第二百三十話
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────肌寒い秋風が吹き始めた、九月一日。
俺達新選組の本隊は仙台に至った。
何事もなく此処まで辿り着いたけれど、実は少しだけ気掛かりな事がある。
先行した総長達羅刹隊と、さっぱり連絡が取れないのだ。
平助からも、何ら音沙汰がない……。
俺達が漠然と抱いていた不安は、仙台に到着してから更に強くなった。
近頃の仙台では謎の辻斬りが横行していると、町の人々が噂しているのを聞いてしまったのだ。
まさか、とは思うのだけど……。
どうにも不安は拭い切れなかった。
「久し振りだなあ、土方君」
「榎本さんも変わりない様子で何よりです」
仙台城で俺達を出迎えてくれた彼は、幕府海軍の副総裁である榎本武揚さん。
無血開城した江戸を見限って、旧幕府艦隊の旗艦である開陽丸以下、八隻の軍艦を奪い取った猛者だ。
榎本さんら旧幕府海軍はその軍艦を率いて、俺達よりも早く仙台まで北上して来ていた。
「近藤さんの件は、聞いたのか?俺も力及ばず、すまなかったな。日本も惜しい人を亡くしたもんだぜ」