第十一話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
将軍公が京を訪れるというのは、まさに異例中の異例の事態。
京の町は、まさにお祭り騒ぎだった。
普段の緊迫した空気が薄れ、反対にざわめきの騒々しさが増している。
人々も浮かれているのだろう。
大通りは、入洛してきた家茂公を一目見ようとする野次馬でごった返していた。
浪士組も総出で大通りに押し掛けてきたけれど……。
『わぁっ……すごい人……』
「だな。これじゃ不逞浪士が混じってても、まず分かんねえぞ……」
「とりあえず俺達も前に出てえよな。こんな後ろで警護も何もないだろ?」
「だよな!人混み掻き分けてくだけで、かなりくたびれちまいそうだけど……」
緊張した面持ちの近藤さんが、大きく一歩踏み出して言う。
「此処を通されたい!我ら浪士組、将軍家茂公の警護に馳せ参じた!」
浪士組と名乗ったところで、大抵の人間は何の事か分からないだろう。
だが、人垣は少しずつ崩れていく。
京の人々は、また不逞浪士が横暴を働きにきたとでも思っているのだろう。
当然、浪士組に向けられているのも、強い嫌悪がこもった冷たい視線だ。