迷いと葛藤
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江戸への出張から戻ってきた平助と巡察に出掛けた俺は、京の町を彼と並んで歩く。
いつものように冗談を言い合い、いつものように他愛ない会話をし、いつものように笑い合う。
そんな、【いつもの】風景だった。
だけど────。
「……平助君はどう?久々に京に戻ってきて」
「あー、そうだなぁ。町も……人も、結構変わった気がするな……」
千鶴ちゃんからの問い掛けに答える平助の顔に、さっきまでの笑顔はなく、何処か彼らしからぬ、懐かしそうな、寂しそうな表情を浮かべる。
口を開こうとしたその時、平助が何かに気が付き手を振り始めた。
その視線を辿ると、総司率いる一番組もまた、巡察をしているところだった。
「おー総司!そっちはどうだった?」
「別に何も。普段通りだね」
そんな何気ない会話から、将軍上洛の話へと移行する。
しかし、平助は気のない相槌を打ったっきり沈黙した。
『平助……?』
何だか今日の平助は、不思議とそんな反応ばかりする。
何となく……一瞬だけど、ざわざわとした何かが、俺の胸を掠めたような気がした。