第二百六十四話
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────交錯は、一瞬。
放たれた一撃は何の小細工もなく、ただ双方の全力が傾けられたもの。
風間さんが振り下ろした刃の軌道は、僅かに副長の身から逸れていた。
そして……。
副長の繰り出した鋭い突きが、風間さんの胸を深々と刺し貫いていた。
「俺には守らなきゃならねえものがある。だからたとえ鬼にだろうと負けられねえんだよ」
副長は、静かな声音で宣言する。
彼の瞳は生死を分ける数瞬の後も、驚くほど穏やかな色を湛えていた。
「貴様のような侍と戦い、死ぬというのであれば────」
風間さんはひどく壮絶な笑みを浮かべて、残された僅かな命を削りながら言葉を吐く。
「────何を、悔いる事があろうか。俺は誇り高き鬼としての生を全うした」