第二百六十二話
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負傷した副長の身体を支えながら、俺は五稜郭への帰路を辿った。
しかし……。
新政府軍は既に、五稜郭まで迫っていた。
敵の手が及んでいない場所を求めて、俺達は五稜郭の裏手に回る。
そこには、美しくも優しい風景が広がっていた。
桜の淡い花びらが、風に散らされ空を舞う。
別世界に迷い込んだかのような、現実感の薄い幻想的な景色……。
まるで、夢を見ているかのような錯覚を起こす。
血の気配を薄める春の香りに包まれて、俺達はひっそりと身を休めていた。
『…………』
副長の負った傷はあまりにも深く、なかなか治る気配が現れてくれない。
……もしかすると副長の肉体からは、羅刹としての力が減じているのではないか。
彼の寿命は、尽きようとしているのではないか。