第二百四十二話
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明治元年九月────。
「今日も無駄に時間が掛かっちまったな」
疲れ顔の副長が、城門から姿を見せる。
『お疲れ様です。会合はどうでした?』
「目新しい話はねえな。今日も榎本さんが仙台の判断を急かして────。新政府軍の兵力は強大だ。迂闊に仕掛けるべきじゃない────ってな具合に家老達がのらりくらり逃げて終わった」
『そうでしたか……。なかなか進展しませんね』
「東北の雄、仙台藩だとか何だとか言っておきながら、今になって腰抜かすとはな」
彼らの様子を思い出してか、副長は苦笑を浮かべる。
そんな顔になるほど状況は良くないと分かっているからこそ、俺も言葉がなかった。
ふと副長の表情が、和らいだ笑みに変わる。
「とにかく帰って寝るか。今日は陽が強くていけねえ」
『……はい!』
副長はちゃんと休むつもりなんだ。
その言葉に安堵したから、俺も思わず笑みを浮かべる。
そして俺達は並んで、宿を目指すのだった。