信頼
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眠るほたるを見つめながら、俺は数日前の事を思い出していた。
あんたの笑顔を、守ってやりたい、と────。
そう心に誓ったはずだ。
なのに。
俺は、何をしているのだ。
彼女が苦しんでいる時に、ただ見ている事しか出来ないとは……。
「ほたる」
俺の声は、届いているか?
何故、あんたは目を覚まさない────?
小さく息をつき、そっとその頬に触れる。
────すると、障子越しに、人の気配を感じた。
「……総司か?」
「あれ、一君も来てたんだ」
そう言いながら障子戸が開かれ、総司が入ってくる。
「……やっぱりまだ起きないんだ」
「ああ。無理もない。相当の負荷が掛かったのだろうからな。……身体にも、心にも」
「……そうだね」
────その後、俺と総司は、雪村がやってくるまで、互いに無言のまま静かにほたるを見守っていた。