第四話
夢小説設定
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「えっと……井戸ってのは、こっちだって言ってたよな」
……此処だな。
俺は釣瓶で井戸水を掬い上げ、汲み立ての水で顔を洗う。
二月の水は冷え切っており、いっぺんに目が覚めた。
「そこ、どいて。邪魔だよ」
突然、背後から声を掛けられる。
振り返る間もなく突き飛ばされた俺は、地面に尻餅をついてしまう。
「な、何なんだあんたは!?何しやがる!!」
「【何なんだ】って……随分な挨拶だね。人に名前を聞く時は、自分から名乗るのが礼儀じゃないの」
男は、悪びれる様子もなく冷ややかな口調で言い放った。
「何言ってやがる!俺をいきなり後ろから突き飛ばしたのは、あんただろうが!!」
「そんな所に、ぼけっと突っ立ってる方が悪いんだよ。この井戸は、君一人の物じゃないんだから」
「顔を洗ってた事ぐらい、見りゃ分かるだろうが!俺が終わるまで、後ろに並んで待てば良いだけの事じゃないか!」
俺はその男に食ってかかるが、そいつは動揺する様子も見せない。
「何?そんなに気に入らないなら、剣で決着つけようか?腰に、刀差してるみたいだし」
男の好戦的な言葉に、俺は身を固くする。
斬り合いが怖いわけじゃない。
ただ────刀を抜くという事に、抵抗があった。