第二百二十九話
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「……土方さんを、頼む」
一君が紡いだ短い言葉には、万感の思いが込められていた。
『うん。……大丈夫だよ。だって副長は……、殺しても死ぬような人じゃないからさ』
その言葉に、一君は虚を突かれたように目を瞬く。
『死に掛けた事もあるけど、ちゃんと持ち直してくれたし……。副長の事は心配ないよ。最後まで、新選組共に戦い続けるから』
副長なら大丈夫だと、俺は早口に訴えた。
『だから……一君も、死なないでね』
彼をまっすぐに見返しながら、俺は言う。
母成峠での戦いは激しいものになるだろう。
きっと、多くの犠牲を払う戦闘になるはずだ。
でも……。
死すら覚悟しながら戦場に赴くのと、死ぬつもりで戦うのは違うと思うから。
「殺しても死なねえとは、随分な言い草じゃねえか」
副長は、微かに目を細めて笑う。
「俺の心配をしてる暇があるなら、お前も自分の事を心配してみろ」
副長も冗談のような口振りで、一君に生還するよう未来を促す。
彼は俺の気持ちを見抜いた上で、俺の言葉に乗ってくれたのだ。