優しい嘘
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『あっ、一君。おかえり。巡察ご苦労様』
屯所を出ようとしたところで、羽織りを着た一君に出くわした。
「ああ。……ほたる、あんたはこれから出るのか?」
『うん。ちょっと偵察にね。帰るのは明日になるかな。……それにしても、今日は冷えるね』
ふと、先日雪うさぎを作った時の事を思い出す。
『また雪、降るかな……』
そんな事を口にしながら、そっと空を見上げれば、そこは分厚い雲に覆われていて。
今にも白い雪が舞い降りてきそうな空模様だった。
「ほたる、それでは少し軽装すぎるのではないか?日が落ちれば一段と冷え込む。風邪でも引いたら……」
『ありがとう。だけど大丈夫だよ。すぐそこだしさ、なるべく荷物は少なくしたいんだ。どうせ向こうで着替えなきゃいけないしね』
「…………」
物言いたげな表情でこちらを見つめていた一君だけど、やがて小さく息を吐き、自身の首元に手を伸ばす。
「……ほたる。これを持っていけ」