肝試し
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねえねえ、ほたる」
呼び掛けられて振り返ると、そこにはにこにこと笑みを浮かべた総司がいた。
『うん?どうしたの?』
「実はさ、境内に幽霊が出るらしいんだ。女の人の霊」
『え』
ちょっと、その話って────。
「隊士達の間でも噂になってたよ。何でも、失恋して失意のうちに自殺しちゃった女の人の霊だとか?」
『…………』
「長い髪で、哀愁漂ってて、幽霊のくせに凄く綺麗だったんだって。ねえ、見てみたいと思わない?」
総司は俺の顔を覗き込みながら、俺の反応を確かめるかのようにじっと瞳を見つめてきた。
これは………総司の奴、絶対分かってて言ってる……!
『そ、それなら、そっとして置いてあげた方が良いんじゃない?八つ当たりとかされて呪われても困るし……』
「もしかして、怖いの?」
『そんなわけないだろ!』
すると総司は勝ち誇ったように笑いながら、言葉を続ける。
「じゃあ決まり!明日の夜、亥の刻になったら境内に集合。残念だけど、今夜は僕、夜の巡察当番なんだ」
いや、全然残念じゃないし、むしろ明日だって行かなくて良いんだけど……!
そう思ったけど、総司はさっさと元来た廊下を引き返して行ってしまった。
『はぁ……どうしよう……』
溜め息をつきながら、俺は総司の後ろ姿を見送った。