第二百二十六話
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「ぐ、うっ……、く……!」
突如、一君が顔を蒼白にして、苦しそうに唸り始めた。
押さえた自らの胸に爪を立て、全身に脂汗を滲ませながら苦悶の表情を浮かべる。
『一君……!』
俺はいつものように刀の先で、耳朶を傷付けた。
気まずそうに顔を逸らしていた一君だったけれど、その手がそっと俺を抱き寄せ、耳朶から零れた赤い雫をすすり始める。
……程なくして、苦しそうだった一君の呼吸が、段々楽なものへと変化していく。
安心して身体を離そうとすると……、肩に掛かった手に力が込められる。
そして、もう傷口もなくなった耳元で、こう囁かれた。
「もう少し……、あと少しだけ、このままで……」
その言葉が、あまりに切実な響きを持っていたから。
『うん……』
俺は小さく頷いて、一君にされるがまま、身を任せた。