い手が伸びてくるのが映る。
リュックサックを背負い、竹刀が入っているのだろう防具入れを肩に掛けた袴姿の少女が、転がったじゃがいもや玉ねぎをひとつずつ丁寧拾い上げている。
一瞬呆気に取られるが、すぐに我に返り黙々と俺もそれらを拾う。