不器用な優しさ
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『痛っ……』
小さく声を上げた俺に、一君が振り返る。
「ほたる?どうした、大丈夫か」
今日は一君と俺が朝食当番。
俺は、お浸しにする野菜を切っていたのだけど……。
『あ、うん。ちょっと手元が滑って指を切っちゃっただけだから。気にしないで』
「何?……見せてみろ」
『大丈夫だよ、傷もそんなに深くないし────』
余計な手間を取らせまいと、そう否定するが……。
「良いから、見せてみろと言っている」
そう言われ、渋々手を差し出す。
一君の手が伸びてきて、まるで壊れ物を扱うように優しく俺の手を包み込んだ。