光
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「あ……」
廊下の角を曲がると、その先に、柱に凭れ掛かったまま空を見上げる如月さんの姿があった。
月光に照らされたその横顔はすごく綺麗で……、だけど、何処となく悲しげにも見えて。
つい立ち止まってしまった私に気付いた如月さんが、軽く手を振ってくれる。
如月さんの傍まで来たものの、何と声を掛けたら良いものか迷っていると────。
『……俺さ、昔からこうやって月や星を眺めるのが好きなんだ』
空に視線を置いたまま、如月さんが口を開いた。
『すごく不思議な気持ちになるんだよね。竹取物語って知ってる?最後の場面でさ、月から天女や使者達がやって来るんだけど、本当にそんな事が起こりそうな……そんな気さえしてくる』
遠くを見つめている如月さんの胸中に、今どんな思いが渦巻いているのか。
私には、分からない。
「……如月さん」