月夜の下で
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お銚子を載せた盆を手に、廊下を進む。
『…………』
芸者は座敷で料理は頂かないけど、お客さんからお酒を勧められる事は良くあって。
元々そんなにお酒を呑まないせいもあり、連日こうも飲み続けていると少し堪える。
勿論、そうも言ってられないけど……。
────そう思った矢先。
『……っ……』
不意に眩暈がして、足元がふらつく。
体勢を立て直そうとするけど……。
『っ…………!?』
それよりも先に、誰かに掴まれ、間一髪のところでお銚子を落とさずに済んだ。
尚も身体を支えてくれている人物を確認すべく、振り返ると────。
『……か、風間さん……!』
先日のお座敷での出来事が脳裏をよぎる。
「何だその顔は。お前は助けてもらった者に礼のひとつも言えんのか」
『すみません……ええと……ありがとうございます。助かりました』