約束
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「漸く、着いたな。ほたる、疲れただろう。今日から、暫くこの地に滞在するよ」
もう、どれほど前の事だろうか。
俺は、玲樹様という法師様と、色んな土地を渡り歩いていた。
これは、まだ日野に辿り着く前────副長達とはまだ出会う前の話。
様々な村を訪ね、困っている人達に農業や医術の知識を教え、人を助け、また助けられながら旅をしていた俺達。
……俺達、と言っても俺は玲樹様の簡単な手伝いをする程度で、いつか自分も誰かの役に立てるようになりたいな……なんてそんな事を思いながら彼の背中を見ていた。
『玲樹様、此処は何処なんですか?』
「此処は、土佐の国だよ。自然が豊かでとても綺麗なところだろう」
土佐。
初めて踏んだその地は、彼の言った通り、緑溢れる土地だった。
滞在する間の拠点とする場所を探しながら、俺は村の風景に目を向ける。
────玲樹様が町人と話をしているのを待っていた時だ。
「何度言ったら分かるんだ!!いつもいつも同じ間違いしやがって!!」
怒鳴り声と共に、目の前に男の子が転がってくる。
『っ…………!?』
何事かと目を見張ったその時、家の中から大人が出てきて、彼の胸ぐらを掴み更に声を荒らげた。
彼は泣く事もせず、じっと睨み付けていた。