第二百六十九話
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長かった冬も終わり、春の気配が見え始めた頃。
私は、現在の住まいから程近いところにある海外へとやって来ていた。
『う、寒……』
春が近付いているとはいえ、この国の冬は、日本とは比べ物にならないほど厳しい。
苛むように吹き付ける潮風に身を竦めるさながら、水平線の遥か向こうを見つめる。
と、その時────。
「おい、ほたる。こんな寒い所で、一人で何してんだ?」
『あっ、左之さん……』
「最近、熱っぽいって言ってだろ?具合悪いくせに、外出なんてしてんじゃねえよ」
『あっ、ううん、身体の方は平気だから。病気じゃないし』
私がそう言い掛けると、彼は私の手を取る。
「嘘つけよ。手、熱いじゃねえか。熱があるんだろ?そのくせ、薬を飲もうとしねえし……栄養つく物を食えって言っても聞かねえし。いい加減にしねえと、俺だって怒るぞ」
厳しい口調で、私を叱りつける。