思いやる気持ち
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平助と別れ、部屋に戻ったものの……やはり眠る事は出来なくて、俺は襖に手を掛ける。
再び部屋を出ると、庭に面している引き戸を少しだけ開けた。
廊下の柱に背中を預け、腰を下ろす。
視線を上げれば、無数の星達がきらきらと瞬いていた。
「……ほたる?」
廊下の軋む音と共に掛けられた声に振り向く。
「どうした、眠れねえのか?」
彼───左之さんは、傍にやってくるとそっと俺の顔を覗き込んだ。
「……隣、良いか?」
『えっ?あ、うん。どうぞ』
「んじゃ、ちょっくら失礼するぜ」
そう言って左之さんは俺の横に腰を下ろす。
何となく、言葉を発するのが躊躇われて……
虫達の声だけが、やたら大きく聞こえた。