薬草を摘みに
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「……ほら、前にさ、居たよねえ?こんな風に、境内で涼んでた、女の幽霊────」
『あ、あれは、階段に座ってたんじゃなくて、そこに立ってただけで……!』
天然というか、何というか……。
僕の冗談を素直に受け取って答えてくるところが、ほたるらしい。
「え?ほたる、詳しいね。もしかしてあの時の幽霊とお友達なの?あ、そういえば君……本当は雪女だったんだっけ?」
『いや、そういうわけじゃ……って、だから、今はそんな話じゃなくて!!』
しっかりしてるくせに、こんな事ひとつで慌てたり、怒ったり。
くるくると変わるその表情は、見ていて飽きる事がない。
そんなほたるとのやり取りが楽しくて、僕はつい、彼女を揶揄いたくなるんだ。
────彼女と別れた後、僕はふと思い出す。
ほたると山に薬草を摘みに行った、ある冬の日の事を────。